ピカビア通信

アート、食べ物、音楽、映画、写真などについての雑記。

マルゲリータ2

2007年08月03日 | 食べ物


やっとのことで「吸血アブ」から開放され、時計を見
ると12時30分。
この時期の高原地帯は観光客も増え、一番の稼ぎ時な
ので、どこも混雑する。
それに、これと言った店もないので(有名店はあるが)、
結局、ほぼ帰り道に沿ったところにある「フォルマッ
ジョ」に寄ることにした。
あそこの場合、一般観光客がどどっと押し寄せるよう
な店ではないので大丈夫だろう、という予測の元で。

先客が二組ほどいたが、こちらの料理が来る前に二組
とも帰っていった。
「マルゲリータ」が食べたかったのだが、メニューに
無いので聞くと、水牛のモッツァレラが入った時しか
やらないということであった。
今週末と来週末はあると言われたが、そう言われても。
他のピザで食べたいのはなかった。
仕方ないので、「鮭のマリネの冷製カッペリーニ」を
頼んだ。
フェンネル、バジル、ケーパーなどの香草が、鮭、イ
クラなどの具材に絡み、酸味の利いたこくのある味で
なかなか旨いものだった。
量はやや少なめ。
そしてちょっと味が濃いので、パンでもほしいところ。
あとで頼めばよかったと少々後悔。
その後「疲労回復に効果あり」というハーブティーを
飲んでいると、シェフ(今日もACミランのユニフォー
ムだった)の奥さんが「マルゲリータ」の置かれてい
る状況を話してくれた。

つまりこういうことだ。
「マルゲリータ」を頼む人があまりに少ない。
これに尽きるのだ。
これを聞いて思わず「えええええ!」とえを五乗してし
まった。
ピザの基本と言うか、一番美味しく生地を味わえるの
は「マルゲリータ」だろう。
蕎麦だったら「盛り」。
うどんだったら「生醤油うどん」。
これはもう真理と言っても良いのではないか。
全く田舎の人間は(この後には味の分からないのが多
い、と続く)。
しかし、この店は地元客より都会客が多い。
となると、別荘族も大したことない、と言いたくなる
が、実際日頃見ているとそう感じることが多いので、
改めて別荘族も大したことない。

全体的な傾向としては、本格志向は受けないというの
がある。
ピザに限って言えば、どうしても「ピザーラ」もっと
辿れば「シェーキーズ」などのアメリカピザが基準に
なってしまっている。
チーズだって、ゴーダチーズでも良いとなるし。
だからいまだに「ピザにはタバスコ」などという、こ
ちらからすると噴飯ものの人間がいる。
具がたっぷり、下手すると更にマヨネーズの世界だか
ら、ナポリピザの生地を味わう、つまり粉物の粉を味
わうなどという世界には行かない。
そんな日本の事情を、慰め代わりに奥さんに話したが、
慰めにもならなかったか。
それより、水牛のモッツァレラじゃなくて牛のモッツァ
レラでもいいんだけど、と奥さんに言ったが、ACミ
ランのシェフは、ここまできたら水牛じゃないと、と
いう心境らしい。
職人気質、ですな。
それにしてもレベルが。
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