何十年もタンスのなかでねむっていた。レースのブラウスやハンカチやカシミアのセーターにそっとわけてきた香り。
いまごろ気づくなんて…
乳白色のかざりは二羽のつばさ。香りはとおくなり
暗いひきだしの隅っこでがまんをつづけた。
突然ひかりのシャワー。あるじは、きのうルネ・ラリック展を見てきたようだ。しげしげと眺めている。
そうよ、わたしはニナ・リッチの香水瓶。デザインは
-ルネ・ラリック- いちばんちいさい瓶
乳白色のガラスにはあたたかさとやわらかさ。硬質で透明なものにはシャープなスピード感あり。さまざまな技法と味付けで魅力的な、印章、香水瓶、時計、カーマスコット、花瓶、常夜灯、ペンダント、室内装飾など。美しく、おもしろく惹かれたモチーフ(ばら、裸婦、すずらん、さくらんぼ、サギ、バッタ、ツバメ、茨、つむじ風、とかげ、蛇etc. ほかにもたくさん)
日本橋高島屋までの通りの桜は8分咲き。 2005.4.5