goo blog サービス終了のお知らせ 

pippiのおもちゃ箱

舞台大好き、落語大好き、映画大好き、小説大好き、猫大好き!なpippiのつれづれ日記です。

もう一度「Saving Mr. Banks~ウォルトディズニーとの約束」を観て思う

2019-05-14 23:10:11 | 映画/DVD

久しぶりにリビングで娘とダラダラしていて「何かDVDみようよ」ということになり、「レミゼ」「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」と迷った末、「ウォルトディズニーとの約束」にしました。

このDVDは何度も観ましたが、観るたびにしみる場面がたくさんあります。

メリーポピンズの原作者トラヴァース夫人。頑なに「メリーポピンズ」をディズニーが軽薄な娯楽作品にしないようクレームを出しまくり、絶対に嫌だと頑張っていたアニメーションの使用が判明すると、未サインのの契約書を叩きつけてイギリスへ帰ってしまいます。それを追ってウォルト・ディズニー本人が彼女の家へ行き、説得するのですが、そのなかで、彼女が大好きだった父にまつわる辛い記憶(アル中の父に絶望した母の自殺未遂、酒に溺れ、そのために仕事もうまくいかず、若くして亡くなった父親)にいつまでも縛られていてはいけない。何もできなかったと悔やむ自分を許さなければと話すのです。そして、ウォルト自身の辛く貧しかった少年時代を語るとともに、現実では救うことのできなかった何人もの「バンクス氏」(父親たち)を、映画の中で救うことによって、たくさんの人が救われるだろうと諭します。

辛い過去に縛られて自分の未来を閉ざしてはいけない。楽しい思い出で上書きし、閉じた心を解放することも人間にはできる。という力強いメッセージをもらった気がしました。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

グリーンブック@ユナイテッドシネマと、白金ランチちょびっとお花見

2019-03-17 21:25:51 | 映画/DVD

監督ピーター・ファレリー

キャスト
ビゴ・モーテンセン  
マハーシャラ・アリ  
リンダ・カーデリニ  
ディミテル・D・マリノフ   
マイク・ハットン 

あらすじ
時は1962年、ニューヨークの一流ナイトクラブ、コパカバーナで用心棒を務めるトニー・リップは、ガサツで無学だが腕っぷしはもちろんハッタリも得意で、家族や周囲から愛されていた。コパカバーナが改装のために休業となった時、トニーはある黒人ピアニストにコンサートツアーの運転手として雇われる。彼の名前はドクター・シャーリー、巨匠ストラヴィンスキーから「神の域の技巧」と絶賛され、ケネディ大統領のためにホワイトハウスでも演奏したほどの天才は、なぜか黒人には危険な南部を目指していた。


本年度アカデミー賞® 作品賞・助演男優賞受賞作

黒人と白人のバディものというと、「最強のふたり」を思い出します。あの作品も、差別を超えた友情の奇跡のようなお話でした。この作品では立場は逆転。白人のトニーはまたイタリア系で決して裕福とは言えない暮らし。黒人のドクター・シャーリーはカーネギーホールの上階に住む王様のような暮らしぶりで高い教養と実力の持ち主。このふたりが人種差別厳しい南部へコンサートツアーに出るわけですが、まあ、そこは筆舌に尽くし難いような差別の嵐。

「グリーンブック」というのは、黒人でも利用可能な施設の案内パンフのようなものです。と、いうことは、黒人はどこでも入れるわけではなく、高名な演奏家として招かれて喝采も受けているのにトイレも別ならレストランもだめ、夜外出することも禁止とは。。。。

はじめは同じように黒人に対して差別意識をもっていたトニーも、ドクターと旅をするうちに、差別を受けることの矛盾を感じ始めます。そして、差別とは一体何かということを考え始めます。黒人でも北部では良い意味での特別扱いをされ、お城のような部屋に住み、理不尽に投獄されても司法長官(ロバート・ケネディ!)に直接連絡とって助けてもらうこともできてしまうようなドクター。そんな彼が、自分を南部の農場で肉体労働している黒人と一緒にしてほしくないと思うのは差別ではないのか。「なんで黒人のドクターが良い暮らしをし、白人の自分が黒人のように貧しい境遇にいるのか」と感じるのは差別ではないのか。そういう感情と、露骨に黒人を排斥する白人とは同じなのじゃないのか。とか。

「自分はあんな人たちとは違う」という感情そのものが「差別」なんだと感じました。そんな中で、怒りに任せて暴力的になるトニーに、ドクターが「どんな状況でも品性を保つことのできる方が勝利するんだ」というようなことを言ったのがとても印象的でした。心に留めたい言葉です。

旅の途中でトニーが愛妻に書く手紙をドクターが「切り張りした脅迫状みたいだ」と、上手に手を入れてロマンティックな文章に換え、それを妻がうっとり読むシーンが可愛かったです 私もほしいなあんなお手紙というか、やくざまがいのトニーが奥さんにまめにお手紙書いてるだけで微笑ましいですそして、手直し入ってるのを知っててもやっぱり嬉しい妻もいいわ~ ラストの妻のシーン、とてもハートフルです

アメリカでは、クリスマス映画だったそうで、日本でもその時期に合わせて公開すればもっと良かったのにね。

時間が前後しますが、今日は我が家にとってちょっとうれしい日だったので、白金のいわゆるプラチナ通りのテンダーハウスでランチしました。うっかり前菜を撮り忘れましたが、私はメインをお魚に。

  デザートは紅茶のムース こちらもさっぱりしておいしい

帰り道には、おしゃれなプラチナ通りにはめずらしく木造の古いお蕎麦屋さんがあり、わらび餅も販売中。

 つい買っちゃいましたが、わらび餅1000円はちょっとプラチナ価格すぎ

目黒駅に向かって歩くと、自然教育園そばの白金台どんぐり児童遊園には早咲きの桜が綺麗に咲いていました。河津桜か寒緋桜のようです。もう、春ですね~

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ボヘミアン ラプソディ@T-JOY

2019-03-02 21:52:44 | 映画/DVD

監督ブライアン・シンガー
製作グレアム・キング ジム・ビーチ


キャスト
ラミ・マレック:フレディ・マーキュリー
ルーシー・ボーイントン:メアリー・オースティン
グウィリム・リー:ブライアン・メイ
ベン・ハーディ:ロジャー・テイラー
ジョセフ・マッゼロ:ジョン・ディーコン


