らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

知らんけど

2022-11-02 | 地元紹介

先日、来年の秋から放送される、NHKの連続テレビ小説「ブギウキ」で、ヒロインを演じる女優の趣里(しゅり)さんが、NHK大阪放送局のアナウンサーからインタビューを受けていました。
このドラマは笠置シヅ子さんがモデルになっていることから、大阪弁が必要なドラマなのですが、東京出身の彼女は「大阪弁に苦労しています」と話していたのです。
これを受けて、インタビューアは「話の最後に ”知らんけど” をつければ大丈夫ですよ」と冗談交じりに伝授していましたが、この「知らんけど」という言葉は、いま全国の若い人たちの間に広がっているのだそうです。
大阪弁の「知らんけど」が何故、全国に広がったのでしょうか?
今日はその背景について調べました。

「知らんけど」
「知らんけど」という言葉は、元々は「よう知らんけど」という形で親しまれてきたのが、今では最後に付け加える形になっているのだそうです。
関西と言えば、若い人たちの間には「ボケとツッコミ」、「話に必ずオチを付ける」という話し方のイメージがある思いますが、「知らんけど」もその文化を受け継いでいるのではないかと言われています。
お笑いの街とも言われる大阪には、街の至る所で話芸に長けたセミプロのような方がたくさんいます。
日頃から会話の端々で話のオチが求められる状況の中で、正確性よりも相手を楽しませようとすることを重視してしまう人は少なくありません。
そのようなことから、大阪では「知らんけど」は、若い人の会話では重要なキーワードになっているようです。

「知らんけどが全国に拡がった背景」
この言葉が全国で使われるようになったのは、メディアに取り上げられたり、SNSで使われるようになったことが背景にあるそうです。
特に、流行に敏感な高校生たちが使うようになったということで全国に広がりました。
東京のマーケティング会社が関東の高校生にいまどんな言葉がはやっているのか尋ねたところ、「知らんけど」は3位に入っていました。
関東在住高校生のトレンドWord
1位 しんどW
2位 だるぅ
3位 知らんけど
3位 大丈夫そ?
5位 きまZ

「SNSで拡散」
そして、「知らんけど」を含むツイッター投稿数は2012年には10万件ほどだったのが、現在は6倍以上増加して60万件を超えているそうです。
現代用語をまとめた書籍にも、「知らんけど」が初めて掲載され、その意味は「文末につけて断定を避け、責任も回避する言い方」と説明しています。

「大阪で発祥した経緯」
大阪は元々商売人の土地柄ですから、言葉によるコミュニケーションが商売にとって非常に重要です。
べらべらしゃべって最後に「知らんけど」と言って落とすことによって、コミュニケーションを図るツールとなっています。
会話に起伏を持たせる事によって相手を楽しませる、言葉によっておもてなしをする、というような、大阪を中心にそういう話し方が発達してきたのではないかと考えられているようです。

「この言葉の関西での使われ方」
関西では次のように意味を含んで使用されているようです。
・「本当か嘘かどっちかわかりません」と言う時に、責任逃れのためわざと使う。 
・「そうやと思うねん」と言うニュアンス、だから知らんけど、知らんけどで回っていく話が多い。
・「知らんで、ほんまか嘘かは」に対して、「知らんのかい!と返してくれるのが嬉しいので」「知らんけど」を使う。

「無責任な言い方ではない?」
関西でも責任逃れのためやボケと突っ込みの言葉のやり取りを楽しむためとする理由が多いようですが、専門家によると、決して「無責任な言い方ではない」と指摘しています。
その理由は、専門的知識はないが、取り敢えず自分の知っているかぎりの情報を総合してわかったような結論を述べてはみたが、実際のところはよく知らない、という前提があります。
「知らんけど」は、そんな自分を客観的に捉えて立場を表明する言葉となっているのだそうです。

このような使われ方をする「知らんけど」ですが、私は使用したことがありません。
この言葉は若い人の間の言葉のようですね。「知らんけど」