午後の3時 晩秋の光が射して 水面に映える
落ち葉が地面に散らばっていた
がらんとした沼で 噴水はふっくらと歌うように しぶきをあげる
秋と冬の あわひの時刻に…
午後の3時 晩秋の光が射して 水面に映える
落ち葉が地面に散らばっていた
がらんとした沼で 噴水はふっくらと歌うように しぶきをあげる
秋と冬の あわひの時刻に…
第十二回 朗読公演
堀 辰雄 風立ちぬ いざ生きめやも 14:00~
彩の国さいたま芸術劇場 映像ホール
朗読 武田久仁子
音楽 フルート&ギター 岩濱眞規(「風のように」 作詞作曲)
・風立ちぬ
Le vent se lève, il faut tenter de vivre.
冒頭に引用された ポール・ヴァレリーの詩、 心地よい音質と早さで朗読がはじまった。
それらの夏の日々、一面に薄(ススキ)の生い茂った草原の中で、 お前が立ったまま熱心に絵を描いていると、 私はいつもその傍らの一本の白樺の木蔭に身を横たえていたものだった。
朗読は抜粋し要約されている。 武田さんは 元 NHK東京放送劇団員とあった。 長年磨かれた技術で、 よどみなく、 声の調子を抑えたり、高めたりしながら、 堀 辰雄が描いた詩のようなせかいを広げてゆく。 音楽が場面ごとに臨場感や奥行を与え、 しずかに盛り上げてゆく。 節子と私のすがたが浮かぶようだった。 もっと聞いていたい。
口笛や挿入歌に導かれ想像がふくらむ、小説を深く味わうことができた。 堀が矢野綾子に捧げたといわれる鎮魂歌。 小説に表された うつくしい、いくつものかけらを拾った。 自然の描写であり、 彼女のしぐさや上品な言葉づかい… 私や節子の心理描写の。
・トーク (八ヶ岳その白き輝き)
・曠野(アラノ)
忘れぬる君はなかなかつらからで いままで生ける身をぞ恨むる (拾遺集)
堀辰雄の王朝物といわれる四作のなかで 最も完成された作品。
原典(今昔物語第四の巻30)。 古語の解説もあったが、 より詳しく解った、古典を学んできてよかった。
堀 辰雄夫人 多恵子さんは 立原道造記念館の名誉館長であり、 ヒアシンスハウスをつくる会の発起人でもいらした。 公演のおわりに ヒアシンスハウス代表の北原さんの夫人が 多恵子さんを別所沼にお連れした日のことや、 一緒にウナギを召しあがったことなど楽しく話され、会場はいっそう和やかになった。 ヒアシンスハウスのことを全く知らなかった方たちにも 堀 辰雄と立原道造の交遊を心に刻み、 関心を寄せてくださったことと思う。
海に浮かぶ一そうの帆船… 水鳥が颯爽とゆく。
別所沼のほとりで育まれてきた 文芸同人誌 「孤帆(コハン)」をご紹介しましょう。
風土と文芸が深い関係にあることはいうまでもない。
風光や土地柄が描かれていることで文芸作品が精細を放っているのである…
(孤帆主宰 北原立木)
ことし35号では 「ヒアシンスハウスと別所沼の風」として エッセイ、詩、短歌、俳句などある。 ガイドになって知り得たみなさんの個性的な作品を読むのは、 ことさら楽しい。
モダンな表紙・カットは 高島 芳幸
さらに小説、 若い方の作品もよかった。 ほか戯曲、書評など
「ヒアシンスハウス」の夢がひろがり、 新しい芸術の発信地になるよう願っています。
曇りなのに 窓辺は明るい
青桐が 錦をかざして部屋をのぞいた
すっかり彩られた ヒアシンスハウス
パレットの赤を 少しずつぼかして
あっという間に 晩秋の絵
ちょうど2週間まえの ヒアシンスハウス夢まつりでは まだ青々としていた樹々が きょうは油彩画のよう。 パレットの上の 赤、 みどり、 樺色、 黄、 茶にグレイ… ハーモニーを奏でる。
別所沼を守る会の皆さんが 草を刈り藻を掬って水辺を綺麗にしてくださっています。
奈良もまた 錦秋の
絵巻のただ中 談山神社です
ことしヒアシンスハウスを 4回も訪ねてくださったHさんからいただきました
