『みちしるべ』 by 阪神間道路問題ネットワーク

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『みちしるべ』今年もあと五週間になった(斑猫独語 58)**<2013.11. Vol.81>

2013年12月05日 | 斑猫独語

今年もあと五週間になった(斑猫独語 58)

澤山輝彦

 画でもさわるか、本でも読むか、俳句でも作るか、という気になってひとまずスタートしようと机に向かったのだが、まわりに色々な物を積み重ねてきたのが眼につきだし、これを片付け始めたところ、あれもこれもと大げさな事になってしまい、ほとんど午後半日を費やしてしまった。こういう発作を年に何回か起こしている。

 この片付け仕事なかなかてきぱきと進まないのである。写真が見つかれば、どこで、いつのことや、と昔の事を思い出すのだから時間はかかる。コピーした文書などやはり読んでしまう。そんな中の一冊の雑記帳に、川西自然教室が第二名神反対運動に取り組み始めた頃の事だろう、童謡や唱歌、世界名曲の歌詞を第二名神反対という替え歌にしたものを書き留めていたのを見つけた。すっかり忘れてしまったけれどやったことは思い出した。ほんの一晩か二晩の乱造物であるが、まあ懐かしい物であった。

 能勢電に乗って川西能勢口へ出る途中で、能勢電をまたぐ第二名神の架橋工事現場が眼につくようになった。山は無惨にけずられている。反対運動って何だったんだろう。そんな気がする。一つは、あの運動の総括が出来ていないからであると思う。(総括という言葉に何か懐かしみを感じるのだが)もとより私達の運動で第二名神がつぶれるだろうとは思っていなかったけれど、そんな中での運動だ、何か得るところ、価値あることがあったはずだ。そこの所をしっかり総括してこなかったことが、今、工事現場を眼にして、打ちのめされてしまうことになるのではないか。いや、ちゃんと総括はしてある、と言われたら夜都市波田(寄る年なみだ、こんな字に変換されました)と自分を責めて終りにしますが。

 今日、伊丹市立美術館でベン・シャーン展を見てきた。なかで、1954年の水爆実験に被災した第五福龍丸を扱ったシリーズ物の前で、しばし足が止ってしまった。ちゃんとこんな仕事がなされていたのである。この国の現状と言えば、3.11はもう昔のことにしてしまっている。外国には首相直々に出かけて原発を売り込んでいるし、原発再稼働の声は強くなる一方だ。新聞は原発再稼働反対のキャンペーンをはれない。秘密保護法まで出来てしまったのだ。ほんの少しだが芸術にかかわった私だ。厭な物はいや、憎むべきものは憎む、そんなことを根底にした作品を作らねばと思ったのだ。

 政治に不満があっても、元はと言えば選挙で彼等を選んだ人々があるからで、その結果がこうなるのだから仕方がない。でも、外国からそのやり方が心配されるような政治は、多数決の結果だから文句あんのんか、と言ってしまえばそれは危険だ。まあ、大衆がかしこくならなければいつまでたっても何を言っても無駄だ。

 ベン・シャーン展は12月23日までです。

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