近くの家で もう吾木香が咲いていた。 伸びすぎた小さな秋が、 足もとまで踊り出ている。 吾木香はくすんだ色をして、 無口で寂しい… ぽつんぽつんと気ままじゃないの そんな詩も思い出される。
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寂しさの極みのような吾木香も、 ほんとうは紅を秘めてしゃんとしているのだ。 そんな思いもこめられていたか… 埼玉の歌人 三ヶ島葭子の唯一の歌集は 「吾木香」だ。 生涯に六千余首の短歌を残し 四十歳七か月の若さで旅立った。
(所沢市教育委員会発行 三ヶ島葭子Ⅱ)
君を見ん明日の心に先だちぬ夕雲赤き夏のよろこび
春の雨けぶる欅の梢よりをりをり露のかがやきて落つ
しみじみと 語句をたどる。 心に沁みることばだ。
夕雲赤き…
露のかがやきて落つ…
困難は ひとをつよくするし 心を深くするものだと思う。
ご案内
埼玉の文学 三ヶ島葭子資料室
あきる野市デジタルアーカイブ
夕雲赤き夏のよろこびはそのまま、燃える作者の想いですね。共感出来てうれしいです。アルバムなどこちら↓で見られます。吾木香の表紙などもあります http://archives.library.akiruno.tokyo.jp/gallery/index.php?mode=image&id_1=2&id_2=8
ふくら雀さん 吾木香がうまく育つと良いですね。小さな花がかたまってぽつんぽつんと見える秋は、ゆっくり必ずやって来ます。
異常な暑さです、どうぞおだいじになさってください。
「夕雲赤き夏のうた」から辿って病弱の短い生涯に六千余の歌を遺した方と知りました。与謝野晶子の後継者と目された時期もあったのですね。
別所では吾亦紅がもう花を揺らしているのですね。今年は暑さで、枝分かれした伸びた先の葉が茶色くなっていて、花が無事育つのかどうか。逞しく生い茂ってはいますが。
小さな花の密集が好きで花畑に移しましたが「やはり野に置け」だったのかもしれませんね。まだこれから長く秋まで楽しめますね。
暑さに参ってしばらくパソコンも閉じたままでした。夏は例年こんなにも暑かったかしらと、嘆いています。