ありがとうございます
甘樫丘から 畝傍山と二上山
今日のガイド) 雨の予報もあり人出は少ない。 南西の風、 くもり。 薄日もあったがつかの間のこと。 突風に枯葉が舞った。見学5名。 皆さん 散歩の途中で寄られた。
年配の女性からは 「キリスト教の建物ですか」
雨戸のクロスが気になるようです。
初めて入ったが、 たくさん話を聴いてよかったと仰った。
家を出ると最寄り駅を渡って 美術館を横目に 公園を抜け 遊歩道に入る。 自宅からヒアシンスハウスまで片道40分。 往復徒歩にて、15,017歩/日
同人誌「孤帆」のエッセイ、小説など読んで過ごした。 夕暮れが早い。 3時過ぎるとハウスはひっそりと寂しい。
埼玉県立近代美術館(一般展示室)では 共鳴する空間- 詩・美術・建築・音楽・ダンス- が行われた。 SMF ああっと! ファクトリー(2012年10月31日(水)~11月4日(日))
1 詩人「立原道造とヒアシンスハウス」
立原道造のパステル画20点 (詩人 小山正孝氏所蔵)
「桜」「屋敷森のある家」「あそこへ行く道」「御岳の道」
はじめてみる作品が多い。
ヒアシンスハウスの建築模型(部分) 制作:佐野哲史
風が吹いている。 東に廻って窓から声をかけ迷い込んだ。 沼のボートにふたり。 ベンチでやすむ人、釣り人など臨場感たっぷりで愉しい。
・大学の課題であった建築図面 (パリのホテルの入り口)
「この絵は いま学校で画いてゐる製図だよ。 模写だけど 僕が描くとこの扉のなかには可愛らしいパリの子どもたちがゐることになつてしまふ」 立原道造(中村整宛書簡)
他 椅子 書籍など展示。
知らなかった本、「風信子の家」 篠田真由美(カドカワ・エンタテインメント)
2 「グルグルハウス」の美術家9名により、 立原道造の詩をモチーフに創作された美術作品展示。 「何処へ?」 「溢れひたす闇に」 「踊り子は」 「さまよひ」など
価値の基準ってなんだろうね。 だれがきめるんだろうね。……
ひょっとしたらその価値は本当に人間に必要じゃないものだったのかもね。
自分たちは価値をつくってないんだ…… いやいや本当はすごい価値(お金じゃない、みんなに必要な)をつくっているのかも。 (伊東茂広)チラシより抜粋
ゆたかなひろがり、 発想にいつも驚く作品ばかりだ。
作品のまえで 詩の朗読
3 「部屋を着る・音を灯す・おどりを編む」と題された建築・音楽・ダンスのコラボレーション展示・ワークショップ
部屋を着る(建築)…会場内の空間をデザインしている素材を自由に動かして、 心地よいと感じる空間をつくってみて。 子どもたちが段ボールで夢の家を…
音を灯す… サウンドモンタージュワークショップ。 おもしろそうで、体験してみた。 歌や朗読など何でもよい、 あらかじめ仕組まれたプログラムの好きなところを選んで繋げると… 自分の声や周りの音が音楽になっていた。 こんな風に、 自由に作曲もできるのでしょう。 グルグルハウスのアート作品製作の音など、あらゆる音が展示された。
おどりを編む(ダンス)
創作ダンス「かいじゅうたちのいるところ」
(リハーサル風景)
美術館で来場者のご案内、カウントなど担当。 午前中だけで180名、午後からダンスなど在りかなりの方がいらっしゃることでしょう。 立原道造の作品にさまざまなアートが共鳴し 大きく広がった。
立原の詩が好きと言う男性は長時間堪能されて、 美術館後ろの遊歩道から別所沼のヒアシンスハウスへ向かわれた。
「Twitterで知ったのです、 間に合ってよかったです。
これだけの展示がもったいない、もっと宣伝して欲しかった」 と 感想をくださった。
直立する並木が胸を張って瀟洒な小住宅を見守っている。 きょうはヒアシンスハウスの晴れの日… こころよい演奏が風にのり沼面を渡ってゆく。 人の輪ができて、 軽快なリズムにからだを揺らせている。 こどもたちも走っている。
