pippiのおもちゃ箱

舞台大好き、落語大好き、映画大好き、小説大好き、猫大好き!なpippiのつれづれ日記です。

BR/猿の惑星 新世紀(ライジング)

2015-03-30 22:21:21 | 映画/DVD

原題:Dawn of the Planet of the Apes
2014/アメリカ 上映時間131分
監督:マット・リーブス
 出演:アンディ・サーキス、ジェイソン・クラーク、ゲイリー・オールドマン、ケリー・ラッセル、トビー・ケベル、コディ・スミット=マクフィー、カーク・アセベド、ニック・サーストン、テリー・ノタリー、カリン・コノバル、ジュディ・グリア

(あらすじ)
猿のシーザー(アンディ・サーキス)が天性のリーダーシップを用いて仲間を率い、人類への反乱を起こしてから10年。勢力を拡大し、手話や言語を操るようになった猿たちは、森の奥深くに文明的なコロニーを築いていた。一方の人類は、わずかな生存者たちが荒廃した都市の一角で息をひそめて日々を過ごしていた。そんなある日、資源を求めた人間たちが猿たちのテリトリーを侵食したことから、一触即発の事態が発生。シーザーと、人間たちの中でも穏健派のグループを率いるマルコム(ジェイソン・クラーク)は、和解の道を模索するが、彼らの思惑をよそに、猿たちと人間たちとの対立と憎悪は日に日に増大し、やがてシーザーは生き残るための重大な決断を迫られる。


2011年公開の「猿の惑星 創世記」が、あまりに切なく、猿たちのカリスマとなるシーザーの生い立ちと待ち受けていた運命と覚悟に号泣だったもので、今回の「新世紀(ライジング)」のニュースが入ってきて気になりつつ、更に厳しい状況が予想されるのがわかった時点で、どうしても観に行くことができませんでした。

・・・・そうなんです。私、あのシーザーに、うちのチャメ王子を重ねているんです。猫だけど。

まあ、それはともかく、新世紀でのシーザーは立派なリーダーに成長していました。ここでもう泣きそう。飼い主だった優しい人間と決別し、エイプを束ね、「仲間を殺してはいけない。」という人間以上に素晴らしいポリシーを持って一族を率いる、強く高邁な精神を持ったエイプ。

初期の「猿の惑星」、そう、チャールトン・ヘストンが主演していた頃の作品には、あのエイプの女性博士以外には「精神」のようなものは感じられず、ひたすら追っかけてきて乱暴するばかりだったあの猿とはまったく違います。CG恐るべし。演技できる猿を連れてきたのかと思うほどの素晴らしさです。

人間の良いところも知っているシーザーの苦悩、動物実験で切り刻まれひどい目にあった経験から人間を憎悪するコブの心の変化なども心を揺さぶります。

大好きなシーザーを守りたい。でも自分が憎悪の対象にしている人間を擁護するような態度は気に入らない。そんなコブが、次第に恐怖で仲間たちを支配しはじめ、権力が広がるにつれどんどん暴力的になっていく。銃を手にし、その力を得てからはマシンガンをぶっ放し、批判するエイプを粛清する。その姿には、どこかの国をも連想してしまいました。

一度は命を失いかけながら人間の手によって蘇り、再び運命に立ち向かうシーザー。どんなにがんばっても、やはり人間と動物の共存は難しいのでしょうか。。。それもまた、切ないです。

人間と猿たちの戦いのきっかけとなるのが「電力の確保」。猿には不要なのに、人間はそれがないと生きていけないと必死になる。どっちが強いのかなあ。。と考えてしまいました。結局、猿の方がよっぽど強いのかもしれないですね。自然を愛し、敬い、家族や仲間を大切にするシーザーの姿に「清廉」という言葉が浮かびました。親友だったコブが権力に狂い悪逆非道の限りを尽くし、最終対決でシーザーに「エイプは仲間を殺さないんだろ」と助けを乞うた時(なんんと都合のいいやつ!)、怒りと悲しみを湛えた表情で「お前はエイプではない」と引導を渡す姿には、涙腺決壊でした。シーザーについて行きたいです

快優、ゲイリー オールドマンさんが「普通の人物」を普通に演じていて、最初誰だか全然わかりませんでした。

この後、セード将軍が暗躍する時代に入っていくのかなあ。。続編が観たい!