別所沼だより

詩人で建築家 立原道造の夢・ヒアシンスハウスと別所沼の四季。
     

光と翳と

2015-01-17 | 別所沼だより

 朝から晴れて気分も上昇
 元気に翻って、笑いが止まらぬようなのだ。

 真っ青な空に静まる木立  光と翳を映して
 水鳥はどこへ行ったでしょうか
 

 午後から曇って 北西の風が強い。 大樹を揺さぶり梢はゴウゴウと唸った。
 水面は吹き流されて速度を早め、ときには渦を巻く。沼はまるで大河のようにみえた。

   

寒くても 走る人や歩く会のグループはたくさん見られる。
 皆さん忙しそうで、こちらには寄れないそうだ。

小さな家の ひとり時間。
千切れた雲が枝先にひっかかるかもしれないと 窓からじっと眺めていた。

   照ればポカポカ、明るい光はまぶしいくらい。
  窓にもたれて立原道造の「優しき歌」を読んだ。

   追ひもせずに 追われもせずに 枯木のかげに
   立つて 見つめてゐる 真つ白い雪の
   おもてに ながされた 私の影を―――
  (かなしく 青い形は 見えて来る) 


   私はきいてゐる さう! たしかに
   私は きいてゐる その影の うたつてゐるのを……

                   (後略)  

     立原道造   真冬のかたみに……
            Heinrich Vogeler gewidmet 

 

 


 

  雪雲が行きかい、 晴れたり翳ったり目まぐるしく変わるなか
 午後から 散歩の家族などいらっしゃった。  

 ・男性  別所沼の写真を撮っています。
  作品は写真展に入選し、2月プラザノースに展示されるそうです。
   (別所沼は どこを撮っても絵になりますよ)
・男の子はお父さんと来室。 帰ったと思ったら再びお母さんを連れて、ご一家で観て行く。
 (一日二度も来てくださったのです。
   ありがとうございます。詩以上に詩的な手紙も読んでくださいね)

・ここは何ですか。 今日は「歩く会」なので、 あらためて、 必ずまた来ます。 

  子供さん2人を含め 来室12名
  ありがとうございました。                  

 見あげると 水色の紙に美しいデッサンが残されていた…
  どうやら 詩人が描いたものらしい、 細緻なしごとにうっとりする。

 

 

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日向ぼっこ

2015-01-13 | 自然や花など

  通りを歩いて 色んな花に出会った

  間もなく咲きそうな ミツマタ

 

 寒さに強いエリカ

 こちらはすてきな錆朱です

 日を浴びてうつらうつらの葉っぱは 何て…  ん?

 

 駒場スタジアムの

  シンボルマーク 八咫烏(ヤタガラス)

 

  園芸種のユーカリ 葉が丸い

 黄梅(迎春花) 香りはないけどジャスミンの仲間

 

 このあたり坂が多くて  赤ちゃんもお母さんも 頑張れ!

 上のほうが ピーチク パーチク 騒がしいけれど
  逆光で 何だかわからないね

 表にまわると あれれ  小鳥がいっぱい
 突き抜けるような青空で 日向ぼっこの雀さん 

 

 

 

 

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寒の内

2015-01-10 | こころ模様

 毎日晴れて きっぱりとした青空がのぞいている
血管のような梢に ふるえながら兆すものがある
 

 

 りりと… うるわしい


 

 久々に切手を買う

正倉院宝物シリーズ 
碁盤や碁石もあり喜んだ。(木画紫檀棊局(モクガシタンノキキョク)・棊子(キシ))
他 螺鈿が美しい「螺鈿紫檀五絃琵琶(らでんしたんのごげんびわ)など

 こちらに詳細

 手紙好きで80円や50円の切手をまだたくさん持っている。
弟への励ましに「兼好さんの遺言」を送るとき、 持参の切手をペタペタと貼った。
400円分 ぜんぶ種類を変えて封筒の左半分占領、みごとな作品に窓口の女性が頬笑んだ。
 
 弟は気づいてくれたかなぁ…
  切手による精緻きわまる小さな美術館を楽しんでもらいたい。

 


 街路に沿って 作品がならぶ。

  羊たちの丘(共同制作) アトリエ・シマダ 絵画教室 

   児童のゆたかな発想 個性的な羊。 良い作品に出会った。
 

   厳かに万象寒の内にあり   風生

 

 ものみな鎮まる厳しい寒さ
  雪国のみなさまに お見舞い申しあげます。 
 

   

  

 

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初日記

2015-01-04 | 別所沼だより

  水煙が 夢のようです
   希望に満ちて 年が明けました 
   

 

 朝は マイナス4度  
 沼の一部が凍って松ぼっくりが転がっています  風を受けて初滑りかな

 

 日だまりは温かく

 