今回も 奈良からお越しのHさん、 ほんとうにありがとうございました。 ガイドするたび 詩人の夢の家にすわって 全国にいらっしゃるファンの熱い視線を感じています。
打楽器とピアノと鍵盤ハーモニカ
2to1/weico&yukie&yumiko
「晩秋の沼」 作品が完成するまで しばらくかかりそう。 燃えるような赤が映える日、 一幅の絵に感動する。 それでも やっかいな 落葉日
きょうは水面がスッキリしている。 別所沼を愛する皆さまの活動を知った。
名づけて「樋口一葉作戦」 詳細はこちらです。
Yさん製作 今年のポスター
ヒアシンスハウスに 風信子の文字がみえる凝ったつくり
講 演 <詩と美術 -うらわ美術館のコレクションと展覧会から>
森田 一 (うらわ美術館 学芸員)
以下は 自分宛のメモです
・ 総合芸術としての「本」
本と挿絵のかかわりなど、 興味深い。 専門的でむずかしかったが愉しくうかがった。
挿画は詩の説明ではなく 「挿絵、美術は詩を見、 詩は美術に期待している」
スライドをまじえ 多様な挿絵、美術の結びつきを教わった。 詩をより魅力的にする挿画の存在。 単なる装飾ではなく、作品(詩)を高め、 美術と詩は 「本質的なところで結びついて」いる。
・ ダダイズム・シュルレアリスムと詩
創造のために いったん壊す。
西洋的な合理主義では理解できないようなものを表現する。
1924(大正3)シュルレアリスム第一宣言 マヴォMavo創刊 のこと。
革新的な芸術運動が起こったのだ。
・ ビジュアル・ポエトリー
視覚による詩。 視覚化された、or オブジェ化された詩
例えば テキストはこじんまり表記され 挿絵のほうがページの大半を占めているもの。
テキストと視覚部分、 挿絵と一体化する本がある。 引用された
本は文明の旗だ,
その旗は当然美しくあらねばならない。
美しくない旗は,
旗の効用を無意味若しくは薄弱にする。
美しくない本は,その効用を減殺される。
即ち本である以上美しくなければ意味がない。 恩地孝四郎(詩人 版画家 装幀など)
に 頷いた。 装幀を美術上のジャンルとしてとらえる。
本の機能 「コミニケーション、 記録だけでなく、 美術作品」
新国誠一(ニイクニセイイチ) 「新国誠一詩集」 1979
詩の前衛化。 方眼に対角におさまる 「川」と 「州」の文字。 文字は意味としてではなく、かたちとして表されている。
詩集を収める箱。 箱に納まる詩集、 蓋を開けては成らない。 詩集は箱の中で見えないが、 「読めない詩集を感じ、考えることが詩である。 知的営みが 内包されている…」
・1970年代以降のオブジェ・ブック
球の中に、立体的なページを納めている。 斬新、愉しいデザイン。
藤井敬子(鳥井雅子) 「RED あか」 1997
ともに版画家のふたり 詳しい画像はこちらで
以前あった うらわ美術館での 誌上のユートピア 画文交歓 など思った。 響き合う挿画と詩文だ。 今回、 本の美術、 装幀にもいろいろな表現があること。 詩が先か、 装幀が先か。 どちらが上というのでなくて、 「美術と詩は一体となって新しい作品を生む」ことに驚いた。 本の魅力が広がった。 お腹いっぱい、たのしかった。
(2)講 話 <立原道造のパステル画>
詫摩 祥江(立原道造記念会 学芸員)
残っているパステル画のほとんどは13から17才くらいまでに描かれたもの。 未だに色あせない作品、 パステルの発色。 ルフラン社の高価なパステルを揃えた背景に、 道造の才能を認めていた家族の愛情がある と。 全集にもない独自の視点で語られた。
たくさんの作品を埼玉県立近代美術館の展示室でもみられ幸せであった。 幼さの残る絵や、 老成したような作品など鑑賞 至福のとき。
