退屈日記

とりあえず日々のつれづれを。

「好ましいノンフィクション作家を思い出すことと何とも皮肉な設定の映画」について

2024-04-02 02:48:34 | Weblog
晴れ。身体が持っていかれるほどの風が吹く。

酒井順子「本棚には裏がある」を読む。

週刊文春の連載をまとめたもの。
同じ本を読んでいたりそうでなかったり。

井田真木子を採り上げているのが好ましく。
もっとも彼女の作品はそんなに読んでいないのだけれど。

どの作品かは覚えていないものの。
「何であなたはそうなの」と絶えず聞かれる被差別者が。

それを彼女に伝えるシーンを鮮明に覚えている。
「何であなたは『普通』なの」と聞かれるのと同じことなのよと。

この描写だけで「信頼に足ること」がわかる次第。
早逝したのはつくづく残念。

コード・ジェファーソン「アメリカン・フィクション」(’23)を観る。

自分が「ウンコ」だと思う類いの小説を批判のつもりで書いたところ。
それが大いにウケてしまう作家の物語。

「白人が思う『黒人のリアル』」よ。
結局現実とは別にそれが蔓延るアメリカの姿を描いて。

障害者を扱った「感動ポルノ」に似て。
どこまでもそこには「現実」がないというのに。

ただし認知症になった母親を好ましい施設に入れるための資金は出来。
そうした皮肉さと背後で流れる音楽も好ましく。

ゲイの兄クリフとの関係性はなかなか。
「パパっ子」には見えないものがあることを覚えておこう。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする