ピカビア通信

アート、食べ物、音楽、映画、写真などについての雑記。

異常発生

2007年08月20日 | 生き物 自然


地球温暖化と共に、各地で生物の異常発生が頻発して
いる。
と書くと、何の疑問もなく、今は「地球温暖化」だか
らいろいろおかしな現象も出てくるはずだ、と思って
納得する。
しかし、実際のところ、全て「地球温暖化」が原因かど
うかは分からない。
その点は、常に頭に置いとくことが必要だ。
そもそも、生物の異常発生というのは、どこかしらで
常に起こってることなのだから。
原因は複合的なはずだから、単純化して全てを地球温
暖化のせいにすることだけは気を付けないと、と思う。

今年は大阪で「クマゼミ」が異常発生しているという
ことだが、もともと蝉は、何年か周期で増えたり減っ
たりを繰り返す。
たまたま条件が揃えば(気象条件、土の状態、天敵の
あるなしなど)そうなるものなのだ。
しかし、今年の状態は、普段の多いを通り越したレベ
ルのようなので、「異常」といっても間違いではなさ
そう。
ただ、「温暖化」だけが原因であるならば、大阪だけ
というのはおかしい。
そこには、他の原因も隠されていると考えるのが論理
的だ。
しかし、「クマゼミ」の生息区域が北上していること
に関しては「温暖化」が原因と普通に考えられそうだ。

北上に関しては、他の昆虫でも思い当たるものがある。
蝶の「ツマグロヒョウモン」。
この十年ほどで、信州でも普通にみられるようになっ
た。
はじめて見た時は、迷蝶かと思ったくらいだ。
つまり、「南の蝶」というイメージがあったから、風
に飛ばされて辿り着いたか、と思ったのだ。
それが今では、すっかり普通種。
市街地で見られるのは、従来のヒョウモンチョウより
多いくらいだ。

蝶に関してひとつ気になったのは、「蟻」。
テレビでやっていたが「アルゼンチンアリ」というの
が勢力を伸ばしているらしい。
日本産の蟻より運動能力が高いらしく、どんどんその
王国を拡大している。
日本の蟻がアルゼンチンにやられているのを見ると、
「頑張れ日本」とつい応援したくなる。
しかし、アルゼンチンは人材の宝庫、蟻界の「メッシ」
「テベス」が次々登場し、全く日本を問題にしない。
強い、強すぎるアルゼンチン。
日本が、アルゼンチンのレベルに達するのは不可能だ
(尤もこれはサッカーの話だが)。
ところで、この「蟻」がどう「蝶」と関連するのかと
いうことだが、蝶の中には蟻と共生関係を持っているも
のがあるのだ。
「クロシシジミ」「ムモンアカシジミ」「ゴマシジミ」
「オオゴマシジミ」これらのシジミ蝶は、特定の蟻が
いないと生きられない。
それらの蝶の幼虫は、蟻の巣の中で成長するのだ。
もしその蟻が、アルゼンチンにやられたりしたら、そ
の時点で絶滅となってしまう。
こんな、足元のミクロな世界の出来事一つで、微妙に
保たれた生き物の世界が変貌する。
それらのバランスが、いたるところで崩れつつあるこ
とだけは間違い無さそうだ。

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