『みちしるべ』 by 阪神間道路問題ネットワーク

1999年9月創刊。≪阪神道路問題ネット≫交流誌のブログ版。『目次』のカテゴリーからの検索が便利。お知らせなども掲載。

『みちしるべ』**横断車道(101)**≪2020.秋季号 Vol.108≫

2020年11月20日 | 横断車道

横断車道(101)

11月1日、大阪都構想は否決された。その売文句は、府と市の二重行政を止める事。本音は別の処にあるのだろうが、行政の効率化を謳ったものだった▼国鉄民営化でサービスが良くなったと、故 中曽根康弘元首相は自慢した。が、運賃値上・ローカル線廃止・新幹線赤字拡大・貨物輸送激減・労組潰しと労働強化、良くなったのは駅員の笑顔だけ▼維新の大阪府・市で、行政効率化は達成したのか。窓口対応が、官僚的でなくなったとの意見もある。実態は、公務員数半減化と非正規へ入替で、竹中平蔵のパソナが窓口を仕切り、中身が希薄な笑顔となったのだろう▼各種民営化や大阪都構想、効率化・収益率が叫ばれ続ける。そんな一方通行の思考が、結果オーライだろうか。高齢者や障碍者などの弱者保護に反論はしないのであるが、実態の政策では切り捨てている。何故、反論できないのか。「かわいそう」と言うのが政治屋レベル。誰もが高齢化し、いつ障碍者になるのか判らない。自らの保身が、福祉概念の基本である。しかしながら、福祉が効率を減退させるとは、表向き言わないのだ▼産業革命から200数十年、化石燃料で大気中のCO2を増やしてしまった。地球温暖化である。効率化・収益率オンリーだと、このようなことも起こってしまうのだ。一部大企業の肥大化で、圧倒的多数の勤労者の生活費が削減されつつある。IT巨大企業の寡占化は、極端な肥大化を可能としだした。AI(人工知能)の高度化によって、人々の思考力が失われるのを懸念する。起きている時間の半分はスマホ画面を覗いているのは異常。収益追求の弊害なのだろう▼自動車と言うものは、最もエネルギー効率の悪い乗り物である。が、環境保全より利益効率が優先することで、自動車産業が巨大化してしまった。ハイブリッドやEV(電気自動車)が環境を保全するかと言えば、脱原発・脱化石燃料・自然エネルギー化しなければ、解決策ではない。エネルギー効率が最悪であることに変わりはない▼道路建設でも、日本は極端に道路密度が高くなってしまった。それも地形と人口高密度から、高架・橋梁・トンネル構造が極端に多い。そのメンテナンスの予算が殆どない現状(補修率64%)で、大深度トンネルなど超高額な構造物を急増させている。NEXCO東日本の東京外かく環状道路建設現場(地下40m)の調布市で、道路が大きく陥没した▼自動車の走行効率を求めれば、殆どの土地を道路と駐車場にあてがわなければならない。それが住環境の悪化につながるし、輸送効率の良い、他の機関を駆逐する。そして、人類生息環境を狭めて、事によれば滅亡を早めかねない▼政治屋と、そのパトロンの言う、効率化・収益率ばかりを追求する先には、何が見えるのか。見えないように煙幕を張るのが、政治屋の仕事と言うことなのかもしれない。    (コラムX)

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