日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

良書紹介~「誰でもできるけれど、ごくわずかな人しか実行していない成功の法則」

2010-11-11 | ブックレビュー
当ブログのビックレビュー関連で、「新刊ばかりでなく、自己啓発やマネジメントで役に立つ本があったら教えてほしい」という声がありましたので、これから時々取り上げてみます。基本は、現在でも容易に書店で手に入るもの、名著で文庫本化されて入手しやすくなったものということで。

★「誰でもできるけれど、ごくわずかな人しか実行していない成功の法則~ジム・ドノヴァン(ディスカバー・トゥエンティワン1,300円)」★

自己啓発本のハシリとも言える名著です。アメリカでは99年に発刊され翻訳版は翌年日本発売。以来、最近調べたところでは50刷近くまで行っているようで、ビジネス書としては大ベストセラーかつロングセラーの部類に入ると思います。この本を一言で言うなら、今まで成功できずにいる人を成功に導く指南書であり、若い人からマネジメント層に至るまで年齢階層関係なく誰にでもあてはまりかつ実践可能な前向き人生取り組み法が説かれています。中身を一部紹介すると、「今すぐはじめる」「行動をおこす」から始まって、「自分を否定しない」「ネガティブな態度をやめる」「感謝の気持ちを持つ」、さらには「できると信じる」「夢を壊す人を避ける」「理想を自分に言い聞かせる」「今こう変わると決める」「とにかくゴールを設定する」「完璧にできなくても気にしない」「きちんと計画を立てる」「必ず優先順位を決める」「自分の望みを何度も確認する」「夢とゴールの日記をつける」…等々、小見出しを読んでいるだけでも、「あー、自分はけっこうできていないな」と方向修正をかけてもらうとともに、「こんなところに自分が迷路に迷い込む原因があったか」との気づきを与えてくれたりもするのです。

見開き1ページ単位、全74の項目からなっており、本書の使い方は人それぞれにいろいろあると思います。弊社では、内外支援スタッフの啓蒙等にもこの本は使わせてもらっていまして、一日1項目ずつ声に出して読む。それと各項目ごとに「成功への提案」なるそれぞれのテーマに沿った一言アドバイスが書かれているので、それをノートに書かせるようにしています。書いた提案について自分でよく考えて出来ていないモノがあれば、どうできていないのか事例や自分の状態を書き込む。克服するために何をしてみるかを書き、そして定期的に見直してその項目が克服できれば二重線で消す(消した後もまた元に戻っていないか、定期的なチェックは繰り返します)。その積み重ねで一つひとつの貴重なアドバイスを確実にものにしていくように自己に仕向けていくのです。本書の中にもたびたび出てくることですが、声にして話すこと(自分の耳で自分が話すことを聞くこと)と書くことで、自分の方向感は不思議なほどに明確化されるものです。まさしく自己の「見える化」なのですが、自分の弱点や克服すべき課題点を書いて目で見て、声にして耳で聞くことで、より一層明確に意識をして前にすすませることができる訳です。

もうひとつ、この本を読んで分かること。神田昌典氏、勝間和代氏、本田直之氏、小宮一慶氏などのカリスマ・コンサルタントが、若手読者に対してこうあるべきと「成功者」として見せている行動指針の基本形のほとんどが本書の中に包含されていることに気がつかされます。これは別に彼らが本書のエッセンスを利用して著作をしたためているというわけではなく、成功に向けて歩む個人のあるべき基本行動や基本スタンスにかかわるあらゆる要素が本書には詰め込めれているということなのだと思います。それでありながら本書は、実に平易であっけないほど簡単に読破できる書き様であり、気負って本書を手にした人は肩透かしをくらうかもしれません。だからこそ、じっくり1項目づつかみしめながらあるいは、事あるごとに何度も振り返り開きながら一つひとつを確実にものにしていくべき良書であるのです。

本書には先のカリスマ・コンサルタントたちだけでなく、成功した経営者たちから直接耳にした「成功の秘訣」とダブるものたくさん盛り込まれています。立ち読み時点では「こんな当たり前の事柄の羅列がなぜ名著?」と思われるかもしれませんが、まずは騙されたと思って読み、必要に応じて書き、さらに大切なことは読んだ内容を「実践」することです。この本がなぜこんなに長きにわたって売れ続けているのか、それは「実践」して初めて分かると思います。

※本書は、トヨタ自動車前社長・張富士夫氏の愛読書としても有名です。

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