これは会場で求めた絵葉書。 描かれた年代も解らないが さまざまなタッチを試しているようだ。 ゆたかな色彩感覚。 明るいたくさんの色が調和している。 シュールでふしぎな絵だ。 ポイントは黒、 不安な電柱を除けば、 かわいらしい機関車。 その煙は雲に届く。飛行船、 はるかな機影、 山脈、 飛ぶ鳥。 巨大な植物はイネ科。 飛び込み台の人、 みづうみの帆船。 幸せな大きな家。 思いつくまま愉しみ綴った少年がうかんでくる。
詩の朗読 <立原道造の世界>
弓削 緋紗子、 山岡 桂子
合 唱
合唱 : 女性合唱団 La Mer 指揮 大竹教子
曲目 : サウンド・オブ・ミュージック/ふるさと/夢見たものは、他
4日は 埼玉県立近代美術館で 「SMF ああっと! ファクトリー」 (2012年10月31日(水)~11月4日(日))。 「立原道造とヒアシンスハウス」 立原道造のパステル画やヒアシンスハウスの建築模型など展示され、 来場者のご案内、カウントなど。
美術館での続きは 明日へ
おや カワセミ君
ここでは 魚は獲れないよ
立て札にとまって
考え込むカワセミ君 なかなか動けない
ときどき向きを変えたけど 遠くの杭に移ってしまった
沼の中程 ここからじゃ写らないよ~
朝は肌寒いような曇り日の別所沼、 パラパラと雨が来た。
午後から晴れて、 金木犀の風がぬける。 奧の広場でハロウィンまつりが始まるようす、 仮装のこどもたちがぞくぞく集まってきた。 黒猫や魔女、 フランケンシュタイン、ドラキュラの姿も見えて、 なにやら楽しそう…
今日のガイド 来訪10名。
夫妻は入間から。 以前、 真新しいヒアシンスハウスに来たのです。 8年経って風格を増したハウスに感慨深げ。 こんな家に住みたい。 11月3日のヒアシンスハウス夢まつりのこと、 合わせて催される埼玉県立近代美術館の展示などご案内して、 大層喜ばれた。
仲間も来て長時間滞在。 絵画の話はもちろんだが季語を多く学んだ。 秋を感じて全く飽きない。
10月のノートをみると、 とおく宮城、兵庫、広島などからいらしている。 近郷からも多数お出かけくださっていて、 ありがたくうれしく思った。
多くのカメラマンを熱狂させている翡翠くん
詩人で建築家 立原道造の
2012さいたま市民文化祭参加
第8回 ヒアシンスハウス夢まつり in 別所沼 PRを どうぞよろしくね
2012年11月3日 (土・祝)午前11:30~午後4:00
コスモスをそよがせて
きもちのよい風が通りぬける
小楢にやすむ 濡羽色
雑草も逆光に映えている。 銀ねず色の チカラシバ(力芝)
立ち易(カワ)り 古き都となりぬれば道の芝草 長く生ひにけり (万葉集)
道の芝は 力芝のこと
動くと まだ暑いくらい
夏の花が居残って 金木犀は遅れています
一部重複しますが 他の写真があります
2012年11月3日 (土・祝日) ヒアシンスハウス夢まつり
埼玉県立近代美術館でも 立原道造のパステル画やヒアシンスハウスの建築模型などの展示があります。 (「立原道造とヒアシンスハウス」 2012/10/30~11/4)
復元成った東京駅
駅舎の設計を担当したのは、日本近代建築の祖、日本銀行本店などを手がけた
辰野金吾(1854~1919)です。
スケッチしたり 写真に撮ったり 大勢の人で賑わっています。
一枚におさめるにはちょっと無理ですね。
ドーム内の大型ディスプレイから公開しましょう。
別所沼だよりに なぜ東京駅か。
東京駅の設計者辰野金吾と立原道造には深いつながりがあるのです。
夭折した詩人 立原道造は、 東京帝国大学工学部建築学科でまなび、 卒業までに3年連続して 辰野賞を受賞。 将来を嘱望された建築家でした。 立原道造が かつて夢みた ヒアシンスハウス が 「詩人の夢の継承事業」として さいたま市の別所沼のほとりに建てられています。 いちどご覧いただけましたら うれしいです。
2012さいたま市民文化祭参加