 肩を寄せあう鳩さんたちも 初日のことや初富士を拝んだとか 賑々しい
   

  新年の季語は多く なんでも初が付いていて縁起がいい

初詣 初荷 書初 初雀 舞初 謡初(ウタイゾメ) 初立会 出初(デゾメ) 初blog・・・

 なかに 楽しいのがあった 

「福笑い」、 家々を訪ねて祝言を述べる「万歳」 地方では今も続いているだろうか。 
 「ぽっぺん」などあって浮世絵を思い出した。

 ぽっぺんは 正月に女児が遊んだ壜のようなもの 
 玻璃、つまり硝子の玩具で、その管を吹くと底の部分がペコンペコンと鳴るそうだ

             -☆-

 新年早々 PCは固まってばかりいますが
   本年もどうぞよろしくお願いいたします

 

 

 

 

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こつごもり

2014-12-30 | 自然や花など

 雨上がりの公園で

  手すりの 滴が金色に光った
 

 紅葉葉楓の実が落ちて

   こんなに拾った  
    とくに 強風の翌日がお勧め…

  刺のある鎧で 守られる種子  不思議な造形に感動する
  瓶に入れて 森のようすを聞こう
  

・「イチョウ 奇跡の2億年史 生き残った最古の樹木の物語」
  ピータークレイン著 矢野真千子訳  河出書房新社 438p
     ゲーテの 「Ginkgo biloba」も愉しみで

   読みたいけれど まだ手元にはない
    お年玉がもらえたら買いたい

・ 最近 駅前や空き地で注連飾りや門松を売る人たちがみえないけれど 気のせいかな
  うちは飾らないけれど
 お正月飾は  園芸店や花屋さん・ホームセンター・スーパーでも売っている

・寒くなると 冬ごもり 
  蕪村の画集を眺めて暮らそう

  老はいや死ぬこともいや年忘れ  風生

・きょうは大晦日の前日 
 「おおつごもり」の前日で「こつごもり(小晦日)」

  春や来(コ)し年や行きけん小晦日   芭蕉 


 

   つたない絵日記に たくさんのお客様がいらして うれしいです
  来年も どうぞよろしくお願いいたします
   

 

 

 

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たそがれは

2014-12-23 | 自然や花など

  郵便を出しに 新都心まで行った

   夕ぐれは早く 4時過ぎると 

 

  あたりは茜雲に 染まった

 

  誰(た)そ  彼は…

  橋のうえで すれ違うのはどなたでしょうか

 

 

 

 

  

 

 

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祭りのあと

2014-12-20 | 別所沼だより

    自宅から歩いて40分  別所沼へ
  葉をすっかり落としたメタセコイアが 寒そうです


 背筋をピンと伸ばして

 

 

 足もとは赤いじゅうたん 

 

 大量の枯葉が 再利用できないらしい

  焼却場へ運ばれる

 ハウス裏は レッズの赤  「浦和レッドダイヤモンズ」

 

  紫陽花のそばに これほど増えているのを知らなかった

 束の間  吹き寄せられる落葉に やわらかな陽が注いだ 


   3時近く雨が降りだし そろそろ雨戸を閉めている  と 京都から2度目だという男性がいらして 慌てつゝ 雨戸を開け直して迎えます。 間に合って良かったですね。 遠いところを ようこそ!   ストーブのほのかな温もり、 暖かな明かりの色…

  ごゆっくり どうぞ

 来年のヒアシンスハウス夢まつり  ぜひいらしてくださいね 

   参考) 日本経済新聞 2014.11.18 夕刊    

 来室3名

    
 帰路も徒歩にて  15,688歩/日 

   

 

 

 

 

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ありがとう

2014-12-14 | こころ模様

 

 

  義妹が愛したマーヤ  

                      

   青いマットの上の 白い花は 
 人でいったら100歳になる猫のマーヤ

  気持ちの良い日だまりで 

         とろとろしながら

   小鳥のうたを聴いている 

    そして 

   一日中 夢を見るのだ 

    クリスマスローズが やわらかくそよいでいる 

        沈丁花も鼻をくすぐる  

            -☆-

 

 
   これから とおいところへ行くんだね    

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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ひっそりと

2014-12-12 | こころ模様

 12月8日  庭の紅葉が散るなかを 
  義妹は ひっそりと旅立った 

 
  


 

   
 

  長いあいだ  ほんとうに良く頑張ったね 
  あなたが弾くピアノの音をずっと忘れません 
  
   大好きな薔薇がまだ咲いて レモンがたくさんなっています

 

 

 

 

 

 

   

    

 

 

 

 

 

 

 

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お寺の紅葉

2014-12-06 | こころ模様

 自宅近くの寺に寄ると思いがけず紅葉にであった。境内に大きなモミジは一本だけであった。

  晴れていれば参拝の方がいらっしゃるのだろうけれど、木枯らしが吹き始めた午後とあってはさすがに誰もいなかった。 晩秋の絶唱をたったひとりで愛でるしあわせ。 京の紅葉に負けぬほどの鮮やかさ、艶やかさ。 好きなだけ撮った。

 見あげては 身もこころも紅に染まる。
 

 黒い幹は 腕を大らかに広げ 

  風が吹くたび 燃えあがった。


 