素晴らしかった!必見ですよ!と、昨年のうちから20代~70代と幅広い知り合いの皆さまからさんざん薦められていたこのボヘミアン・ラプソディですが、変則的な愛についてはやや苦手意識があってなかなか映画館に足が向きませんでした。・・・が、しかし。アカデミー賞授賞式でのラミ・マレック氏の謙虚なスピーチが素晴らしかったことに背中を押され、おやじバンドでへ〇ギタリストな夫をそそのかして朝っぱらから映画館へ。(近くのシアターは既に深夜枠のみに。。)

フレディ・マーキュリーがインド系の移民なこともはじめて知りました。差別の中で「パキ野郎」と罵られても自分の才能を信じ、粘り強くのし上がって行く姿に打たれます。そして、愛する人や、仲間たちや、栄光を自分の手で掴み取って行きながらも、深い孤独や絶望を抱え、それでも前を向く姿には本当に感動しました。HIVに感染し、絶望の中て病院を出る途中で、偶然なのかそうではないのか、(たぶん)HIV患者と思われる男性に歌いかけられ、答える姿が印象的でしたそしてI decide who I amという一言。この言葉が彼の全てを言い尽くしていると感じました。重い言葉です。ライブ・エイドで歌う姿には、鳥肌が立ちました。

よく知るナンバーがどんな風に作られていったのかも、とても興味深かったです。一度は仲間から離れてソロ活動をしたものの、妥協を許さず自分を批判したり高めあったりする仲間の大事さを思い知り、再び戻ってくる姿もとてもリアル。でも、それを許して迎える仲間たちも素敵でした。ブライアン・メイ氏は60歳近くになってから学び直して天文物理学の博士号をとったとか。やはり只者ではないですね。

びっくりしたのはエンドロールで流れたキャストの中に「ジョセフ・マッゼロ」と「マイク・マイヤーズ」という名前を見つけたこと。え?!どどどこ?と思ったら、ジョセフくんは地味に登場していたベースのジョン。マイヤーズ氏はEMIレコードの社長レイ・フォスターでした。

ジョセフ・マッゼロくんは、あの「ジュラシック・パーク」の子役ちゃん。私は、ジュラシック・・・よりも、ちょっと後の「サイモン・バーチ」という、少し障害のある男の子を描いた映画で、サイモンの親友役だった姿が焼きついています。キアヌ・リーヴスの子ども時代ってあんなじゃなかったのかなあというほどの繊細な美少年でした「マイ・フレンド・フォーエバー」にもご出演でした。マイク・マイヤーズ氏は、あのコメディ「オースティン・パワーズ」のメガネ君ちょっと同一人物とは思えませんでした。マイヤーズ氏は、実は結構知られたクイーンファンらしいです

いや、昨日からクイーンの曲がぐるぐる頭の中で鳴り続けてます明日はwowwowなどでもクイーン特集が組まれているので、しっかり見ちゃいます

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ねことじいちゃん@バルト9

2019-02-22 22:04:39 | 映画/DVD

監督 岩合光昭
原作 ねこまき
脚本 坪田文

出演 

立川志の輔
柴咲コウ
柄本佑
銀粉蝶
山中崇
たくさんの猫たち

あらすじ

ある小さな島に住む70歳の大吉は、2年前に妻に先立たれて以来、飼い猫のタマと2人きりで暮らしている。生まれ育ったこの島には幼なじみの巌をはじめ多くの友人や猫がおり、穏やかな日常が流れていた。東京で暮らす息子・剛はひとり暮らしの父を心配しているが、大吉もタマも自由気ままな現在の生活に満足している。しかし、親しい友人の死や大吉自身の身体の不調など、ずっと続くと思っていた日常に少しずつ変化が訪れはじめ……。


今日は2月22日、にゃんにゃんにゃんの日だそうです。どおりでこのところ猫の特集が多いような。

と、いうわけで志の輔師匠とアメショのベーコン師匠(笑)の「ねことじいちゃん」を観に杏Jちゃんと新宿バルト9へ。午前中には舞台挨拶があったらしく、業界関係らしき方々も、ロビーにいらっしゃいました。

この映画は猫の巨匠、岩合光昭さんが監督なだけあって、本当に猫が生き生きと描かれ、もう可愛いのなんの

舞台となる島は高齢化が進み、年がら年中喧嘩しているおばあさんやら、昔恋人同士だったらしい銀粉蝶さんと小林薫さん、都会からやってきたらしい柴咲コウさん、東京の大学進学のために離れ離れになるカップルなど、結構豪華な顔ぶれもありつつも、やはり背景としては島は過疎化沈滞ムードです。そんな中で人々を癒しまくる猫たち正直、私にとってはこの人間たちのドラマは。。以下自粛。。あ、高齢でひとり暮らしのじいちゃんが息子の同居を拒む場面や、タマの失踪とその理由にはぐっときました。じいいちゃんの亡くなった奥さんが、師匠の新作「歓喜の歌」にご出演だった田中裕子さんというのも素敵でした

大好きな飼い主さんを失った三毛ちゃんが、引き取り手がいてもずっと元の家の前に佇んでいたり、その悲しみにタマがそっと寄り添ったり、そういう猫の何気ないしぐさが本当に素敵で、猫好きにはたまらない場面がたくさんありました。小林薫さん演じる漁師の巌さんは猫にめちゃくちゃ好かれるのに飼おうとはしない。それはやはり、自分がその猫を遺して先に逝ってしまうかもしれないという怖れからだとわかった時には、ぐっときてしまいました。

猫たちも、島の人々もみんな優しくゆったり。島を自由にお散歩したり、野原を走り回ったりする猫たちを見て、うちのチャメにもあんな体験をさせてあげたいな、、、と思ったのでした

