住宅街に陥没と空洞ができた!
東京外郭環状道路の建設現場で、陥没と空洞ができて大問題になっています。大深度地下(地表から40m以上深いところ)は、地表の地権者の権利が及ばないとした法律が出来ました。それを根拠に調布市の住宅街の地下トンネルを、シールド工法で掘り進めたところ、陥没と空洞ができてしまいました。
リニア新幹線も、同様のトンネル工事をするため、この事故をいかにしてもみ消すかというのが、当局側の思惑です。何が問題なのか、現地住民のニュースから、一部ご紹介します。
東京外環道訴訟を支える会ニュース No.10(2021.2.10.)より
10月18日調布陥没事故、外環道訴訟は新段階に
~国は直ちに事業中止、大深度法廃止を~
弁護士 武内更一
「地表には影響が及ばない」とする 大深度法の大前提は崩壊
調布市東つつじヶ丘の地表陥没をきっかけに、地下空洞3か所と広範囲にわたる地盤の沈下と緩みが判明しました。外環道のシールドマシンによるトンネル掘削工事が 原因であることは明らかです。「地表には影響が及ばない」として制定された大深度法の大前提は崩壊しました。人の所有地の地下を地権者の承諾なく、補償もせずに使用できるとした大深度法は、財産権を保障し、公共の目的のもと正当な補償をした場 合に人の財産を使用できると定めた憲法29条に違反し、外環道の大深度地下使用認可は無効、と私たちは訴訟で訴えてきました。また、シールドマシンによるトンネル掘削工事は、過去にいくつも事故例があり、地盤沈下や陥没を引き起こしかねず、住宅地の地下で行うことは違法であるとして外環道の都市計画事業認可等の取消しも求めてきました。
6月の新横浜陥没事故も、9月の地表の振動・家屋損傷も、無視して工事続行
2020年6月には、新横浜駅付近の道路の地下で行われていたシールドトンネル工事によって、地表が陥没するという事故が発生し、私たちは、9月9日の裁判で、そのことを指摘し、被告国に直ちに工事を中止するよう訴えました。にもかかわらず、国とNEXCO両社はそれを無視し、工事箇所の地表では、地下からの振動や騒音が発生し、建物が損傷するという事態も生じていたのに、工事を強行し、本件事故を発生させたのです。
「想定外」ではない! 事業者に100%「過失」
この事故は、断じて「想定外」ではありません。事業者に100%「過失」がある「不法行為」です。事業者は、被害を受けた住民に対して完全な被害回復を行う責任があります。それが不可能な場合、被害に応じた賠償金を支払う義務があります。
被害を繰り返さないために事業中止を!12月25日施行期間延伸差止訴訟提訴
今後二度とこのような被害を繰り返させないためには、外環道事業そのものを中止させることが必要です。外環道は「都市計画事業」としての施行期間は2021 年3月31日までと定められています。このまま期限が到来すれば本事業は進められなくなるため、事業者は、期間延伸の申請をしようとしています。私たちは、昨年12月25日に施行期間延伸差止訴訟を起こしました。外環道訴訟の3月2日の裁判期日では、この訴訟の審理が、これまでの裁判と一緒に行われます。
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