別所沼だより

詩人で建築家 立原道造の夢・ヒアシンスハウスと別所沼の四季。
     

どどめいろ

2008-06-21 | 自然や花など

  ショッピングセンターのベンチは、 桑の実を撒いたように汚れていた。  見上げれば、 熟して丸い実が成っている。 緑に映える赤い実だ。 
   「何ですか…」  通行人も寄ってくる。  いっしょに眺め、 胸を張り 
  「ああ…  ヤマモモです」  
   
  近くの公園にもあって、 10年くらい前に解ったのだから、 偉そうなことは言えないけれど、 案外知らない人が多い。 落ちてくるのは どどめ色。  故郷で、 熟した桑の実を 「どどめ」 と言った。 暗い紫色だ。

  くもり日の水浴は、 唇が 「どどめいろ」になって、 祖母が慌てて捕まえに来たっけ。 女の子はみんなスカートの裾をつまんで、 袋のようにして、 桑の実をあつめた。 新調のワンピースを、 どどめいろに染めて大騒ぎして。  

  どどめ…   なんと懐かしい。  

   ヤマモモ

              楊梅 ヤマモモ

       

            山桃の日蔭と知らで通りけり      普羅

 
      大きな木かげ   紅い雨・・・  道路も屋根も どどめいろ。

   伊邪那岐命イザナギノミコトが桃子三箇を取りて(古事記)…   黄泉醜女ヨモツシコメを退散させたとある。 桃は、 中国では邪気を祓い不老長寿を与えるとされる。       

   この小さな実が 礫になったとは

  

 

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2 コメント

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やまもも (踏青)
2008-06-22 21:20:19
見事に生っていますね!
山桃は田舎の群馬には無かったので、
私もこちらへ来てから知りました。
友人が焼酎で漬けた「山桃酒」をもらって飲んだことがあります、
一度作ってみようかと思っていますがまだ機会がありません。
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紫の君 ()
2008-06-23 06:27:38
 踏青さん おはようございます。
 山桃酒はきれいな色でしょうね。 なんと言ってもこの彩りに魅かれています。

 実そのものは、種が大きく柘榴と同じようでちょっとがっかり。
 高い梢からしぜんに落ちてきたような実だけで、ほんとうの味を知りません。
 新鮮なのは、もう少し香りも味も良いのでしょう。 桑の実と紫の君、 ヤマモモの紫の上、すてきです。
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