第8回 ヒアシンスハウス夢まつり in 別所沼
2012年11月3日 (土・祝)午前11:30~午後4:00
※4:30から懇親会
午前の部 会場 ヒアシンスハウス前庭 ・参加費 無料
■プログラム1 (11:30 ~ 12:15)
野外演奏 -打楽器とピアノと鍵盤ハーモニカ-
演奏:2to1/weico&yukie&yumiko
※雨天の場合は、別所沼会館にて行います。
午後の部 会場:別所沼会館 ・参加費 無料
■プログラム2 (13 : 30 ~ 15 : 00)
(1)講 演 <詩と美術 -うらわ美術館のコレクションと展覧会から>
森田 一 (うらわ美術館 学芸員)
(2)講 話 <立原道造のパステル画>
詫摩 祥江(立原道造記念会 学芸員)
■プログラム3 (15 : 00 ~ 15 : 30)
詩の朗読 <立原道造の世界>
弓削 緋紗子、 山岡 桂子
■プログラム4 (15 : 30 ~ 16 : 00)
合 唱
合唱 : 女性合唱団 La Mer 指揮 大竹教子
曲目 : サウンド・オブ・ミュージック/ふるさと/夢見たものは、他
■懇親交流会 (16 : 30 ~
会費: 2000円
※ 埼玉県立近代美術館にて 「SMF ああっと! ファクトリー」 (2012年10月31日(水)~11月4日(日)) を開催。 「立原道造とヒアシンスハウス」 と題し、 立原道造のパステル画やヒアシンスハウスの建築模型など展示されます。
「SMF ああっと! ファクトリー」では、 他にもさまざまな展示やイベントがありますのでぜひお立ち寄りください。
詳細はこちら です。
逝いた私の時たちが
私の心を金にした 傷つかぬやう傷は早く愎るやうにと
昨日と明日との間には
ふかい紺青の溝がひかれて過ぎてゐる
投げて捨てたのは
涙のしみの目立つ小さい紙のきれはしだつた
泡立つ白い波のなかに 或る夕べ
何もがすべて消えてしまつた! 筋書どほりに
「夏の弔ひ」 立原道造 (抜粋)
残暑の別所沼、 スケッチする方たちがいます。 製作のじゃまをしながらおしゃべりをした。 皆さんプロですね、 よい作品ばかりで魅かれました。
拝見しながら構図や色彩などまなび、 おひとりからは絵葉書をいただいた。
うれしいことに ヒアシンスハウス、 ご了解を得てUPします。
第一美術協会会員 牧野安甫
第一美術協会会員 高橋 浩 (敬称略)
道造さんが好んだ やわらかなパステルの色…
撮れなかった女性の作品は、 近景に釣人のパラソルが効果的でした。
晩夏から初秋へ… どの作品にも季節の移ろいがこめられていてすてきでした。
第一美術協会さいたま支部展 10/9~10/14まで
埼玉県立近代美術館で 鑑賞するのも楽しみです。
とおい蝉の声、 浮島に紫の花は 紫蘇科 花虎ノ尾(角虎ノ尾)だろうか。 赤とんぼが飛んでいる。 猛暑にかかわらず午前1名、 午後からつぎつぎお出でくださった。
結局来訪15名。 スケッチの方たちも見学された。
・建築科の学生ふたり、 課題のヒアシンスハウス。 よいレポートを。
・散歩中の若い父親とスタンプを押してうれしそうな子どもたち
・友人から教わってきました。 建築家と知らずにガイドして恥ずかしかった。 熱心に聞いてくださって ありがとうございます。
・ハウスは4度目。 文学、活字が好き。 絵や詩に魅かれる。 とくに賢治が好きという男性は、中也、 村山槐多など話題をひろげ、 谷中の話などされて、 ふと… 風のように立ち去った。
僕はひとりで夜がひろがる 立原道造詩集 画 魚喃キリコ (パルコ出版)
をご紹介くださった。 いぜん私も読みました。
添えられる絵は洗練されていて、 詩にマッチしていたとおもう。
皆さまお暑い中を ほんとうにありがとうございました。
このあたりで アサギマダラによく似た蝶をみかけた。
