pippiのおもちゃ箱

舞台大好き、落語大好き、映画大好き、小説大好き、猫大好き!なpippiのつれづれ日記です。

正しい教室@PARCO劇場Z列(3列目)センター

2015-04-04 23:15:41 | 観劇/コンサート

<スタッフ>
作・演出:蓬莱竜太

<キャスト>
井上芳雄 鈴木砂羽 前田亜季 高橋努 岩瀬亮 有川マコト 小島聖/近藤正臣

<あらすじ>
 同窓会を舞台に複雑に絡まる人間関係、
次々と暴かれていく過去の事実・・・
「正しい」のは誰か、何が「正しい」のか、
今過去の清算が始まる・・・!(公式HP)


地方都市で教師になった菊池くん(井上芳雄)が中心となって開かれた教室での同窓会。そこに誘ったはずのない元体育教師が荒んだ姿であらわれます。

卒業し、大人になったクラスメイトたちですが、それぞれに問題を抱えています。なかでも、息子を失った女性は、ある狙いを持ってこの場にやってきます。

教師の言葉、態度、生徒に向かう姿勢。この作品を見て、教師はやっぱりちゃんとした大人であってほしいなあと思いました。教師のささいな一言が子どもを奮起させることも絶望させることもある。教師からの仕打ちが一生のトラウマになることも、将来の設計図を大きく変えてしまうこともある。

同窓会にあつまったメンバーは当時の校外学習である企てをし、近藤正臣さん演じる体育教師に致命的な打撃を与えます。そのことがずっと尾を引き、澱のように心の底にたまっている。だから人生がうまくいかない、あいつのせいだと、みんなが責任を誰かに押し付ける。自分の不幸はあの時の誰かのせい。にこやかに昔を懐かしんでいるように見えるクラスメイトたちの間にもある微妙な空気。。様々な思惑。疑心暗鬼、暴かれていく真実。

。。。。あったかもしれない。特に若い頃の同窓会には。今はもうそんなの超えちゃってると思うけど。

一見順風満帆の人気教師に見える井上芳雄先生、もとい、菊池先生も自分に教師以上の感情を持ってしまった生徒の暴走に悩まされている。でも、嫌っていた元恩師に自分の怒りや混乱を「あんたのせいだ」とぶつけた後、「牙をむいて向かってくる子どもよりも、平静を装っている子どもの中にこそ深い悩みや問題を抱え、表に出せない者がいるかもしれないことに気づけ」と指摘され、はっとする瞬間が心に残りました。

井上くんは全然歌いませんが、やはり佇まいが美しく、心に闇を抱えながら表面的には好青年というなかなか大変な役をこなしていました。口から出る言葉と本当の感情は違うのでは?と思わせる目の演技にドキっとさせられます。井上芳雄、恐るべし。

若いメンバーの中にとんでもない姿で現れる老教師、近藤正臣氏の存在感が半端なかったです。NHKの朝ドラ「ごちそうさん」でも見せた、一筋縄ではいかない老人。ただのおじいいちゃんではない老人。昔、私の母校にいたな。男女別の授業だったので私は直接指導を受けていませんが、男子の皆さんは柔道で使った腐ったような畳を担いでめちゃくちゃ広い校庭を走らされていたなあ。。。。あれを見た時には、つくづく女の子に生まれてよかったと思ったものです

 

 

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする