pippiのおもちゃ箱

舞台大好き、落語大好き、映画大好き、小説大好き、猫大好き!なpippiのつれづれ日記です。

ひげよ、さらば@PARCO劇場I列センター

2023-09-23 19:07:41 | 観劇/コンサート

原作:上野 瞭「ひげよ、さらば」(初版1982年理論社より出版)

脚本・演出:蓬莱竜太

音楽:稲本 響

出演:
中島裕翔 柄本時生 音月桂 忍成修吾 石田佳央 一ノ瀬ワタル 屋比久知奈

江原パジャマ 小口隼也 田原靖子 月那春陽 益田恭平 松田佳央理
中村梅雀

<あらすじ>
峠に住む野良猫たち、しかしその峠は野良犬たちに狙われていた。
統率力を持って動く犬たちに、勝手気ままに暮らす猫たちが住む峠が支配されるのは時間の問題であった。
そして、猫の「片目」は一匹だけそんな状況に危機感を持っていた。
 
ある時、峠に記憶を無くした猫が辿り着いてくる。
名前は「ヨゴロウザ」。
自分の名前しか覚えていない。
名前からして飼い猫であったことは推察されるがそれ以外のことは何も覚えていなかった。
「片目」は「ヨゴロウザ」と出会い、野良犬たちと対抗する組織を作るために
「ヨゴロウザ」を峠のリーダーに担ぎ上げようとする。
 
「片目」は「ヨゴロウザ」のことが気に入り、「ヨゴロウザ」は「片目」を慕った。
「片目」は「ヨゴロウザ」に峠での生き方、戦い方など色々なことを教えていく。
そして、リーダーに求められること、それぞれの猫たちの性格、犬の怖さなど・・・
頑なな心を持った峠の猫たちも、リーダーシップを発揮していく「ヨゴロウザ」に対して徐々に心を開いていく。
 
ヨゴロウザと片目が様々な試練を経て、たどり着く道とは・・・


「ひげよ、さらば」といえば、かなり昔にNHKの人形劇番組でやっていたような記憶がありますが、猫のビジュアルがいまいち好みではなかったせいかほとんどみていませんでした。なので、まったく予備知識なく、キャッツの日本版みたいな感じかなあ。。蓬莱隆太さんの演出も楽しみ~くらいの感じで渋谷へ。

・・・・良い意味で裏切られました

もう、開幕直後からぐわっと来てしまうハードな衝撃。こここれって、児童文学じゃなかったけ?「ナミダ」という名の猫が・・猫が・・犬に襲われて命を・・・その描写のリアルさに、思わず涙腺決壊その「ナミダ」が横たわり、朽ちていった同じ場所に横たわる、記憶をなくした猫のヨゴロウザが。

そこから繰り広げられる物語は、侵略と抵抗、団結、裏切り、恐怖支配、復讐、薬物依存にサバイバルに無理心中・・・ めちゃくちゃハードな生存競争なのでした。

主演のヨゴロウザは、最近推しの中島裕翔さん。思い返せばこの方の舞台「ピーターパン」はものすごーく楽しみにしていたにもかかわらず公演中止で観られなかったような。今回初主演なのですね。テレビドラマでも真面目な好青年の役が多い中島さんですが、無垢で弱々しい元飼い猫のヨゴロウザが、過酷な環境の中でどんどん逞しく鋭くなっていくさまが凄かったです。

暗い秘密を抱えながらヨゴロウザをある意味導いていく「片目」柄本時生さん、凄い。何気なく毛繕いする様子、干物を食べている様子、階段を上り下りする様など、猫の動きそのものでした

ミュージカル界からは屋比久知奈さん。歌います。動きがなめらかで、雄猫たちを魅惑しまくる色っぽい雌猫、その名も「星からきた猫」

猫たちの丘を侵略し、喰い荒そうとする犬たちとの壮絶な戦いを見るにつけ、外猫たちの過酷さを思いました。そして、ヨゴロウザが何故記憶をなくしたかという理由にも涙 生きたかったんだよね。

休憩をはさみ2時間50分、息をのみながらの観劇となりました。観てよかった。過酷なラストとは対照的な笑顔のカーテンコールに、ちょっとほっとしました。

それにしても、片目の言った言葉「おまえ、飼い猫だったのか。もしかして、キャットフード食べたことあるのかめちゃくちゃうまいんだろ?俺なんかたまたま見つけた缶詰のフタを舐めたことあるけど、この世のものと思えないくらいうまかった」に、なんか泣けてしまいました

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 2023年劇団☆新感線43周年興行... | トップ | ラグタイム@日生劇場1階G列下手 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