温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

夕張 日吉の湯

2009年11月03日 | 北海道
※残念ながら日吉の湯は完全に撤去されてしまいました。


今日から日本の温泉に戻ります。
自然豊かな北海道には多くの野湯がありますが、その中でも比較的容易に到達でき、かつ野湯初心者でも気持ちよく入浴することができる夕張の「日吉の湯」を紹介します。

夕張の市街地から道道38号線を南へ下ると、右手に平和運動公園、左手に「ユーパロの湯」が見えてきますが、この「ユーパロの湯」より更に左手前方には、何棟かの住宅が間隔をあけて建っている小さな集落があります。集落に入ると、そこにはバリケードとともに何やら意味深な「通行止」の看板が立てられている未舗装の坂道があり、これが今回目指す「日吉の湯」の入口です。ちょうど看板の前に数台とめられる駐車スペースがあるので、そこに車を置いて歩きましょう。
坂を登りきって突き当たりの丁字路を右折すると、そこにも「通行止」の看板が立てられていますので、ここを通過し、勾配の少ない一本道を約20分ひたすら歩いてください。歩くといっても山道ではなく林道で、車が通れる広さがあって凹凸が少なく、とても歩きやすい路面です。気持ちよいハイキングです。また途中には分岐もないため道に迷う心配もありません。20分程歩くと、前方にグレーの小屋が見え、そして道が二又に分かれますので、川へ下る右手に入って坂を下ってください。川まで下れば、そこに「日吉の湯」があります。

 
左:「日吉の湯」入口となる第一の「通行止」
右:坂を登りきったところにある第二の「通行止め」。ここから約20分で到達です

 
左:道中はこんな感じ。とても歩きやすい林道です
右:やがて現れる分岐。川へ向かう右へ下りてください

 
左:なお、分岐を左に行くとこんな小屋があります。ちなみに、これは源泉小屋
右:河原に下りると、そこに「日吉の湯」があります


砂防ダムの真下の河原にお風呂があり、有志の方によって手入れされているのでしょう、実に綺麗に整備されています。浴槽は石積みで4人は入れる大きさがあり、お風呂の脇には衣服を掛けるちょっとした柵まであります。野湯はえてしてお湯に藻や苔が発生していたりゴミが浮遊しているものですが、ここはそんなことがありません。どなたでも気兼ねなく入浴できるでしょう。
湯船の底近くから出ている湯口からは大きな泡をボコボコと立てながらお湯が次々に供給されています。お湯は無色透明で山の中とは思えないほど塩辛く、塩分の濃さを証するかのように体が浮きます。藻や苔が発生していないのは、この塩分が影響しているのかもしれません。湯船などお湯が触れるところは褐色に染まっていますが、その原因と思われる金気の匂いが漂ってきます。更に湯口付近ではたまご臭も感じられます。
湯加減は長湯に適した39~40℃ぐらいと思われるとても心地よい温度。あまりに気持ちよくて眠ってしまいそう。また湯口付近でお湯に浸かっていると、大粒の気泡が体に付着します。川のせせらぎを耳にしながら大自然の中で湯浴みする開放感といったら、言葉には言い表せない素晴らしいものがあります。

私の訪問時には、札幌から訪れたという男性2人組の方が先客でいらっしゃって、何と仕事終わりにこちらへ来たんだとか。半日あればこんな自然溢れる野湯まで来れて往復できるとは、東京圏で通勤する私にとっては信じられない、この上なく羨ましい環境です。道内のいろいろな温泉を巡っていらっしゃるそうで、北海道のおすすめ温泉を教えていただきました。旅先、特にお風呂で巡り会う方との出会いやそこでの会話はとても心に残り、有り難く思うものですね。


野湯につき温泉分析表なし

北海道夕張市日吉 地図(おおよその位置です)

24時間入浴可 無料

私の好み:★★★

コメント (3)
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