退屈日記

とりあえず日々のつれづれを。

「数字のリテラシーと『振り回された人』」について

2018-12-08 03:34:22 | Weblog
晴れときどきくもり。夜風が冷たい。

ゲルト・ギーゲレンツァー「リスク・リテラシーが身につく統計的思考法」を再読。

「偶然の一致の確率」が「被告以外の誰かの証拠である確率」と混同されると。

「偶然の一致の確率」はだいたい非常に小さく仮に「100億分の1」だとしよう。
これが「被告以外の誰かの証拠である確率」だとして「100億分の1」にされれば。

圧倒的に訴追者側に有利な「証拠」に早変わりしてしまうという誤謬。
実に「怖ろしい結果」を生むことになる。

あるいは。

「女性1000人あたり8人が乳がん。そのうち7人はX線検査で陽性。
乳がんではない992人のうち約70人が検査結果が陽性」だとして。

陽性の反応が出た女性が乳がんである確率は?

「陽性である人」は「7+70」で「77人」。
「乳がんなのは7人」だから結局「7/77」つまり「1/11」で「ほぼ9%」だとわかるものの。

これが「女性の乳がんになる確率は0.8%。そのうち87.5%がX線検査で陽性。
乳がんではない女性の約7%の検査結果が陽性」だという前提だったら。

おそらくたいていの人は頭を抱えるのではないだろうか。

さらに言えば。

外国のある雑誌が「女性の10人に1人が乳がんになる」という記事を出したのだけれど。
実はそれが「85歳までに乳がんになった女性の数を足し合わせたもの」だったり。

つまり「1000人の女性」の中で「85歳までに乳がんになった人は100人」だが
途中経過を見ると「30代で4人」や「40代で13人」など。

結局「乳がんで死亡した人数」は「33人」だったので
「乳がんで死亡する確率」は「33/1000」で「約100人に3人」ということにも。

この「リスク」をどう評価するのかがポイント。
もちろん乳がん以外の原因で死んでいる人がいることも確かで。

もっと付け加えると。

「平均収入」が実情と異なり高く出がちなのは
「2000万+200万の平均」が「1100万」となるから。

ここでは「平均」ではなく「最頻値=最も出てくる回数の多い数字」を見た方が実情に近くなる。
いちおう中学の数学で教えられている内容なのを忘れずに。

この種の「リテラシー」を知っておかないと
いたずらに数字に振り回されることになるので是非。

「1人が2人」になれば「100%の増加」でもあり「倍増」でもある。
そのイメージと現実の差を認識しておこう。

それ以外にも内容は盛りだくさんなので「必読書」だと言っておく。

それとは別に。

引退を決めた貴ノ岩を思う。

横綱に殴られ大ケガを負った事実が「協会の『事情』」から無視もしくは軽視され。
損害賠償の訴訟を起こしたら祖国で「メッタ打ち」に。

何とか十両で優勝したものの11月場所では成績が振るわず。
相当にストレスが溜まる中で付け人が「ヘタ」をしたことで感情が噴き上がり。

自分に暴力を振るった横綱同様に引退に追い込まれて。

もちろん暴力を無前提に許すわけではないとはいえ。
何だか「可哀想」に思えるのは「ひいき目」なのか。

周囲に引き回されての挙句がこれでは。
「やってられねえ」と思う気持ちをわからないでもなく。

せめて今後の人生を穏やかに暮らしてもらいたいと思うのみ。
同時に「大ケガ」を軽視した協会が「平手打ち」をあげつらう遣り口よ。

「排除の論理」が働いたように思えてならないのだが如何。
協会にとってはいかにもな「棚ボタ」だもの。
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