今日は行きも帰りも地下鉄トラブルあり。時間の余裕ってこういうときとても大切だなと痛感しました。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

メリーポピンズリターンズ@ユナイテッドシネマ

2019-02-05 23:08:16 | 映画/DVD

監督ロブ・マーシャル 製作ジョン・デルーカ
ロブ・マーシャル
マーク・プラット
製作総指揮カラム・マクドゥガル

キャスト
エミリー・ブラントメリー・ポピンズ
リン=マニュエル・ミランダジャック
ベン・ウィショーマイケル・バンクス
エミリー・モーティマージェーン・バンクス
ジュリー・ウォルターズエレン
コリン・ファースウィリアム・ウェザーオール・ウィルキンズ
メリル・ストリープトプシー
アンジェラ・ランズベリー
ディック・バン・ダイク

大恐慌を迎え暗く厳しい時代のロンドン。バンクス家の長男でありかつて少年だったマイケル・バンクス(ベン・ウィショー)は、今では自らの家族を持つ親となっていた。
かつて父や祖父が働いていたフィデリティ銀行で臨時の仕事に就き、3人の子どもたち、アナベル(ピクシー・デイヴィーズ)、ジョン(ナサナエル・サレー)、ジョージー(ジョエル・ドーソン)と共に、桜通り17番地に暮らしていたが、ロンドンは大暴落の只中で金銭的な余裕はなく、更にマイケルは妻を亡くしたばかりだった。 
子どもたちは「自分たちがしっかりしなくては」と躍起になるが上手くいかず、家の中は常に荒れ放題。さらに追い打ちをかけるように、融資の返済期限切れで家を失う大ピンチ!

そんなとき、魔法使いメリー・ポピンズ(エミリー・ブラント)が風に乗って彼らのもとに舞い降りた。20年前と同様にバンクス家の子どもたちの世話をしに来たと言う彼女は、一風変わった方法でバンクス家の子どもたちの “しつけ”を開始。バスタブの底を抜けて海底探検をしたり、絵画の世界に飛び込み、華麗なるミュージカル・ショーを繰り広げる。そんな彼女に子供達は少しずつ心を開き始めるが、実は彼女の本当の魔法は、まだまだ始まったばかりだった…。


昨年、はまりにはまったミュージカルメリー・ポピンズの続編映画もう、楽しみすぎてわくわくしながら封切りを待ち、ようやく観てきました!

もう、子役ちゃんたち(特に末っ子)は無茶苦茶可愛いし、大人になったマイケルも切ないし、メリーポピンズは生まれたときからメリーポピンズだったような方登場シーンは極めつけで、「待ってました!」と声かけてしまいそうです

この作品にはかなり思い入れがありますが、ジュリー・アンドリュースさんとも、濱田めぐみさんとも、平原綾香さんとも比較しようのない完璧なナニーでした。

映画も昔の技術から格段に進歩しているので、いちいちダイナミックなのですが、ちゃんと昔の映画の味わいも残していて、本当に夢のような作品になっています。そして、原作者トラヴァース夫人が繰り返し主張していたように、この作品もまた、子どもたちだけではなく、大人の心をぐっと掴み、救ってくれる仕掛けがたくさんあります。特に素晴らしいのはやはりミュージカルシーン。過去の煙突掃除夫が、街灯の点灯夫という設定に変わっていますが、このダンスシーン、タップのシーン、そして不況下のロンドンの暗い湿った色合いから極彩色の夢の世界に変わっていくシーンは本当に心がキラキラしてしまいます心に響く素敵な言葉もたくさん。

これは、ミュージカルの舞台にもなりそう!リピート決定!今回は通常字幕バージョンでしたが、吹替えやIMAXも体験してみたいかも。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Merry Christmas! ロンドンに奇跡を起こした男@バルト9

2018-12-08 22:05:02 | 映画/DVD

監督バハラット・ナルルーリ
製作ロバート・ミケルソン
イアン・シャープレス
スーザン・マレン
ニブ・フィッチマン


キャスト
ダン・スティーブンス            チャールズ・ディケンズ
クリストファー・プラマー       エベネーゼ・スクルージ
ジョナサン・プライス             ジョン・ディケンズ
モーフィッド・クラーク          ケイト・ディケンズ
ドナルド・サムター                ハドック/マーレイの亡霊

あらすじ
1843 年 10 月、ヒット作に恵まれない中、家族や家の維持費で金欠状態だった小説家チャールズ・ディケンズは、どうにかヒット作を生み出そうと奮闘する。新作の執筆に没頭しているうちに小説の世界に入り込んでいき、やがて現実と幻想の境目が曖昧になっていく――。そこで「クリスマス・キャロル」の登場人物スクルージらとの出会いを経て、幼少期の隠された記憶や実父との確執といった自分の問題と対峙していくのだった。


この映画、全くノーマークでしたが、友人のRちゃんからすごくよかったよ!とLINEをもらい、早速行ってきました 近所のシネコンは吹替のみだったので、近場で唯一昼間に字幕上映だったバルト9へ。(ここも昨日の昼間は吹替えのみだったとか。ラッキーでした!)吹替え版もスクルージ役を市村正親さんとのことで素晴らしかったようです。市村さん、この作品には相当思い入れがありますね。

ディケンズといえばオリバー・ツイストやデヴィッド・コパーフィールド、そしてあの二都物語イギリスの下町の香りがぷんぷん。なんというか、同じイギリスが舞台の物語でも、シャーロックホームズやハリポタとは全く違った世界が広がります。それは、この物語でも語られているディケンズの育った環境のようなものもあるんでしょうね。

おおらかだけれど楽天的すぎて計画性のない父との確執や、成功した自分の、暗い過去への嫌悪、トラウマ。溢れるイメージと執筆のための緻密な取材。これは、ディケンズがあの「クリスマス・キャロル」を書き上げるまでの物語なのでした。

