日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

ブックレビュー~野口吉昭×2 その1

2010-09-16 | ブックレビュー
コンサルタント野口吉昭氏が最近新刊本を2冊発刊していますので、その紹介を。

★「プロの観察力/野口吉昭(マガジンハウス1400円)」

これは出てからちょっとたってしまいました。私も読んでから時間があいたので内容をやや忘れ気味で、中身を見直しつつ書いています。これまでの「コンサルタントの現場力」「・・・質問力」「・・・解答力」ときて、本人が講演会で「次は“何力”にしましょうか?」と問いかけていたりしたこともありましたが、ようやくシリーズ第4段の登場です。出版元の関係でしょうか「コンサルタントの…」の前フリ部分が「プロの」に変更になっていますが、コンサルタントが物事をどうとらえどう分析するかというスタンスで書かれていることになんら変わりはありません。今回の出版がマガジンハウスからというのが、表紙のポーズをとる著者の写真とともにやや俗っぽい感じでちょっと気にはなったのですが…。

読んでみれば中身は安心でした。野口氏の場合基本的思想にブレがなくオリジナルの問題解決手法が確立されているわけで、出される本は都度その切り口をどの部分にもっていくかだけのことですから。話のポイントやキーワードは毎度氏の著作で登場しているものですが、今回の「観察力」の基本も“相手軸”“鳥の目と虫の目”“ロジックツリーの分解と整理”といった、お得意の手法を活用する流れで説明がされています。一方、今回初登場で個人的に気になった新キーワードは、“ナラティブ”。本書内では「印象に残る話し方」と定義され、「観察力」の優れた一流の司会者やインタビューアーは皆「ナラティブ」であると語られています。最後のまとめ的部分に「気付いたことをスタート地点として、魅力的なストーリーを作り上げナラティブに人に伝えていく、それが観察の醍醐味」とありますが、これまでの「質問力」や「解答力」をより魅力的に磨き上げる方法を事細かに説明しているのが本書であると言えるでしょう。野口氏としては標準的レベルクリア、10点満点で8点か7点か迷うところなので7.5点とします。

もう一冊は後ほど。

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