カメラを用意したとたんに、 なんと液晶モニターに留まってしまった。 手許では撮しようがない。 じっくり観察はしたが、 もう残念で残念で仕方がない。 うすい水色に黒茶っぽい筋模様、 先に赤い紋(アサギマダラにはない)、ナミアゲハより小振りだ。 淡い水色が心に残ったが、 ここにアサギマダラはいないでしょうね。
猛暑つづきで別所に来るのも久しぶりだ。 突風や雷予報も出ている。 お盆を控えてさすがに釣りびとは少ない、 滝のような汗をかいても走る人は切れ目無く。
お客を招き入れる内開きのドアを押して 「道造さん… おじゃまします」
小声で挨拶して中に入る。 部屋は杉や檜の爽快な香りで充満している。 東南の雨戸を開けると一陣の風が、 なにかチリリと鳴らした。 ふいのことでびっくりした。
みればコーナー窓のいちばん高いところに、 風鈴が下がっている。 気まぐれな風につきあって、 ときおり歌っている。
晩夏、 さまざまな緑に囲まれるヒアシンスハウス。 道造さんが好んだ緑系に暑さを忘れる。 心を取り戻して 風鈴の涼やかな音にひたる。 夏の風がハウスを吹き抜ける、 なま温かい匂いにのって蜻蛉まで入ってくる、 陽も翳もうごく。
極暑にも 「住み心地よい」家を ゆっくり堪能する、 幸せなガイドの一日。
鉢にも 可愛い風鈴が。 撮れなかったが、 ここに揚羽が留まった。
噴水が一其 戻って 澱んだ沼を救っている。
来訪三名 お暑い中、ほんとうにありがとうございました。
・ 建築科の学生。 女性は図面を引き熱心に寸法を採る。 外からもスケッチして帰られた。
(細やかな視点でしずかな学び。 ガイドもうれし)
・ 安全安心住宅勉強会から。 10月、 辰野金吾設計の東京駅復元工事が終わる、 この機会に、 帝大在学中に辰野賞を3回もとった立原道造とヒアシンスハウスを多くの方に知って頂きたい と。 勉強会で発信、 紹介してくださっている。 (ありがとうございます。 辰野賞に合わせ、 千載一遇のチャンスですね。
11月3日(土) 第8回ヒアシンスハウス夢まつりin別所沼。 ファンが大挙しておしよせる… 夢のようです)
ご自分の部屋は一部プロの手を借りたが、ほとんどを自身で造った。 やはり切妻片流れ屋根… と強調された。 風信子荘の由来などお話しする。 風 信子さんの荘かも知れないと。
・札幌から大きなスーツケースをもって若き男性、 帰省の途次訪ねて下さった。 上司に知らせたいと絵葉書購入。 建築家の眼で 感動しながら。
このころ突如降りだして、 雨が止むまでしばらく滞在された。 (ご堪能されましたか。
彼方より思い覚ましてヒアシンスハウスへ。 どうぞまたいらしてください)
アオコ大発生! 厳しい暑さに沼があえいでいる。
植物プランクトンなどが異常に繁殖、 水面の色を変えている。 朝のうちは北よりの風が南側に吹き寄せて、 ヒアシンスハウスの窓からは、 樹間に赤茶けた水面の色が哀しく映った。
午後気づくと、 青粉は北側に移ったらしい。 いつものおだやかな沼面に変わっていた。
いっとき降ったが、 期待するほど涼しくはならなかった。 八月半ばの蝉の声、 大合唱に命がたぎる。
神田文房堂にてルフランのパステル、 緑系を200色も買った立原道造。 ここの木々や 沼面に彼のみどりが沁み通っている。 そう思わせる梅雨の滴りだ。
わずかに遠回りしてソネットにちなんだ敷石を渡る。 14枚… ゆっくり数えヒアシンスハウスの鍵を開けた。 部屋の湿度 92%、 朝から蒸している。 気温はさほど高くない。
粉糠のような雨は降りみ降らずみ、 迷ったあげくに旗を揚げる。 午後から急に大降りになり、急いで仕舞った。 来客2名
・女性が案内板を熱心に読んでいる。
「中もどうぞ…」 と声をかけられ、 入りやすかった。 浦和に住んでいても全く知らなかった、 友だちにも教えます。 ヒアシンスハウス… いい名前ですね。 (ありがとうございます。 どうぞまたいらしてください)