もう、なにが良かったって、クリスマスキャロルの世界観そのままなのですよ。さっそく出てくる変なおじさんの名前が「マーレイ」だっていうあたりから、私はワクワクが止まらなくなってしまったのでした。マーレイ。あの、スクルージの共同経営者で、幽霊となって現れた時には真っ青な顔で重い鎖やら鍵やらを体にじゃらじゃら巻きつけてた人ですね。ああ恐ろしい

ディケンズのイメージから生まれるスクルージおじさんもとてもリアル。子どもの頃に読んだ本の挿絵だったのか、はたまたあのミュージカル映画の扮装だったのか、全く私のもつイメージどおりなのでした。そんな風に、作家が思い描いた登場人物たちが実像となって次から次へと現れるのも、また、その人たちが物語りの成り行きを見守ったり意見したりするのも、とても楽しかったです。ちょっと「脳内ポイズンベリー」思い出しました

作家が最初に考えていたクリスマス・キャロルの悲しい結末を、孤児で救貧院出身のメイドが豊かなものに変えて欲しいと願うシーンも素敵でした。そして、作家が創作に苦しんで暴れまくるところは、いつか見たドラマの漱石先生のパニックぶりを思い出します

けちで性格の曲がった孤独な老人が精霊によって過去や未来を見せられ、改心するというシンプルなお話ですが、人の根っこにある善良さを信じたくなる素敵なお話だなあと思います。「クリスマスはこの世とあの世の境が薄くなる」という話は初めて知りました。お彼岸みたいなものかしらメリークリスマス!という言葉はこの作品から生まれ、いまや英語でスクルージ(scrooge)と言えば、守銭奴、ケチを表すのだそうです。チャールズ・ディケンズおそるべし。

ほっこりした気分でエレベーターに乗ろうとしたら、ドアのペイントがメリーポピンズ・リターンズになっていました。2月1日封切りだそうです。観なくちゃ!こちらも舞台はイギリスですね

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

万引き家族@ユナイテッドシネマ

2018-07-18 20:58:31 | 映画/DVD

監督 是枝裕和

出演 リリー・フランキー、安藤サクラ、松岡茉優、池松壮亮、
   城桧吏、佐々木みゆ、緒形直人、森口瑤子、山田裕貴、
   片山萌美、柄本明、高良健吾、池脇千鶴、樹木希林

[上映時間:120分 ]

あらすじ
高層マンションの谷間、今にも壊れそうな平屋に治と信代の夫婦、息子の祥太、信代の妹の亜紀の4人が転がり込んで暮らしている。彼らの目当ては、この家の持ち主である初枝の年金だ。足りない生活費は、万引きで稼いでいた。冬のある日、近隣の団地の廊下で震えていた幼い女の子を、見かねた治が家に連れ帰る。体中傷だらけの彼女の境遇を思いやり、信代は娘として育てることにする。だが、ある事件をきっかけに家族はバラバラに引き裂かれ、それぞれが抱える秘密と切なる願いが明らかになっていく。


是枝監督の作品は心がひりひりするような物語が多いですが、この作品には「誰も知らない」と同じ、救いようのない痛さを感じました。

どうしようもない大人たちと、どうしようもない親の元に生まれてしまった子ども。もしかしたら、どうしようもない大人たちの方は、もう何も捨てる物も守る物も持たない者の純粋さや真直ぐさだけはあるのかもしれません。だから、世の中の多くの人が持つ常識的な行動とは異なった方法で、どうしようもない親の元に生まれてしまった悲惨な状況にある子どもたちを救い上げ、束の間の幸せを共に味わおうとしたのかもしれないなあ。。というのが素直な感想です。

世の中で頻発している児童虐待やネグレクトがこの映画以上にリアルな現実としてあることを考えれば、もしかしてこれは一種のファンタジーなのかもしれないし、束の間みんなは「幸せ」を感じたのかもしれない。

でも、私は、おばあちゃんが「幸せな一日の翌朝、目覚めることなく逝った」という、ある意味大往生を迎えた後、擬似家族がその死を隠しておばあちゃんの存在を単なる「お金」にしてしまったあたりから、吐き気を感じてしまいました。怪我した子どもを病院に置き去りにして夜逃げしようとしたことも。「ごめんな」のひと言じゃすまないでしょうよ。「責任」という感覚を持たないことの危うさと脆さを象徴するできごとなわけで。

そして子どもは成長していく。どうしようもない大人たちは、どうしようもないまま生きていく。一度どん底から救い上げられたと思った子どもは再びどん底に戻されるけれど、そこはもう「這い上がれないどん底」ではないかもしれないという希望は感じました。

死体遺棄で逮捕された信代に、婦警が「あなたは何と呼ばれていたの?」と問いかけた時の信代、安藤サクラさんが素晴らしかったです。もう、信代自身にしか見えませんでした。母親の資格なんかひとかけらもないのを知っているけれど、もしかしたら嘘でもいいから「お母さん」と呼ばれてみたかったんだろうな。「愛してるから叩くなんてうそ。大好きならこうするよ。」と、りんちゃんをぎゅっと抱きしめる信代さんには真実を感じました。

 虐待でやせ細ったりんちゃん(本名じゅりちゃん)が素晴らしかったです。怯えるような心細い瞳が、うそっこのお兄ちゃんを頼り、やがて「おにいちゃん!」と、力強く叫んで元気よく手を振る姿に涙がでそうでした。そしてそのうそっこのお兄ちゃん祥太くんがすごい。「学校は家で勉強できない奴が行くところ」「スーパーにあるものは、まだ誰のものでもないから盗ってもいい」とめちゃくちゃなことを吹き込まれながらも、一方でスイミーを愛読し、「スイミーたちはなんでマグロと戦ったんだろう」と思いをめぐらす。この映画では読まれませんでしたが、「はなればなれにならないこと、みんなもちばをまもること。」というスイミーの一節が、この家族を象徴しているようにも思えました。万引きを知りながらお菓子をくれて「妹には、やらせるなよ」と諭してくれた駄菓子屋(雑貨屋?)の老店主の言葉に心を動かし、事態を打開しようと行動する。子どもの力って素晴らしい

