『みちしるべ』 by 阪神間道路問題ネットワーク

1999年9月創刊。≪阪神道路問題ネット≫交流誌のブログ版。『目次』のカテゴリーからの検索が便利。お知らせなども掲載。

『みちしるべ』**横断車道(99)**<2020.春季号 Vol.106>

2020年07月11日 | 横断車道

横断車道 ―99―

「マイカーは便利」という命題。80年代頃までは疑われなかった。が、昨今の若者の車離れは凄まじい。30年間も大卒の初任給が変化していない。非正規が主流の若年層の所得は悲惨を極める。買えない車、マイカー思想は無くなった▼便利だと錯覚した車社会。自動車取得税、ガソリン税等、重量税、それにかかる消費税、有料道路の通行料金。マイカー取得者は、膨大に出費をした。しかし、自動車の走行にかかる社会的費用の数割も負担はしていない。道路建設費・環境対策費・事故対策費等の殆どは、税金で賄われている▼夫婦の年金が月額30~50万円の団塊世代のマイカーを批判はしない。マイカーが前提の社会構造が営々と築かれてきたのであるから▼さて昨今、ガラケーを持つ人たちにも、スマホへの買い替えが勧められる。殆どの人々がスマホを使用する世になってしまった。「こんな便利なものはない」と思う人も多かろう。自動車の外部負経済を指摘したが、スマホの負の側面は無いのだろうか?▼信号で立ち止まると、ポケットからスマホを取り出す。信号無視の歩行者妨害、無灯火の手放し運転自転車、でも、しっかりスマホを操作している。こうなったら病気以外の何物でもない▼若年層は顔が小さい。硬いものを噛まないので、顎が未発達なのだそうだ。脳の発達にも支障があるらしい。アフリカの原住民は数㎞先の人の顔が認識できたそうな。近未来人は、超近視になるという。スマホなどの影響だそうだ▼あなたは一日に何時間スマホの画面を見ている?ラジオからTV視聴が普遍化して、人々は思考しなくなってきたという。スマホは何でも即答してくれるが、利用者は賢くなったのではなく、洗脳されやすくなっただけではないか▼コロナ禍の今日、一層スマホとご対面している向きが多いと思う。スマホの位置情報を利用して、接触者を特定し、感染を防ごうという試みがある。冷静に考えて、全員が感染者である認識の下、必要な時と場面で、必ずマスクを着用すれば、殆どの感染拡大を防止できる筈。何でもかんでもITやAIを使用しなければならないものではない▼マイカー時代、裏のタバコ屋に行くのにも車を使い、ガソリンを消費し腰痛になることを誘導されていた。総ての生活にスマホを連動させ、便利と錯覚させるのは重要。庶民が誘導される力学には、必ずIT企業の思惑が潜む▼世界の巨大企業は、中規模国家の財力がある。それらの企業は何らかのAIを利用するIT企業だ。そもそも1%の巨大企業家たちが、人類の富の90%を持つ事が異常だが、更に急速にそれを極端化させようとしている▼選挙で首長や議員を選ぶ民主主義だが、国家を凌ぐ力を持つIT企業パワーとは何なのか?人々の生活を決定するのは、実質、IT企業というのだろうか?そして、究極の企業利益に奉仕する。 (コラムX)

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