トーゴ文学

(前のエントリーの続きです)

 ゴルトシュニックさんには二回目の発言の時間がほとんど回ってこなかったので「ドイツ語がよい地位を保っているアフリカの国」がどこなのかわからないうちにパネルディスカッションは終わりになってしまいました。

 わたしは彼をつかまえて、その国はどこか英語で聞いてみました。

 それは、思った通りトーゴでした。

 思った通り、というのは Jeune Afriqueの何ヶ月か前の号にトーゴ文学の歴史が載っていて、少し知っていたからです。

 トーゴには19世紀にドイツ人宣教師が入って、地元の言葉エウェéwé語を整備して聖書を訳したりしたのです。それが今日豊かなエウェ語文学が花開く基礎になってるんですね。
 のちに第一次大戦の結果トーゴはフランス領になりますが、エウェ語が十分育っていたために、フランス語はなかなか浸透しなかったのです。

 今ではトーゴはれっきとしたフランス語圏の国に数えられています。でもドイツのもたらしたものをトーゴ人は忘れておらず、トーゴには今でもかなりの数のドイツ語学習者がいるのです。

 ・・・というような経緯なのですが、お話してみてゴルトシュニックさん自身は歴史までは知らないみたいでした。あるいはなんらかの理由で歴史への言及を控えられたのでしょうか。わたしはフランス語教師だと自己紹介しましたから・・・

 とにかくわたしはトーゴの言葉の歴史を、フランス語情報を通じて知りました。
 ドイツ語を愛する人にとっては切なく、割り切れないことかもしれませんね・・・

 
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