狭苦しい家にぎゅうぎゅう詰めでも何者にも束縛されず、自由で何でもありで、豊かでなくても苦労しないでお金を手に入れられる、みんなで笑って優しい毎日を過ごす、それをファンタジーと呼ぶのかな。でも、そんな生活が永遠なはずもなく、運命を切り拓こうとする祥太くんの成長を目の当たりにして「もう、あたしたちじゃ無理なんだよ」とつぶやく信代さんが悲しかったです。

お金持ちじゃないけど普通に生活できている自分にほっとしたりして。親に感謝

エンドロールに絵本作家のミロコマチコさんのお名前を見つけ、え?どこ?と思って調べたら、題字とイラストを描かれたそうです。

ミロコマチコさんのファンなので、思わぬところで作品に出会えてうれしかったです。色遣いも素敵だけど、味のある字だわ~

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

グレイテスト・ショーマン@ユナイテッドシネマ

2018-02-17 23:48:25 | 映画/DVD

監督  マイケル・グレイシー
出演  ヒュー・ジャックマン、ザック・エフロン、ミシェル・ウィリアムズ
    レベッカ・ファーガソン、ゼンデイヤ

[ 上映時間:104分 ]

あらすじ
P・T・バーナム(ヒュー・ジャックマン)は妻(ミシェル・ウィリアムズ)と娘たちを幸せにすることを願い、これまでにないゴージャスなショーを作ろうと考える。イギリスから奇跡の声を持つオペラ歌手ジェニー・リンド(レベッカ・ファーガソン)を連れてアメリカに戻った彼は、各地でショーを開催し、大成功を収めるが……。


予告編を観て、これは絶対に観たい!と思って封切りを待っていました。フィギュアスケート男子シングルで羽生くんが金とれるかと、日本中がハラハラとテレビを見守っている時間。「もしかしてすいてるかも。。。」と、映画観に行っちゃった非国民ですハイ、すいません!

いや、まあ、本当に素晴らしい作品でした悲惨な生い立ちのバーナム氏が、幼い頃からあこがれた女性を妻にして、2人の娘に恵まれ、天才的な勘とひらめきで興行主としてどんどん大きくなっていく。

娘たちの言葉からヒントを見つけ、マイノリティーの人々を暗い部屋からきらびやかな舞台へ連れ出していく。このあたり、うまいです。ひとつ間違えれば異形の人々、障害のある人たちを見世物にしてお金を稼ぐ胡散臭い人物となるところを、「もう隠れなくていい。みんなの前に堂々と出て自分を見せる」という前向きな方向に舵を切っています。どんどん輝いていく人々。

でも、そんなバーナム氏も、栄光をつかみ、大きくなっていくに従い自分本位になっていく。大事にしなければならない人々を気遣えなくなっていく。そして失いそうになった時、初めて自分の愚かさに気づきます。

最後に妻や娘のところへ行く時、何に乗っていったと思います~もう、素敵

よそ見したらヤケドしちゃうよ~まっすぐに、自分の家族を、自分を頼りに思う人々を抱きしめなさいという素敵なミュージカルでした。

ヒュー・ジャックマンが歌って踊って本当に素敵そして、作家が空中ブランコ乗りの女性に愛を打ち明けるシーンがめちゃめちゃ美しかったです~うっとり

ラ・ラ・ランドも良かったけれど、これは絶対舞台で観たい!バーナム氏を山口祐一郎氏にするか、橋本さとし氏にするか、はたまたミュージカルカムバックで内野さまにするか、脳内妄想キャスティング楽しんでます上流階級出身の作家のフィリップ・カーライルはパパプリンスの井上氏にきまり。(妄想っす。)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

オリエント急行殺人事件@ユナイテッドシネマ

2017-12-28 00:01:19 | 映画/DVD

【監督/製作】 ケネス・ブラナー

【出演】 ケネス・ブラナー、ジョニー・デップ、ミシェル・ファイファー、デイジー・リドリー、ジュディ・デンチ、ペネロペ・クルス

【あらすじ】
乗客全員が容疑者”世界一の名探偵”ポアロが豪華列車で謎解きに挑む。 エルサレムで教会の遺物が盗まれ、鮮やかな推理で犯人を突き止めた、名探偵のエルキュール・ポアロ。イスタンブールで休暇をとろうとした彼だが、イギリスでの事件の解決を頼まれて急遽、オリエント急行に乗車する。 出発したオリエント急行でくつろぐポアロに話しかけてきたのは、アメリカ人富豪のラチェットだ。脅迫を受けているという彼は、ポアロに身辺の警護を頼む。しかし、ポアロはラチェットの要請をあっさりと断るのだった。 深夜、オリエント急行は雪崩のために脱線事故を起こし、山腹の高架橋で立ち往生してしまう。そしてその車内で殺人事件が起こっていた。ラチェットが12か所も刺され、死体で発見されたのだ。乗り合わせていた医師のアーバスノットは、死亡時刻を深夜の0時から2時の間だと断定する。 鉄道会社のブークから捜査を頼まれたポアロは、乗客たち一人一人に話を聞き始める。ラチェットの隣室のハバート夫人が「自分の部屋に男が忍び込んだ」と訴えるなど、乗客たちの証言によって、さまざまな事実が明らかになってきた。しかし乗客全員にアリバイがあり、ポアロの腕をもってしても犯人像は浮上しない。 ラチェットの部屋で発見された手紙の燃えカスから明らかになったのは、彼がかつてアームストロング誘拐事件に関わっていた事実だった。少女を誘拐し、殺害したラチェットが、復讐のために殺されたのか?殺人犯は乗客の中にいるのか、それとも・・・・・?


