-畑沢通信-

 尾花沢市「畑沢」地区について、情報の発信と収集を行います。思い出話、現況、自然、歴史、行事、今後の希望等々です。

胡桃(クルミ)割り人形のようになれなかった爺の失敗

2020-02-07 17:05:36 | その他

 何か月か前のお話です。前年の秋に畑沢で収穫された胡桃を貰いました。直ぐに食べればいいのですが、食べるまでの作業が半端でありません。胡桃の殻は極めて堅固です。トンカチで叩き割るのが一般的ですが、「割る」というよりも「砕く」ことになり、殻の中の実が取りづらいばかりでなく、殻のカケラが入ってしまい、食べるとガリッと歯に当たります。
 ところが昔、囲炉裏(いろり)があったころ、上手な胡桃割りの方法がありました。胡桃を囲炉裏の灰に置いて火にかざすと、殻の中が熱で圧力が高まり、シューと蒸気のようなガスを出しながら殻に割れ目が生じます。その割れ目を金属などでこじ開けると、綺麗に殻が二つに割れます。中の実も綺麗に取れるので、殻のカケラが混入することはありません。ただし、囲炉裏に一度に並べられる胡桃は、3、4個ぐらいだけですので、効率が悪いものでした。
 この考え方をもっと効率的にするために、ダッチオーブンで大量の胡桃をまとめて熱する方法が、インターネットに出ていました。しかし、しがない年金暮らし、とてもダッチオーブンを購入するお金はありません。そこで思いついたのが、下の写真の昭和50年代ごろまで使っていたガス炊飯器の内釜です。アルミの鋳物で、これなら分厚い金属ですから、見た目はダッチオーブンです。 


 胡桃は前日から胡桃を水に浸して水分を含ませてあります。蓋をして畑沢の薪ストーブにかけて、ひたすら薪をくべて温度を上げます。釜の中からシューシューと釜の蓋をがたがた言わせながら蒸気が吹き出してきます。しめしめ細工は流々仕上げを御覧じろ。そろそろ胡桃に割れ目ができたかなと蓋を開けて胡桃を確認しても、割れ目があるのは鍋底のものだけで、それ以外は全く割れ目がありません。かき混ぜて再び蓋をして過熱しますが、同じ状態です。何度、繰り返しても同じです。頭の中では、簡単に全ての胡桃に割れ目ができて、たちまちのうちに綺麗に殻を二分できるはずでした。とうとう諦めて、直接、ストーブの中に入れました。
 結局、昔の囲炉裏方式です。一度に中に入れる胡桃の数は、せいぜい10個程度で面倒なことこの上もありません。


 
 ストーブの中は見えにくいものです。取り上げるタイミングを逃がすと、燃え上がります。油分がありますので、良く燃えます。


 無駄な時間を浪費しながらもどうにか終了し、胡桃に割れ目を造りました。あとは割れ目をこじ開け、さらに実を穿り出します。
 
 実を食べてびっくりです。ぱさぱさとしていて、美味しくありません。何度も釜で熱をかけましたので、油分が強制的に気化されてしまいました。大失敗です。失敗の原因が分かりました。私のやり方が、ダッチオーブンとは大きく違う代物だったのです。ダッチオーブンでは、下からだけでなく、上の蓋にも真っ赤に火が付いた炭火を盛り上げて、釜全体を加熱します。私はストーブにかけて、下からだけ加熱しました。形だけを真似て、大事なことが抜けていました。


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