
雨で、 衝突しそうなふたりが民家園にいく。 江戸時代の建物など7棟、 移築復元した野外博物館である。 寄棟茅葺屋根の長屋門など郷愁を誘った。
そして、 池一面に古代蓮が咲いている。
初夏のころ、 蓮はその宿根から若葉を出して、 うすい緑色の葉を水面に張りつけたように浮かべる。 銭葉ゼニハともいう。 やがて、 水面から茎が立ちあがり、 巻葉(細く巻いている) となり、 のちにひらくそうだ。 知らなかった蓮の手順を、 リプレーするように味わった。
浮葉巻葉立葉折葉とはちすらし 素堂
波なりにゆらるゝ蓮の浮葉哉 子規
(季語… 蓮、 蓮華、 はちす、 蓮の花、 白蓮ビャクレン、 紅蓮ベニバス、 蓮見、 蓮見船、 蓮池 )
黎明の雨はらはらと蓮の花 虚子
匂うような花びら… なんとふさわしい微雨。 やわらかく煙るようだ。 蓮華座に微笑む。
ここに 来てよかった。
雨は、 葉のうえで 休むと水晶珠になった。 風がそよいで、 扁平な楕円になり、 不安気なレンズができた。 そこに、 梅雨空も、 今朝の気持ちも、 写している。
こぼれ落ちる花を拾いたいが、 足場がぬかるんで。 見渡すと、 小さな種が青い蜂巣に、 できかかっているのもある。 秋になれば黒い実をとって食べたね。 遙かむかしに。
民家園と蓮の花。 こころもいつしか解けている。 ここから 坂東家は遠くない。
メモ ・旧浦和市農業協同組合三室支所倉庫 大谷石と漆喰の土蔵造りの石蔵。 大正8年 ・旧高野家住宅 煎餅店 江戸末期 合理的な型抜き器、 転がすだけで何十枚も一度に型が取れる、すごい! 焼き網。 ・旧綿貫家住宅 雑貨や砂糖など扱う店 江戸末期~明治初期 虫籠窓が特徴。 母もここで砂糖を買っていた。 ・旧野口家住宅 田の字型四間取り。 ・旧武笠家表門 天明3年(1783)、今から224年まえに建立。 ・旧中島家穀櫃 内部を3等分に仕切り、 落とし板をスライドさせて収納する仕組み 江戸後期 見たことがある。 ・旧蓮見家住宅 約250年前に建てられた、さいたま市内で一番古い民家。 江戸中期。 「ししまど」という格子窓は 猪などが入らぬように。
父の実家は練馬ですが、やはり古い重厚な家、
田の字型四間が中心の大きな家でした。
3年ほど前に叔母がなくなって、家は壊されることに
なりましたが、保存すべきとの声は多かったそうです。
私も小さい頃はよくいとこたちと遊んだ懐かしい家ですが、
維持するのは大変なのだそうです。
古代蓮が似合いますね。
蓮の花、大好き。
心がゆったりとするような、慈愛の花のような気がします。
アクションを起こすっていいことですね。
朝からもめた。 でも、貸し切り状態で、こちらで良かった。
仏もおはす蓮の花、瞑想するような、透けて幽かな花びら、 わたしも大好き。
座敷わらしも住んでいそうな… 裏も表も開け放して南風が座敷を吹き抜ける、 夏は大人も子どももいっせいに昼寝をしましたっけ。 井戸の西瓜が待ってます。
京さんの行動力に乾杯!