― きょうは玉椿理事に秋場所の展望を伺いたいと思います。
（玉椿） 「おー、なんでもきいてくれ」
― 9月なのにぜんぜん涼しくなりませんね。
（玉椿） 「暑いねえ」
― やはり暑いと勝てないものですが？
（玉椿） 「まあ、真夏と違って朝晩はいくぶんひんやりするから、七月よりはましだと思うけど、それでも大変だよね」
― 今場所の優勝予想はどうでしょう？
（玉椿） 「わしはどうも調子があがらんし、金精山も休場明けでそこまで期待できんからね。ふつうに考えたら毛呂乃しかいないだろ」
― 毎場所毛呂乃関にばかり優勝をさらわれて、くやしくないんですか？
（玉椿） 「んなこと言ったって、勝てねえもんはしょうがねえだろ」
ー 毛呂乃関の強さの秘訣はどのあたりにあると思いますか？
（玉椿） 「ふつうの人間は24時間勃起のことばかり考えて生活するなんでできないんだよ。めしを食わなくちゃいかんし、遊びだってしたい。んでも毛呂乃はひたすら勃起のことだけ考えて生きている。めしを食うにしてもねるにしても遊ぶにしても、生活すべてを勃起につなげて考えてる。そこが一般人と毛呂乃との違いだね」
― 対抗馬は金精山関になると思うんですが、金精山関の調子はどのように見ていらっしゃいますか？
（玉椿） 「気力は充実してるみたいだね。先場所途中休場だったんで『はやく戦いたい、まらずもうをやりたい』って気持ちが強くなってる。あとは体力とか勝負勘とかそういった面が戻っていれば、毛呂乃ともじゅうぶんに戦えるかもしれんね」
― 玉椿関は……？
（玉椿） 「だから、わしは無理」
― 下位の力士に注目はいらっしゃいますか？
（玉椿） 「播潟も明烏も年齢的に衰えは見られるけど、まだまだやる気はありそうだね。勝ち方も知っているし、勝ち越しくらいは期待してもいいかもしれんね」
― そういえば、さいきん蒼狼さんがずっと休場がつづいています。どうしたんでしょう？
（玉椿） 「んー、携帯電話がこわれて連絡がつかないって噂だね。日本人ならさっさとなおすなり買い替えるなりすると思うんだが、半年近くも放置してて平気なのがさすがモンゴル人のおおらかさだね」
― しかし、そうやってのんびりしてると、どんどん番付が下降していきますよ。
（玉椿） 「こまったもんだね」