アルバート・フィニー氏がポアロを演じた1975年日本公開のこの作品、どうでもいい話ですが、何を隠そうその時のボーイフレンドと見に行きましたロードショーじゃなかったのかなあ。。立ってみてた記憶が。。

まあ、そんなことはどうでもいいんですけど、ケネス・ブラナー氏があのポアロをと、イメージ違いじゃないかなあという先入観を持ってシネコンに入りましたが、そんなのは杞憂。名優ケネス・ブラナー氏ですから。ヘンリー5世も から騒ぎも、なんでもこい!のシェイクスピア役者ですから!(うさぎ先輩の受け売り)冒頭から、「灰色の脳細胞」を十全に活用できる賢さを持つと自認し、自らを世界最高の探偵であるとするポアロが、いかに緻密な観察眼を持っているかをこれでもかこれでもかと見せてくれます。

そんなポアロが乗り合わせたオリエント急行の中で事件は起きるわけですが、この列車が本当に贅沢な作り。風景も素晴らしいです。

結末はわかっていても、本当にスリリング。しかし、まさかジョニー・デップがラチェットとは!

それにしても、この話は本当によくできています。過去の児童誘拐殺人事件が発端となった復讐劇なのですが、ひとつの事件がいかにたくさんの人々の心を傷つけることになるのか、胸が締め付けられる思いです。

アガサ・クリスティすごい。「そして誰もいなくなった」とこの「オリエント急行殺人事件」「ナイル殺人事件」は何度読んでも感動します。

今回のポアロ氏の謎解きシーン、そりゃもうかっこいいです!


 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

猿の惑星:聖戦記 グレート・ウォー@ユナイテッドシネマ

2017-10-31 20:38:08 | 映画/DVD

監督:マット・リーヴス 

シーザー: アンディ・サーキス
大佐: ウッディ・ハレルソン

バッド・エイプ: スティーブ・ザーン
モーリス: カリン・コノバル
ノバ: アミア・ミラー

高度な知能を得た猿と人類が全面戦争に突入してから2年。猿たちを率いるシーザーは森の奥深くの砦に身を潜めていたが、ある晩、人間たちの奇襲を受けて妻と長男の命を奪われてしまう。敵の冷酷非道なリーダー、大佐への復讐を誓ったシーザーは仲間たちを新しい隠れ場所へ向かわせ、自らは3匹の仲間を連れて大佐を倒す旅に出る。道中で出会った口のきけない人間の少女ノバや動物園出身のチンパンジー、バッド・エイプも加わり、一行はついに大佐のいる人間たちの基地にたどり着くが……。


10月はなんだかめちゃくちゃ忙しかった上に台風まで来ちゃって大変なことになっており、口内炎はできまくりだし、歯肉は腫れるしでさんざん。。やっとゆっくりできそうなので岩合さんの「猫あるき」の映画でも観ようかな~と思って近くのシネコンに行ったところ、「民衆を導く自由の女神」があのシーザーになっている大きな絵画風ポスターがバーン!と目に入りました。そ。。。そうだった。猿の惑星 封切ってたんだった。。。一作目から何故か欠かさず観てきたこのシリーズ。特にシーザーをアンディ・サーキスが演じるようになってからはもう、恋心と言っても過言ではないほど釘づけだったのに。私のあほ~っっ

・・・と、いうわけで のほほんと青森の猫親子の日常を追うはずだった休日は、猿人間の聖戦にとってかわられたのでした。そして、いきなりの戦闘シーン。。あちゃーいきなり殺し合い始まっちゃうの~やっぱ猫にしとけばよかったかな ←だから聖戦なんだってば。。

猿の惑星、最初の頃は事故で未来を見てしまった気の毒な人間と極悪猿と、ちょっとは人間に興味ある知的な猿博士たちという感じの話だったのですが、(第一作のラストの衝撃は今でも鮮烈だけど。)創世記からは徐々に猿寄りに感情移入するような作りになってきましたね。今回などはもう、人間は9割方が悪人。ていうか生きている善人はひとりだけであとはみ~んな悪。ひとり「この人、最後には味方になるんじゃ?」と思った人がいましたがとんでもない。

「猿は猿を殺さない。」きっぱり言い切るシーザーがどんなに高邁な精神の持ち主に見えたことか。もう、いっそのことこのまま地球を猿の惑星にしちゃったほうがずっと平和な世の中になるんじゃないかと思いましたよ。

コッポラ監督の「地獄の黙示録」やスティーブマックイーンの「大脱走」を思わせるシーンもあり、そりゃもう大迫力でした。全身全霊をかけて家族を一族をなんとしても守ろうとするシーザーや仲間の猿たち。退化への恐怖から狂った行動を起こす大佐。抗えない兵士たち。人間たちのなんと哀れな事か。

もうね、もうさ、戦いはいいから、この後はなんていう名前の惑星になってもいいから、猿も人間も猫もパンダも、みんな仲良く幸せに暮らしましたとさ、といった幸せな後日談作ってください。。。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

一周忌追悼企画蜷川幸雄シアター「ジュリアスシーザー」@バルト9

2017-05-15 22:43:39 | 映画/DVD

もう一年が経つんですねえ・・・蜷川先生が亡くなってから。

今回の一周忌企画ではジュリアス・シーザー、身毒丸、間違いの喜劇、ヴェニスの商人の4作品が1週間ずつ上映されるようです。

今迄観た蜷川シェイクスピアの中でも、私の中では3本指に入る「ジュリアス・シーザー」開演時間が早めの土日は仕事で行かれずで、ようやく今日行ってきました

もう、オープニングからわくわく感が半端なしテレビの中継録画と違って大きなスクリーンはやっぱり臨場感あります。そして、贅沢なほど布をたっぷり使った衣装、槍や旗、広い舞台いっぱいのダイナミックな大階段で繰り広げられる壮大な物語。役者ひとりひとりがこの作品に関わっていられる喜びが伝わってくるような舞台。

ブルータスとキャシアスの永久の別れの潔い美しさには、本当に心打たれます。

やっぱり蜷川幸雄さんてすごい才能だったんだなあとため息ついて、悲劇なのに素晴らしい作品を観た幸福感でいっぱいになりました。

またああいう舞台がみたい!生で!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

美女と野獣4DX3D吹替版@ユナイテッド・シネマ

2017-04-23 23:58:58 | 映画/DVD

監督:ビル・コンドン
主演:エマ・ワトソン/ダン・スティーヴンス/ルーク・エヴァンズ/ユアン・マクレガー/イアン・マッケラン/ジョシュ・ギャッド/ケヴィン・クライン/ググ・バサ=ロー/エマ・トンプソン

