日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

<音楽夜話>霧に消された名盤?

2008-03-08 | 洋楽
「消えた名盤100」からも漏れたものの、全米TOP40世代には忘れじの“名盤”を。

ジェリー・ラファティの「シティ・トゥ・シティ」です。このアーティスト名、アルバム名にピンと来た方、「おっ、『霧のベイカー・ストリート』ね」と思わず口走った方、「全米TOP40フリーク」を認定いたします。さらに、「ディズ・ゴーイング・ダウン」や「ライト・ダウン・ザ・ライン」まで口をついた方は、めでたく「全米TOP40マニア」を認定してあしあげます。

出身地の英国で地味な活動を続けていたアーティストですが、先の「霧のベイカーストリート」で栄光の78年に突然全米ブレイクしたのでした。印象的なサックス・ソロのフレーズが歌詞のメロディー・ラインよりもキャッチーで、このフレーズとまさに霧がかかったような独特の雰囲気でヒットしたと言っても過言ではないと思います。

他の曲を聞いてみるとよく分かるのですが、やはり英国人特有の“陰湿感”とでも言うのでしょうか、英国民謡にも通じるような伝統を感じさせる、脳天気なアメリカ人には絶対に出せない質感漂う曲が満載されています。個人的なイチオシは、アルバムからのサード・シングルでもありました「ホーム・アンド・ドライ」。軽快なリズムとメロディーのよさ、らしさを十分に感じさせるアレンジ、1曲でジェリー・ラファティをつかむならまさにこれって感じですね。

ジャケットの強烈さも70年代しています。当時は、彼を知らないハードロック・ファンがジャケ買いしたかもしれませんね。裏ジャケが、ギター片手に台風空を飛んでいく絵というのもなかなか秀逸です。実は次作「ナイト・アウル」のジャケットもこのオドロオドロ・タッチのイラスト路線でして、こちらはバカでかいフクロウ(=アウル)の背中で、彼がギターを持って寝そべっているというものでした。70年代ならではですね。

「ナイト・アウル」からは、「ディズ・ゴーン・ダウン」がスマッシュ・ヒットしたものの、アルバムの評価は前作に及ばず、徐々にラファティ・ブームは下火になっていきました。私的には、「ナイト・アウル」の方が、楽曲が粒揃いで出来はいいと思うんですけどねぇ。英国民謡的アクの強さが、早々に飽きられた原因かなと思います。

ジェリー・ラファティ氏、今どこで何をしているのでしょうか?あんなに一時期売れたのに、今や忘れられたアーティストといった存在で、寂しい限りです。たとえ彼が今や忘れられた存在であろうとも、私の70年代名盤100、と言うより「全米TOP40フリークの70年代100枚」に、「シティ・トゥ・シティ」は必ず入る1枚であると声を大にして言いたいと思います。

★霧のベイカーストリート/ジェリー・ラファティ(動画)
http://jp.youtube.com/watch?v=Fi2h5lD4yl8&feature=related