― きょうは玉椿主任に夏場所の展望をうかがいます。よろしくお願いします。
(玉椿) 「おう」
― ところで主任って聞きなじみのない肩書ですね。
(玉椿) 「先場所、ちょっとミスをして階級を下げられたからな。いちおう無役じゃないってだけの肩書だ」
― いっそのこと玉椿親方とか名乗っててもいいんじゃないですか?
(玉椿) 「まあ、それでもいいんだけど、主任のほうが『階級を下げられた感』があるから、個人的には気に入ってるよ」
― 本人が気に入ってるんならそれでいいですけど。
― さて、五月場所の展望ですが、見どころとかありますか?
(玉椿) 「見どころ? ……思いつかんねえ」
― この力士のこういうところを見てほしいとか、なにかないですか?
(玉椿) 「んー、気になるのは大太刀が出場するかどうか、かねえ」
― あー。
(玉椿) 「木曜昼の時点で連絡がないからねえ。今場所も休みがちになるような気がするねえ」
― 今場所は十両三枚目。勝ち越すのと全休するのとでは天と地の差がありますよね。
(玉椿) 「番付は生き物だから確定的なことはわからんけど、全休だったら幕下に落とされても文句は言えんねえ」
― ほかに見どころはないですか?
(玉椿) 「力士全員がちょっとづつ老化してるからね。どんなふうに老化に対抗するのか、そのもがき苦しむ様子を見てもらうしかないんじゃないかな」
― なんか陰気な楽しみ方ですね。
(玉椿) 「陽気な勝ちっぷりができるのって毛呂乃くらいしかいないからね」
― インタビューしてても聞くことがなくて苦しいですよ。
(玉椿) 「まあ、初日を迎えれば、ちょっとは明るくなるよ」