【吹替】
昆 夏美(ベル)、山崎育三郎(野獣)、岩崎宏美(ポット夫人)、村井國夫(モーリス)、吉原光夫(ガストン)、藤井隆(ル・フウ)、小倉久寛(コグスワース)、島田歌穂(プリュメット)

魔女によって野獣の姿に変えられてしまった美しい王子。呪いを解く鍵は、魔法のバラの花びらが全て散る前に誰かを心から愛し、そして愛されること―。
だが、野獣の姿になった彼を愛する者などいるはずがなく、独り心を閉ざして暮らしていた。そんな絶望の日々に変化をもたらしたのは、聡明で美しいベルという女性だった。
自分らしく生きながらも、周囲から「変わり者」と呼ばれ心に孤独を抱えていた彼女は、外見に囚われ本当の自分を見失っていた王子を少しずつ変えていくが・・・。
はたして、その出会いは王子の運命を変えることができるのか?


 

普段は映画の吹替版より字幕版を選ぶのですが、この作品では東宝ミュージカル常連の皆さまが歌っているし、何より蜷川さんの愛弟子である藤田俊太郎氏が吹替え版を絶賛しているということで、迷わず吹替版選択。

・・・が、しかし。吹替版は4DX3Dのみで、お値段もメガネ付でなんと大人3200円

客席配置図を見ると100人規模で、4DX3Dって???と思って中に入ってガッテンしました

椅子がもう普通のとは違い、映画のストーリーに合わせて振動したり水しぶきが飛んできたりするらしく、足元にチューブのような物。そして、前の席との間隔がすごく広いのです。あーそういえば、前に予告編の間にこのシステムのPRもあったけど。。。アクションじゃないのにどう使われるのかな~と漠然と思ってましたが、しょっぱなからかなり揺り動かされましたさわやかな風やバラの花の香りが漂ってくるのは大歓迎ですけど、いきなり雨降ってきたり皿が飛んでくるのはどうも舞踏会の場面もくるくる回ってる風の振動いらないと思うけど。。。

まあそんなあれこれはあれど、3年前のクリストフ・ガンズ版で納得できなかった舞踏会シーンがものすごくロマンティックだったし、BE OUR GUEST!が超ファンタスティックだったし、王子は好みだったし、ガストンは吹替えてる吉原光男さんにうりふたつだったし、エマ・ワトソンばかりか魔法がとけたあとの短いシーンにエマ・トンプソンさんやユアン・マクレガーさんまでご出演という贅沢さで、大満足なのでした。野獣王子のソロは山崎育三郎さんなんですけど、ビジュアルのせいなのか、ふだんの育ちゃんよりずっと渋い落ち着いた歌声でした。ルミエールの成河くんは、もう、この役あなたしかいない!というはまりっぷりだし、ポット夫人の岩崎宏美さんは本当にポットのような愛情に満ちたあたたかい歌声でした。

ストーリーは、何故王子が野獣になったのか、何故ベルはお父さんと二人なのかも語られていて、とてもわかりやすかったです。お父さんがある魅力的な、勇気のある女性のことを語り出し、ベルがもっと聞かせと言う。「君の母さんはね。。」と語りだすその一言でその女性がベルの母親だとわかる。どれだけ大切に想っていたかがわかる。素敵だなあ。。。とうっとり。亡くなってもなお、深く愛され、彼女の決断によってベルが生かされているということがよくわかる一場面でした。

最後の場面は圧巻!お隣の席の女性は号泣してました

濱田めぐみさんや島田歌穂さんの歌声も圧倒的で、吹替えキャストの歌声目当てで観に行きましたが、エンドロールに流れたオリジナルの歌声も本当にのびやかで美しく、今度は字幕版も観たくなりました 正直。4DXはもういいや・・

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ラ・ラ・ランドその2@ユナイテッドシネマ

2017-03-05 22:48:41 | 映画/DVD

お天気も良い暖かな日曜日。ミュージカル好きの長女とふたりで再度ララランドへ。

いや、もうこの作品、絶対おすすめよ~とさんざん力説していたので、娘もさぞや。。と、早速感想を聞いてみましたが、

「確かに映像はものすご~く綺麗だった。ハイウェイのシーンはわくわくしたし、天文台の星空のダンスうっとり。ひとつひとつのシーンがまじアートだねえ。でも、ストーリーはそうでもなかったなあ。。」ですと。

え~っっせつないじゃない!タラレバシーンとか!・・・と言いつつ、ちょっとその訳、わかってしまいました。

このひとたちには、人生の選択という機会が、まだそんなにないのよ。

確かに受験とか就職とか叶わぬ片想いとかはあったかもしれない。。

だがしかし、あなたにはまだ、どちらを選んだかでその後の人生が180度変わってしまうというような大きな岐路に立つ経験がなかったのだよ。小娘ちゃん

それでわかりました。この映画のツボは、世代によって違うのだと。

後悔のない人生なんてないけれど、出口に立った時、あの佐藤愛子大先生がお書きになったように「ああ面白かった」と言って死ねるように頑張ろうっと。

これから山ほどの選択をしなくてはいけない小娘ちゃんたち、頑張れ

あ、それから、エンドロールに

Japanese Folk Song 
Written by Rentaro Taki 
Arranged by Thelonious Monk 
Performed by Thelonious Monk 

とあり、え?滝廉太郎?どこに?と思ったら、こちらでした。出だしは確かに「荒城の月」でした

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ラ・ラ・ランド@ユナイテッドシネマ

2017-02-25 20:54:34 | 映画/DVD

監督 デイミアン・チャゼル

出演 ライアン・ゴズリング&エマ・ストーンほか

あらすじ
オーディションに落ちて意気消沈していた女優志望のミアは、ピアノの音色に誘われて入ったジャズバーで、ピアニストのセバスチャンと最悪な出会いをする。そして後日、ミアは、あるパーティ会場のプールサイドで不機嫌そうに80年代ポップスを演奏するセバスチャンと再会。初めての会話でぶつかりあう2人だったが、互いの才能と夢に惹かれ合ううちに恋に落ちていく。


