別所沼だより

詩人で建築家 立原道造の夢・ヒアシンスハウスと別所沼の四季。
     

詩人の夢

2012-11-03 | 別所沼だより

  直立する並木が胸を張って瀟洒な小住宅を見守っている。 きょうはヒアシンスハウスの晴れの日…  こころよい演奏が風にのり沼面を渡ってゆく。 人の輪ができて、 軽快なリズムにからだを揺らせている。 こどもたちも走っている。

  今回も 奈良からお越しのHさん、 ほんとうにありがとうございました。 ガイドするたび 詩人の夢の家にすわって 全国にいらっしゃるファンの熱い視線を感じています。

  打楽器とピアノと鍵盤ハーモニカ
    2to1/weico&yukie&yumiko 

 

 

  「晩秋の沼」 作品が完成するまで しばらくかかりそう。 燃えるような赤が映える日、 一幅の絵に感動する。  それでも やっかいな 落葉日

 

 きょうは水面がスッキリしている。 別所沼を愛する皆さまの活動を知った。 
 名づけて「樋口一葉作戦」  詳細はこちらです。


 

  Yさん製作 今年のポスター

  ヒアシンスハウスに 風信子の文字がみえる凝ったつくり



 講 演 <詩と美術 -うらわ美術館のコレクションと展覧会から>
          森田 一 (うらわ美術館 学芸員)

 以下は 自分宛のメモです

・ 総合芸術としての「本」
 本と挿絵のかかわりなど、 興味深い。 専門的でむずかしかったが愉しくうかがった。 
 挿画は詩の説明ではなく  「挿絵、美術は詩を見、 詩は美術に期待している」 

スライドをまじえ 多様な挿絵、美術の結びつきを教わった。  詩をより魅力的にする挿画の存在。 単なる装飾ではなく、作品(詩)を高め、 美術と詩は 「本質的なところで結びついて」いる。 

 ・ ダダイズム・シュルレアリスムと詩
 創造のために いったん壊す。 
 西洋的な合理主義では理解できないようなものを表現する。  

 1924(大正3)シュルレアリスム第一宣言 マヴォMavo創刊 のこと。 
  革新的な芸術運動が起こったのだ。

・ ビジュアル・ポエトリー
 視覚による詩。 視覚化された、or オブジェ化された詩
 例えば テキストはこじんまり表記され 挿絵のほうがページの大半を占めているもの。 
 テキストと視覚部分、 挿絵と一体化する本がある。  引用された

本は文明の旗だ,
その旗は当然美しくあらねばならない。
美しくない旗は,
旗の効用を無意味若しくは薄弱にする。
美しくない本は,その効用を減殺される。
即ち本である以上美しくなければ意味がない。 恩地孝四郎(詩人 版画家 装幀など)

 に 頷いた。 装幀を美術上のジャンルとしてとらえる。 
 本の機能 「コミニケーション、 記録だけでなく、 美術作品」

新国誠一(ニイクニセイイチ) 「新国誠一詩集」 1979  
 詩の前衛化。 方眼に対角におさまる 「川」と 「州」の文字。 文字は意味としてではなく、かたちとして表されている。

  詩集を収める箱。 箱に納まる詩集、 蓋を開けては成らない。 詩集は箱の中で見えないが、 「読めない詩集を感じ、考えることが詩である。 知的営みが 内包されている…」

・1970年代以降のオブジェ・ブック

球の中に、立体的なページを納めている。 斬新、愉しいデザイン。
   藤井敬子(鳥井雅子) 「RED あか」 1997 
 ともに版画家のふたり 詳しい画像はこちらで

以前あった うらわ美術館での 誌上のユートピア  画文交歓 など思った。 響き合う挿画と詩文だ。 今回、 本の美術、 装幀にもいろいろな表現があること。  詩が先か、 装幀が先か。 どちらが上というのでなくて、 「美術と詩は一体となって新しい作品を生む」ことに驚いた。  本の魅力が広がった。  お腹いっぱい、たのしかった。

 (2)講 話 <立原道造のパステル画>
         
詫摩 祥江(立原道造記念会 学芸員) 

 残っているパステル画のほとんどは13から17才くらいまでに描かれたもの。 未だに色あせない作品、 パステルの発色。 ルフラン社の高価なパステルを揃えた背景に、 道造の才能を認めていた家族の愛情がある と。 全集にもない独自の視点で語られた。
 たくさんの作品を埼玉県立近代美術館の展示室でもみられ幸せであった。 幼さの残る絵や、 老成したような作品など鑑賞  至福のとき。

 これは会場で求めた絵葉書。  描かれた年代も解らないが さまざまなタッチを試しているようだ。 ゆたかな色彩感覚。 明るいたくさんの色が調和している。 シュールでふしぎな絵だ。 ポイントは黒、 不安な電柱を除けば、 かわいらしい機関車。 その煙は雲に届く。飛行船、 はるかな機影、 山脈、 飛ぶ鳥。 巨大な植物はイネ科。 飛び込み台の人、 みづうみの帆船。 幸せな大きな家。 思いつくまま愉しみ綴った少年がうかんでくる。

 詩の朗読  <立原道造の世界>
          弓削 緋紗子、 山岡 桂子    
     
 合  唱  
     合唱 : 女性合唱団 La Mer    指揮 大竹教子
     曲目 :  サウンド・オブ・ミュージック/ふるさと/夢見たものは、他

 


 4日は 埼玉県立近代美術館で  「SMF ああっと! ファクトリー」 (2012年10月31日(水)~11月4日(日))。  「立原道造とヒアシンスハウス」  立原道造のパステル画やヒアシンスハウスの建築模型など展示され、 来場者のご案内、カウントなど。 

 美術館での続きは 明日へ

 

 

 

 

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