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    by ぷーどる♂ & ぷーどる♀

地衣類 ~共生という生き方 その2~

2018-10-05 09:53:45 | ぷ♂の日記
さて、前回からの続きです。

コケ(蘚苔類)によく似ているもの、植物ではなく菌類である地衣類。
ですが、それらは葉緑体を持たないにも関わらず、光合成で養分を得ている!
そのわけは…?

と、いうところからですが、もったいぶらずに答えを言うと、
それは、体内に光合成をすることができる藻類を住まわせているから
なのです。
だから外見からはわかりませんが断面などを顕微鏡で見てみると、
菌の本体(菌糸)の中に閉じ込められた藻類の姿が確認できます。
つまり、言い換えると藻類はすっぽりそのまま菌糸の中で保護されており、
多少の乾燥などにも耐えうることができる良い環境にあると言えますから、
藻類は菌に守られ、菌は藻類から養分を得てと、
まるで大家さんと店子のような関係なので、
前回お話ししたマメ科の植物と根粒菌の関係と同じく共生関係であると言えます。

実はこのような関係はほかの生き物の体の中では大昔にあり、
今ではその取り込んだ別の生き物が、
そのまんまその生き物の体、つまり細胞の一部として存在していたりもします。
わかりやすいのは、まさに葉緑体で、
もともとは葉緑体を持つシアノバクテリアを取り込んだプランクトンが、
それ自体を体の一部として細胞内に取り込み進化したのが今の植物全般ですし、
私たちの体の中でも最も重要なエネルギーを生産する化学反応(クエン酸回路)において、
最も重要な働きをするミトコンドリアも、本来は全く別の原生生物だったといわれております。

ただ、それらの関係と、地衣と菌の共生の違いは、
前者はもう分かつことができない存在ですが、
後者は、時と場合によっては分離可能な状態にあるということ。

つまり、菌と藻類のどちらかの都合で相手が不要な場合は、
それぞれ単独で生きていけるということなんです。
例えば水分が十分ある場所なら、藻類は単体で増えていけるし、
養分が豊富ならば、菌は藻類の助けをなしに生きていける。
ですが、そうれはなくお互いが生きづらい環境においてはじめて、
菌が藻類を取り込み、地衣類となるのです。
ですから、地衣類というのは実は生き物の呼び名ではなく、
特定の菌がある環境で生きていくための状態を指すのです。

そしてそのように藻類を取り込むことを「地衣化」と呼びます。

だから言い換えれば、同じ菌でも場所によっては「地衣化」したりしなかったりしますし、
地衣化したのちも、状況次第で、藻類が中からはみ出てくる場合もあります。

この辺の関係が、同じ共生とはいえ、
マメ科植物と根粒菌のように一蓮托生でなく、
なんだかドライで今風の賃貸関係のようで面白いなと感じるのです。
(マメ科のほうなど、もはや互いに分かちようがないですから。)

そんなんことを知った時、
「こいつはなんて面白い生き物なんだ!」
と私はずっぽりはまってしまったのです。


また、実はこいつの仲間は、
いつどこでもたいていの場所で見かけることができるので、
観察するにも場所を選ばず楽しいってこともハマった理由の一つなんです。



例えばこんな場所…


DSCN0473.jpg
「発見しました!」

チップさんが見つけたのは黄色の丸の中。
そこをよく見ると…

IMG_2599_20180926115543a22.jpg
ダイダイゴケ

名前通り小さな小さなダイダイがたくさん並んだように見えますでしょ?

こんな感じで石壁や岩にも普通にくっついております。
ほら、よく古い記念碑や墓石など、不思議な模様なものが浮かび上がってくるでしょう?
あれなんかがほとんど地衣の類。

実は地衣は厳しい環境下でも生きていける代わりに、
成長速度が非常に遅い!
だから、古木や古い石などでは大きく目立つものがよくあるのです。

たとえば手近なとこだと…

DSCN0484.jpg
そうそう、こういうの♪

DSCN0485.jpg
「あるかな?あるかな~?」


DSCN0487.jpg
あった~!

これもおそらく前回紹介のレプラゴケの仲間。
前述のように、菌糸で藻類を取り囲んでいるので、
植物の葉のように鮮やかな緑色になることは少なく、
多くの場合は、白みがかった薄緑や、褐色、黄色などのような色目になります。

また、いくら乾燥に強いとはいえ、
やはり湿度の多い場所のほうが生きやすいので、
日当たりがよく水場に近い場所を好むのでそういう場所を見てみると、

DSCN0492.jpg
「ここかな~?」


ビンゴ!

DSCN0491.jpg
これもダイダイゴケですね。

こんな感じで、街中でもいくつも見つけることができます。


こんな感じで、散歩の道すがらあちこち眺めてニヤニヤしてるのですが、
いかんせん、ここで大きな問題が一つ!

老眼でよく見えない!

なんせ、目立つとはいえ相手は小さな菌類。
現場ではルーペでもない限りはっきり見れないから、
こうして撮影し、あとで画像を拡大してみてみないとよくわからない。

(=^^=)ゞ


*このシリーズまだちょいちょい続きます。
コメント
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