pippiのおもちゃ箱

舞台大好き、落語大好き、映画大好き、小説大好き、猫大好き!なpippiのつれづれ日記です。

オーケストラ 生まれる~コバケンとその仲間たちスペシャル2010~

2010-05-03 20:31:48 | テレビ番組

NHKで、この4日まで.東京国際フォーラムを中心に展開されているラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン「熱狂の日」の模様を中継していました。私も娘と4日に行く予定。NHK-FMではその様子を長時間中継してました。テレビ欄にこの「オーケストラ 生まれる~・・・」の文字を見つけたので、関連番組かなーと思って見ていました。

が、これはラ・フォル・ジュルネとは関係なく、日本を代表する指揮者のひとり、小林研一郎氏の呼びかけで集まった様々な(プロ・アマ、障碍を持つ人・持たない人)演奏家たちがオーケストラを結成しコンサートを開催した、その舞台裏を撮影したドキュメンタリーでした。

番組は、音大を卒業してすぐに光を失った中途失明者のトロンボーン奏者の女性、自閉症のヴァイオリニスト、知的障碍を持つクラリネット奏者のエピソードを中心に展開していましたが、障碍のあるメンバーは150名中30名いらしたそうです。トロンボーン奏者鈴木加奈子さんはトゥーランドットのソロを吹いておられましたが、練習風景はこんな感じ。

指揮者「僕を見て・・」
鈴木さん「見えません(笑)」
指揮者「あ、そうか。じゃ『ウォ~』というから、そこで・・・」

鈴木さんが失明の直前まで書かれていた日記がその恐怖と絶望を生々しく語っていましたが、オケに参加している鈴木さんは常に笑顔で美しく、乗り越えた人の強さを感じました。
それから、知的障碍のクラリネット奏者の、母との二人三脚の人生。母は常に彼に寄り添い、オケのための個人レッスンでも講師のアドバイスをいちいち彼に変わって受け答えしてしまいます。心配のあまり。でも、指揮者コバケンさんの奥様に諭され、彼が直接講師の教えを受けるのが一番だと一歩引く姿がちょっと切なかったです。

自閉症のヴァイオリン奏者は、人と息を合わせることが難しかったけれど、同じパートの演奏者がぴったりと寄り添い、それこそマンツーで息遣いから合わせていく。そして次第に心を通わせていく。すごいなあ・・・・

最初の顔合わせシーンから、30人の障碍者の付き添いの方々は、指揮者コバケンさんの指導に「そういう言い方では無理なんです。彼はこうしないと・・」とか「音を聞いただけで合わせるのは彼には難しいです。いつもは・・」と本人の理解のしかたを説明しようとします。そういうのはいいんだと振り切るコバケン氏。

でも、やはりアンサンブルとなると一筋縄ではいかない。健常者だって難しい作業なわけだから。そこで力を発揮するのが、「仲間」の力なんですね。頑張れば乗り越えられると信じる力、絶対この人と一緒に乗り越えようという意志の力。「信じて見守る」ということの難しさと大切さを見たように思いました。

コバケンとその仲間たち「こころコンサート」の成功に、思わず泣いてしまいました。
5月29日(土)10:00~11:20(BS hi)で「こころコンサート」完全版が放映されるそうですので、ぜひ観てください。うちはBS hi観られません・・・とほほ

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