・若き建築家。 市内太田窪からランニングで 此処までちょうど5k。 (腕につけた計器に興味津々。 距離や心拍、カロリー計算などでき、 データ管理も出来るらしい。 服装も決まっている) おなじ建築家として、 熱い思いでみつめていらっしゃる。 また お寄りください。
市内のひとでも余り知らないヒアシンスハウス。 街道沿いに ヒアシンスハウスのガイド板設置、 或いは 別所沼公園入口の歩道橋側面に、 「立原道造のヒアシンスハウス→」 のような、 道路標識などできないものでしょうか。
・水曜のガイド氏が本棚を清掃、 北窓にさわる枝を整理。
さらに道造さんの蒲団を干し、 シーツは洗濯してあるとあった。 おかげさまで、清潔なハウスで気持ちよくスタートできました。 ありがとうございます。
※7月28日(土) 恒例の ”夜会”。 ハウスに明かりを灯して語らいます。
5時半頃から。
ヒアシンスハウスの時間に感謝したい。 居心地の良い知的空間でサプライズが待っている。 ここは心の基地である。
ガイドの朝 鍵といっしょにふっくら厚い封筒を頂いた。
宛先 「別所沼公園内 ヒアシンスハウス 5月19日(土)。午前中にいたボランティア先生」とある。 差出人の記載はない、 しかし先月19日の日付と、 貼ってあるシールにピン!と来た。 まさに ワッ! とおどかすつもりでしょう。 ウナギまつりの あの紳士しかいない、 開ける前から解ってしまった。
ほんとうは 何もかもご存じだったのでは、 と笑いもこみあげるが詮索はよそう。 何度もなんども 面白可笑しく励ましてくださっている。 真心のこもったお手紙をありがとうございました。 お礼申しあげます。 (たぶんblogなどご覧にならないでしょうけれど)
機知に富んだサプライズはすてきな手紙で とても嬉しかった。 失礼をわびながら、別所沼の別所という店でウナギを食べながら考えた とはじまっていた。
立原道造が別所沼に別荘をつくり、そのあと弥生町にいき(立原道造記念館)、最後は信州上田の別所温泉の山奧の信濃デッサン館に行ったと言うこと。
※ アンダーラインは蛙
紳士は別所つながりにおどろく、 別所で休憩所とばかり思っていたところでガイドに会い、 立原道造を知り、 そういえば3月に別所温泉の奧のデッサン館で立原コーナーを見てきたばかりだ… この不思議、 なにやら見えない糸に繋がれているらしいと感動する。
本屋でみつけたという新刊書も添えられて、ヒアシンスハウスにふれられないのを残念に思われた。
「真相の近代建築 数奇な運命の建築家たち」 佐々木宏 鹿島出版会
無視された事実、 忘れられた建築家。 いま明かされる近代建築の真実。 欧米・日本の巨匠たちの、知られざる素顔、 見逃せない功績、 語り継ぐべき史料。
博覧強記の著者がつづるノンフィクション近代建築史。
50の秘話のなかに 立原道造関連では 60年間秘匿された小論文、 立原道造の建築家像を定着、 小場晴夫の使命感と大きな功績 等々まだある、 いま読んでいるところ。
「もう一つの感動は、 ベッドに寝たこと。 ほんの瞬間に、 思いは立原道造がこの別荘をつくりたいという昔に戻りました。 五坪足らずというのがとてもいい大きさ。 寺泊の良寛の五合庵、 奧吉野の西行庵も、これより小さいのです。 機会があったら見にいってください。 感動でヒックリかえりますよ。 2012.5.21」
ありがたいお手紙を一部公開しました。 ウナギの紳士殿 どうぞお許しください。 愉しい手紙を、 ほんとうは全部公開したいくらいです。
音もなくふる雨に緑が濡れて、 鮮やかさを増している。 きのうの真夏から春の寒さへ。 関東も梅雨入りした。 草の葉にやどる露の清らさ、 雨の匂い、 けむるような沼にカワセミが居る。 午前中は、 実感して「詩人の建築家像にせまりたい」 と、 男性が相次いだ。