 白壁と とり残された柿  郷愁を誘う

 

 舗道でおめかし   耳飾りのようね

 


 

    ペインティングナイフの曇り冬めきぬ    高勢祥子

  絵を描く方だろうか  ステンレスの曇りを見逃さない繊細さ
  そのこころに魅かれた

   水彩の余白を冬の光とす          高勢祥子
   小春日や豚毛の筆を指で撫(ぶ)し     高勢祥子
  
  どれも好き  硬い豚毛 暖かな小春日  絵でも描こうかな

  急に寒くなって 今朝は氷点下
  早起きもつらいですね

 

 

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時雨

2014-12-04 | 自然や花など

  急に寒くなって
  木の葉の 時雨が降りました  
  

   一足早く 
 

 届けられた 冬の手紙…

   

   うれしいね   こんなにたくさん

 時雨の色


 

  近くを歩くだけで

  まだまだ紅葉狩り

  柿の実は 冬晴に映えて
   
    染の野は枯に朱をうつ木守柿    澄雄

 曇って さむそうな梢

    木守柿来る年のこと誰も知らず   万千代

     

 

 

 

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師走

2014-12-01 | こころ模様

   朝から つめたい雨が降っていた。  今日から12月。

       落葉松の 秋の雨に
        わたしの 手が濡れる

           落葉松の 夜の雨に
            わたしの 心が濡れる

                 落葉松の 陽のある雨に
                   わたしの 思い出が濡れる

                         ……・・・・・・

 

   コンサートで聴いたばかりのメロディーが こころ静かに鳴っている
 
    持木文子さんのソプラノで
   
     「落葉松」   野上 彰 作詞   小林秀雄 作曲

 

 

  一年は早い   蛙だって忙しくなる。

 

 

 

 

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小春日

2014-11-27 | 自然や花など

    玉の如き小春日和を授かりし   たかし

                               (エミリオ・グレコ  ゆあみ)


  冷たい雨がつづいたあとの小春日、 ほっとしました。  小さな喜び探していると 

 紅葉葉楓(もみじばふう)の 黄葉です

 

    お店のオリーブが 少しずつ色づく
  かわいい実です

  

  舗道の巨大なレモン  ずっしり重い ポンテローザ

 

 

 明日からはまた雨   変わりやすい天気です。

   お風邪に気をつけて…

  

 

 

 

 

 

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美しいとき

2014-11-22 | 別所沼だより

  ガイドの朝
  湿り気のある落葉が温められて、 針葉樹らしいすっきりとした匂いがしている。

 

 

  メタセコイアは せっせと筆をすすめ 
 哀しいほど美しく

 

 ハウス周りを  こんなに描き変えてしまった


  

 絵画というより  手織りの質感

 自然が染め 織ったような気もする
   いつもと違う ドラマがうまれていた
  


 ぽかぽかと気持のよい日。   来訪 25名。

 女性からいただいたことばも忘れられない。
 「こころを休めに また来ます… 」  (ありがとうございます。

 ・ 少女のころ出会った、 立原の詩の一節が
 ずっと自分を励ましている 
 ・ 8名のグループで  文教都市・浦和を訪ねる
   リーダーから 片流れの屋根の話など伺った 
    (皆さまから学ぶことがいっぱいです。
  
 ・お眼の不自由な男性、 まえから一度来たかった、 きょうはガイドさんを頼んでこられた。 
    窓や内開きのドア、 机・・ 一つひとつ触れて実感された。
   居心地の良い いい場所…  今度は仲間を誘ってきます。

  ( 感謝でいっぱいです。
 


   ゆさぶれ 青い梢を
   もぎとれ 青い木の実を
     ……

  弱い心を 投げあげろ
  噛みすてた青くさい核(たね)を放るやうに
  ゆさぶれ ゆさぶれ

     わかれる昼に    立原道造  (抜粋)

 

 別所沼が輝く 一年でもっとも美しい季節です。

  

 

 

 

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かはづ鳴く

2014-11-18 | こころ模様

奈良のお客さまを迎えに出たら   居ましたよ

  さっそくメールで知らせると  「武蔵浦和に向かっています
    カワセミを留めておいて… 」

 

   無理ですよ    気ままなあの子を留めるなんて

 近づけば   浮島に移ってしまうし  

 

 

 どこ吹く風…

 どれだけ遠いかって     白い筏に乗った浮島の  その細い杭のうえですよ 
 小さなデジカメで写しました


 

ところで わたし カエルじゃないんです。 本人は「カワズ」 のつもりで 
キーボードは kawazu のように きれいに叩いています。 
  多くのかたが  カエルだと…   勘違いされる

 

 万葉集から好きな歌を送ってくださったので 許してあげます。

  かはづ鳴く神なび川に影見えて今か咲くらむ山吹の花   厚見王(アツミノオオキミ)

 山吹が影を落とす神なび川に かはづの声が聞こえますね。 
澄んだ声は いつまでも耳に残ります。 かはづ… カジカガエルのこと 美声で有名な 

 

 

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