別所沼だより

詩人で建築家 立原道造の夢・ヒアシンスハウスと別所沼の四季。
     

白い帆船

2007-10-10 | 別所沼だより


  一ヶ月ぶりの別所で 午後4時30分、 めずらしくヨットをみつけた。 


  聞けば ときどきここで走らせている。 操縦しながら 心は舳先に乗っているのでしょう。  先端で風をうけ髪を靡かせている姿も浮かびました。 紳士は実際にヨットをもっていて、 クルージングをされるのだそうだ。 ときどきこうして 次なる大航海を夢みるらしい。 


  盆景の宇宙のごとく、 ヨットは堂々として、 さながら地中海か、 レマン湖辺りを爽快に滑る風情だ。 水面の雲がいい感じで盛り上げる。 メタセコイアの翳も揺らぐ。  幽かなそよぎ、 帆が夕風をはらんで船体を傾けると臨場感もたっぷりで、 大海原を帆走するヨットそのものだった。  白い帆船は 緑の蔭によく似合った。


  甲板に人影が…     ほら  大きく手を振っている
    海に招かれた春の日を、 たのしく思い出した。


              帆おろすヨットの奢り巻き込みつつ                 篠原梵


       


  以前は、新築すると市から 「金木犀」の苗木が贈られた、 そのせいだろうか、町中にいい香りが漂っていた。 ここにも 黄赤がほつほつと。 メタセコイアも色づきはじめている。 


       木犀の香をたしかめんとする息する      篠原梵  

 

            

 
   暑いあついと言ってる間に、 早くも末の秋。 朝晩は、 日の匂いも懐かしく感じられ、 紅葉だよりもきかれる頃だ。  秋の日はみじかい。 写真は16:50 
  早く帰れと せかされた。 

 
    (余談)  篠原梵の 他の句もすき

    葉桜の中の無数の空さわぐ  
         吾子立てり夕顔ひらくときのごと揺れ

 

 

 

 

コメント (4)
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