・ 蒲生から、ハウスは何度目か。 若者は就活中。 「建物を見るだけでは駄目で、 そこで時間を過ごすことで見えてくる、 わかることがある。 現在自炊しキッチンに立つ、 使い勝手を知り改善の余地はないか問うのもひとつ」 (体験は設計に活かせるのですね。 住み心地の良い住宅を)
・ 静岡から福島へ帰るところ、 (わざわざ) 途中下車してハウスに立ち寄られた由。 熱意に感動する。
「いつか行ってみたいと願いつづけた場所にようやく来ることができた。 図面や写真を見るだけでは解らない、 実感してこそ。 とても落ち着ける場所。 ベッドに寝転がったり、 椅子に座って一日中思索に耽りたい そんな気持ちにさせる」 (静かに味わって頂きたかったと 反省ばかり。 満喫されましたか)
午後から 永峰さんの知人で建築家の男性が同級生3人(女性ばかり)を連れてこられた。 浦和出身でありながら浦和には何もないと思っている彼女たちに、 こんなすてきな場所ができていることを伝えたくて。
緑を眺めながら窓際でコーヒーを頂きたい。 ちょうど良い空間。 そういえば母校の校歌… 作詞は神保光太郎先生、 沼の畔でお姿も見かけた。 (季節を変えて またいらしてくださいね。)
訪問者6名。 ありがとうございます。
今日もすてきな方たちにお会いした。 どなたも1時間以上滞在された。
学ぶことが多く しあわせである、 雨もまた良し。 ここに来れば皆詩人になれる。
一番乗りの男性は、ラジオで 別所の鰻!と聴いて、 たまらず駒沢から駆けつけた。 ちょうど良かった、 涼しそうだし中で休憩させて。 浦和駅から歩いてきたと汗を拭う。
ヒアシンスハウスのことはまったく知らない ごようす… とにかくウナギ、 鰻は何処が美味しいか 安い店は何処? そんなはなしで終わりそうだった。
せっかくいらしたのですから休む間、 ガイドのはなしもすこし聞いてくださいね
ここは 休憩所じゃないんです。 詩人で建築家の立原道造が設計し 24歳の若さで・・・
すると男性は 額に手をあて刑事コロンボのように あのぅ… じつはですね 3月のことです。 信州の別所温泉に行きまして 無言館や信濃デッサン館をたずね、 あそこは景色もいいところですね。 沼がたくさんあって ぜひ一度行った方がいい。 ああ そうそう そこで 立原道造の遺品など見たのです。 その立原さんの家? と驚く。
ガイドの説明をゆっくり聴いて いちいちうぅーんと考え記憶を辿るようす。 次々繰り出されるゆかりの方たちに、こんどはこちらが目を見張った。 小場晴夫の近くにいたらしいこと、 かなり近く、 仕事か 接点は何処か、 教えていただけなかったけれど。 愉しいお喋りはつぎつぎ広がった。 ガイドがガイドされて、しかも詳しい、 感動する。
立原の手紙や小論文公開までの小場晴夫の葛藤など、 興味はつきない。
さいしょは何も知らず ただ飛び込んできたようなのに、 じつは深い因縁があった。
でも、 一時間ほどで 今日はうなぎ… ウナギ 鰻と出て行かれた。
面白い方だ。
さいたま市役所前で恒例の うなぎまつりが開かれている。 間に合いましたか。
・ ヒアシンスハウスが課題になって。 学生さんが相次いだ。 なかには 午前から閉室まで取材・調査、 質問もたくさん頂いてうれしい。 情熱をかたむけた、 すばらしいレポートが楽しみですね。 またお出かけください。
来訪 12名
沼は緑を映して一日中心地よい風が吹いていた。 車輪梅の花が薫る。
このあたり大昔は海だった。 それで浦和地区を浦回と表記。 地勢変化により沼や湿地帯が残り、 うなぎがたくさん生息するようになった と。 詳しくはこちら
道理で鰻やさんが多いわけだ。
近くにもあって昼ともなれば対岸から香ばしい匂いがする。 風の出前に空腹が募った。 弁財天の入口と浦和駅前に、 うなこちゃんの像がある。