蕎麦や素麺などの薬味として利用されるほか、天ぷらや酢の物、味噌汁の具など、独立した食材としても用いられる「ミョウガ(茗荷)」。
今日はその「ミョウガ(茗荷)」栽培についてご紹介します。
「ミョウガ(茗荷)」はショウガ科ショウガ属の多年草で、原産地が日本であることから英名も "Myoga" と呼ばれています。
インドや中国など、アジア大陸にも野生種はあるようですが、野菜として栽培しているのは、日本だけのようです。
私の畑では一昨年まで日当たりの良い畝に植えていたことから夏の乾燥に茎が枯れてしまい、全く収穫が出来ませんでした。
このため、昨年から梨の木陰ができる場所に植えたところ、これが奏功し、茎が枯れることなく、次々と花蕾を出すようになりました。
・これが梨の木の下の木陰に植えている茗荷の茎です。草丈は100cm前後までになっています。
ミョウガ(茗荷)は花ミョウガと呼ばれる開花前の蕾と、ミョウガタケと呼ばれる軟化した茎を食用にしますが、私が栽培しているのは花ミョウガで地下茎から花蕾が顔を出したところを収穫するものです。
・ミョウガの花蕾が数個顔を出しています。収穫は株元の土を少し掘って行います。このまま残しておくと花が咲いて収穫できなくなります。
ミョウガには独特の香りと辛味があり、花ミョウガは薬味、汁の実、漬物などに、ミョウガタケは刺身のつまなどに利用されています。
・収獲可能な花ミョウガです。
「茗荷と物忘れの逸話」
「茗荷(ミョウガ)」については次のような逸話があります。
釈迦の弟子の周梨槃特(スリバンドク)は熱心に修行をする人の好い人物でしたが、 物忘れがひどく自分の名前すらすぐに忘れてしまったそうです。
そこで釈迦が首から名札を下げさせましたが、その事さえも忘れてしまい、とうとう死ぬまで自分の名前を覚えることができませんでした。
彼の死後、墓から見慣れぬ草が生えてきました。
生前自分の名札を下げていた(荷物のように) ことに因んで、村人がこの草を「茗荷」と名づけたという事です。
この話から、『茗荷を食べると物忘れがひどくなる』という俗説が生まれましたが、決してそのようなことはありません。
安心してお食べください。