主演の2人が夜の丘で踊る素敵なCMを観て、早くみたいな~とわくわくしていました。

オープニングは渋滞のハイウェイで突然始まるダンス!これがものすごく圧巻ここでもうハート持って行かれます!このシーンでうだつのあがらないジャズピアニストのセバスチャンと、売れない女優ミアの出会いのきっかけのようなものが生まれます。

ストーリーは冬にはじまり、春、夏、秋の構成になっています。少しずつ近づき、心を通わせ、愛し合い、わずかな気持ちのずれが生まれ、傷つけ合い、別れ、再び出会う。

流れる音楽とダンスがものすごくロマンティックそしてドラマティック夢を持ち、目標に向かって頑張る全てのアーティストへの応援歌のような作品でした。

先日のケラ氏の「陥没」も、「選択」がテーマでしたが、この作品も然り。人生の分かれ道で何を選択するか。何をあきらめるか。そして、もし、その時、別の選択をしていたら、隣りで自分を見つめる大事な人は別の誰かだったかも。全く違った世界にいたかも。そんなほろ苦く切ない、美しい物語でした。最後の10分は本当にミュージカルならでは、映画ならでは。ラスト・ファイブ・イヤーズのように舞台化されるといいな。

ふたりの気持ちがずれ始めた時、セバスチャンがミアに「自分の優越感のために、不遇な僕を選んだんだろう」と言った言葉が胸に突き刺さりました。喧嘩すると、相手が一番ダメージを受けること言ってしまうものですよね。。ハゲとかデブとかオニババとか加齢臭とか。。 あ、うちの旦那様はハゲでもデブでもないですよ(ってか、そういう次元じゃないですね)そんなことを言ってしまいながらも、ミアに訪れたチャンスを届けに必死で走るセバスに、どうしようもない愛を感じました

自分のことよりも相手の大きな幸せを願う。大事な人の幸せこそが自分の幸せと考える。。素敵なことですね。そんな日々も。。。あったかな~・・・遠い目

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

本能寺ホテル@ユナイテッドシネマ

2017-01-18 23:05:55 | 映画/DVD

監督 鈴木雅之

出演 堤真一、綾瀬はるか、濱田岳、平山浩行、田口浩正、髙嶋政宏、近藤正臣、風間杜夫

あらすじ 
時は1582年。天下統一を目前に控えていた織田信長(堤真一)は蘭丸(濱田岳)、大塚(田口浩正)ら少数の家臣団と共に京都・本能寺に滞在している。冷酷非道なお館様を前に、戦々恐々とした日々を過ごす家臣たち。そんな時、風変りな女(綾瀬はるか)が一人、寺に迷い込んでくる。噛み合わない会話を繰り広げているが、その女・繭子は400年後の未来から来たと言う。泊まっていたホテル(本能寺ホテル)のエレベーターが1582年と繋がっていると・・・。繭子は自身も訳のわからぬまま信長と小姓・森蘭丸との交流を深める中で、次第に信長の人間性に惹かれていく。やがて繭子は、迷い込んだその日が「本能寺の変」が起きる前日である事に気づき―

小栗くんの信長も悪くないけど、いつか堤さんの信長を観たいなあ。。。と、ひそかに思っていました。
なので、ユナイテッドシネマでこの作品のポスターを見た時は本当に嬉しかったです。しかも、あのプリンセス・トヨトミのスタッフ!脚本のことでごちゃごちゃあったようですが、そこのところはわかりません。
 
現代人の綾瀬さんが京の街を行き、信長の行列とオーバーラップするオープニングは、なかなか良かったっです。古都を歩くときにそういうことを感じることってありますよね。何百年も前にここを同じように歩いた人がいるんだなあとかふと気づくと今のこの現実は夢で、目が覚めたら子どもの頃の自宅の居間だったりするんじゃないかと考えたり。タイムスリップってあるんじゃないかとか。
 
その綾瀬さん、なんとなく自信が無く、自分の行く道を見つけられないまま、なんとな~く結婚に向かう。すべて相手のペース。なんだかモヤモヤしているうちに偶然「本能寺ホテル」に宿泊することになっちゃうんですね。そこで体験する本能寺の変前夜。
時代がかったオルゴールやクラシックなエレベーターやフロントのベルがいい感じの小道具となっています。支配人の風間さんもいい。いかにも何か知っていそうな知らなさそうな。
 
最初に出会う森蘭丸、濱田岳さんがまたいい味。この方は若いのに存在感ありますね。自由自在って感じ。そして信長ミーハー発言で申し訳ないですが、かっこいい土曜日に始まった佐江内氏も面白いけど、やっぱり堤さんにはこういう役をやってほしいです~冷徹と言われた信長ですが、実は少年の気持ちも持ち続け、高い理想を持っている稀有で悲劇的な武将。秀吉の中国大返しの謎解きなども「なるほど~!そういうわけだったんだ!」と思わせられる作りになっていました。本能寺の変情報を得ながらも逃げなかった信長の決断に泣きそうになりました。火の中の後姿がかっこよすぎです
 
信長の生きる姿勢に触れ、自分の道を見極め始める綾瀬さん。なんだかとても切なく、とても優しく穏やかな気持ちになれました。
彼女の婚約者の父が近藤正臣さん。この方も、本当に素敵な歳のとりかたをされているなあ懐の深~いおじいちゃん。ライトなコメディといえばそうなんですが、昔があって今があるのね~。。と、しみじみ感じるひとときでした。
 
実は10年ほど前、家族の京都旅行で本能寺へ行った時、突然ものすごく気分が悪くなったことがありました。何かいたのかも。。タイムスリップしなくてよかった~皆様、古いホテルのエレベーターの中で金平糖をガリっと噛んではいけませんよ。決して。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする