虹の性別
雨上がりの空にかかる虹。綺麗ですよね。
ハワイには「No Rain, No Rainbow」という諺があります。
直訳すると、「雨のないところに、虹はない。」ですが、そこから転じて「今は落ち込んだり、辛いかもしれないけれど、必ず幸せはある」と励ます諺なのだそうです。
虹は世界共通の幸せの象徴として知られていますが、中でも滅多に見られないダブルレインボー(二重の虹)は幸福な言い伝えやサインを持つ、とても縁起の良い現象と言われています。
その二重の虹(ダブルレインボー)には性別があると言ったら驚きますよね。
先日の読売新聞のコラムに「空に現れる竜のペア」と題して載っていたのでご紹介します。
「虹」
雨上がりの空にかかる美しい虹。
この虹には性別があると言ったら驚きませんか?
そもそも虹はなぜ虫篇の漢字で表すのでしょう。
それは昔の中国では、虹を竜(大蛇)の一種と考えていたことと関係があるようです。
「虫」の字は元々蛇をかたどったものであり、「工」は貫くという意味なので、「虫+工」で天空を貫く竜(大蛇)となり、虹はそんなイメージだったようです。
たまに、虹が二つ重なるようにして現れることがありますが、昔の人はこれを竜(大蛇)の雄と雌だと考えました。
外側が赤、内側が紫で、鮮やかに見えるのが雄で「虹(こう)」、色の配列が逆で、うっすらと見えるのが雌で「霓(げい)」または「蜺(げい)」といいます。
勿論、現代の日本では虹は虹で、別段、性別があるなんて全く考えません。
しかし、滅多に私たちの前に現れてくれない「ダブルレインボー(二つの竜(大蛇)」がもし現われたら、どちらが雄でどちらが雌かを想像するのも一興かと思いますが、いかがでしょうか?
・ダブルレインボー(二重虹)です。昔の人はこれを竜(大蛇)と考えました。内側の鮮やかな虹が雄、外側の薄い虹が雌です。(ネットより)
「二重の虹の原理」
そもそも、なぜ虹が見えるのでしょうか?
虹は雨上がりの空に、太陽を背にしたときに正面によく見られることがあります。
これは空気中にある水滴の中で光が屈折して反射したものを見ているのですが、このとき波長(≒色)によって屈折する角度が違います。
赤は屈折角度が緩く、紫は鋭くなります。
最終的に、入ってくる太陽の光に対して、赤の光は角度が42.4°、紫の光は40.7°曲がって出てきます。
実際に虹(ここでは主虹)が見えているとき、見る人の立場からすると、少し高めにある水滴から反射して42.4°から入ってくる光が赤く、40.7°から入ってくる光が紫になります。
なので、上のほうが赤く、下のほうが紫になります。
「高い位置にある水滴内で2回反射して見えるのが副虹」
一方、副虹は水滴の中で2回反射していることが条件になり、2回反射する分、角度も変わります。
入ってくる太陽の光に対して、赤の光は角度が50.4°、紫の光は53.4°曲がって出てきます。
さっきの1回反射では、赤は42.4°、紫は40.7°だったのに対して、2回反射すると数字の大きさが逆になります。
2回反射では、紫のほうが高く見えます。
2回反射では赤も紫も角度が急になるため、副虹は主虹よりも高い角度(位置)で見えます。
そして色の順番が逆になる、というわけです。
また、2回反射する分、明るさが弱くなるので主虹より暗いということです。
以上が、ダブルレインボーの原理ですが、小さな水滴の中で、どのような状態の時に2回反射するのか、まだ理解できていません。
しかし、それはさて置き、滅多に出現しないダブルレインボー(竜(大蛇))の雄と雌、叶うことなら一度見てみたいものです。