日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

売れ筋ビジネス書<ブックレビュー>3・31号

2009-03-31 | ブックレビュー
連日のブックレビューです。

★「マンデー・モーニング・リーダーシップ/デビッド・コットレル(東洋経済1300円)」

過去のベストセラー「チーズはどこへ消えた?」や「なぜ、エグゼティブはゴルフをするのか?」と同じ類の、物語風マネジメント・ブックです。リーダー・シップをテーマに全米で40万部以上を売り上げたというベスト・セラー。一人の中間管理職が著名なコーチとの毎週月曜朝のミーティングを8週にわたって実践し、リーダーシップの勘どころを学ぶと言うストーリーです。

さすがリーダー・シップ理論の本場アメリカ産と言った感じで、基本が染みてくるようにジワジワと理解できます。コーチが教えてくれることは日本のリーダーシップ本にも、あちこちに書いてある一般的な事ばかりなのですが、情景の絵づらが想い浮かぶような様が実に暖かく、まさに「リーダーシップ=コミュニケーション=ホスピタリティ」を全体のストーリー展開の中で学ばせてくれる工夫が素晴らしいです。

コーチの話で白眉は、最終週8週目。リーダーたるものは「常に学びの領域にいなくてはならない」というくだりです。
「自分の力を最大限に発揮するには、居心地のいい場所で満足していてはいけない。向上を目指し続ける必要がある」
「人は学び続けなければならない、ということは誰もがあっさりと同意する。だけど現実には、向上するための具体的な目標を立てないかぎり、何も変わらない」
「目標を立てると、いまの居心地のいい場所から出て行かざるを得なくなる」
などなど…。
実に明快で、読みすすんでこの章に至ると誰もが背中を押される思いでしょう。

主人公と同じ管理職もさることながら、中小企業経営者にとっては長く経営に携われば携わるほど普段意識をしにくくなるであろうリーダーシップについて、学びの多い物語であると思います。堅苦しくないので1時間コースで軽く読めます。パコ・ムーロの「エグゼクティブ」シリーズも個人的に好きでしたが、これも負けず劣らずです。

10点満点で9点。
マイナス1点は、ところどころアメリカ的な組織論を前提としていると思しき部分があり、若干ですが気になると言えば気になるので…。好みの問題もあるかもしれませんが、個人的にはかなりの良書であると思います。でも日本では売れないかな?

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