日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

竹下景子の英断に拍手~役人よ「広報大使辞退」の“真意”を汲め!

2008-05-22 | ニュース雑感
製品事故の防止を目的に経済産業省が19日に任命した初代「製品安全広報大使」の女優竹下景子さんが、21日に同省に辞退を申し出たそうです。

理由は、竹下さんが21人が犠牲となった一酸化炭素(CO)中毒事故を起こしたパロマ工業製ガス瞬間湯沸かし器のCMに、事故発覚前の2005年7月まで19年間にわたり出演していたことで、「任命されたその日に遺族が福田康夫首相と面会したのを竹下さんが見て、当事者の心情に配慮して考えた結果」と説明してるそうです。

新聞報道によれば、19日の遺族と福田康夫首相との面会では、事故で息子を亡くした上嶋幸子さん(54)から首相に「欠陥湯沸かし器が家族のだんらんを奪った。国民の生命を真剣に考える消費者のための役所ができることを希望します」と訴えかけたと言います。

遺族にとって本当に政府や行政に求めていることは、芸能人を「製品安全広報大使」に任命することではないはずで、それよりももっともっと先にしなくてはならない対策や再発防止策があるのではないでしょうか。竹下さんとしても、ただ単に「以前パロマのCMに出演していた」ということだけでなく、まさに『製品安全広報大使 』の存在意義そのものへの疑問符からの辞退申し出であったと思われます。

「芸能人は存在そのものが「商品」なのだから、つべこべ理屈を言わずに黙ってキャラクターをやっていればいい」という意見もあるのかもしれません。ただ、有名人であるがゆえの影響の大きさも無視できない問題です。インチキ投資団体のキャラクターをやって、会員を前にして歌なんかを歌っていたものだから被害者団体から訴えられた、どこぞの演歌歌手もいる昨今。このような「自分は商品なんだから、カネになるならなんでもOK」というバカも多い中で、竹下景子さんの英断は称賛されてしかるべきかと思います。

政府ならびに経済産業省は、竹下さんの申し出を重く受け止め、被害者遺族ならびに一般消費者のために、「最優先で何をすべきか」を真剣に考えて欲しいと思います。間違っても「竹下さんの後任選び」などすることなどないとは思いますが…。なにせ“世間知らずのお役人さん”方ですから、いささか心配ではあります。

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