らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

天網恢恢疎にして漏らさず

2021-08-04 | 雑学

今年6月、元法務大臣の河井克行被告が、妻の案里元参議院議員が初当選した2019年の参議院選挙をめぐって、広島の地元議員や後援会のメンバーなど100人に、およそ2900万円を配ったとされた公職選挙法違反の買収の罪に問われた裁判がありました。
元大臣は当初、無罪を主張していましたが、ことし3月の被告人質問で主張を一転させ、起訴された内容の大半を認めて執行猶予を求めたのに対し、検察は前代未聞の犯行だとして懲役4年を求刑し実刑にすべきだと主張していました。
東京地方裁判所は地元議員など100人におよそ2900万円を配ったのは買収が目的だったと認め、「選挙の公正を著しく害する極めて悪質な犯行だ」として、懲役3年の実刑判決を言い渡しました。

「天網恢恢疎にして漏らさず」
政治家に限らず悪事を働いても平気でうそぶく人たちがいることは誠に嘆かわしいことです。
諺に「天網恢恢 疎にして漏らさず」があります。
難しい漢字ですが「てんもうかいかい そにしてもらさず」と読みます。

意味は「 悪事をすれば必ず天罰が下る」ということです。
「天網(てんもう)」は神が悪人をとらえるための網。
「恢恢(かいかい)」は大きく包み入れる様。
「疎にして」は粗いという意味で、ここでは「天の網が粗い」を指します。

つまり、「 神様が悪人を捕らえるための網は粗いようだが、大きく広いので、悪人を漏らすことなく捕まえることができる」となります。
すなわち、厳粛で嘘や悪を逃さない天道には逆らうことはできず、最後に罰が下り、報いが下るという意味の諺です。



「出典」
この諺の出典は中国の思想家である老子の「老子(ろうし)・七十三章」です。
その原文は以下のようです。
天之道、不争而善勝、不言而善応、不招而自来、繟然而善謀。天網恢恢疏而不失。
(天の道は、争わずして善く勝ち、言わずして善く応じ、招かずして自ずから来たり、繟然(せんぜん)としてよく謀る。天網恢々疎にして失わず)

意訳:天は争わずして相手に勝ち、もの言わずして相手を感化し、招かなくても相手が自然に来るようにする。そのようすは緩慢なようであるが完璧に計算されているのである。天の網は広く大きく粗いようだが、決して見過ごすことはない。

子供の頃、いたずらや嘘をつくと、よく父母や祖父母から「お天道様が見ているぞ!」「正直に言いなさい」と怒られたものです。
お天道様の網に捕まるようなことはしていませんが、父母や祖父母はこの諺のことを言っていたのだということが、今になって分かりました。