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まらずもう物知り帳(17)まらずもうの稽古(下)実戦稽古

2010-10-08 08:00:00 | まらずもう物知り帳
 前回は基本動作を紹介しましたので、今回は実戦形式の稽古の中から、主なものをご紹介しましょう。シコやテッポウはもちろん大切ですが、それだけではなかなか強くなりません。基本動作を繰り返すことは大前提で、決しておろそかにしてはいけませんが、その上でより実戦を意識した稽古を積まなければ、本番で勝てません。

【三番稽古】
 ここで「三番」というのは実際の回数ではなく、「複数、繰り返し」という程度の意味で、同じ相手と連続して稽古する、という稽古の仕方です。仲の良い相手、かみ合う相手にいろいろなことを試してみたり、あるいは苦手の克服にと、それぞれの力士がさまざま目的のもと、三番稽古をします。月乃猫は場所前、「最近は範田紗々がお気に入り」と言っていましたが、これは三番稽古の典型例で、相撲通は「月乃猫は範田紗々と三番稽古を繰り返した」と言ったりします。

【申し合い】
 三番稽古に対し、相手が頻繁に入れ替わる稽古を「申し合い」と言います。大相撲においては、勝ちぬき形式で勝った力士が次の相手を指名する、など細かい特徴を言い出せばもう少し長くなりますが、まらずもうでは「三番稽古とは逆に、相手を入れ替えて行う稽古」というぐらいに覚えておけばじゅうぶんです。場所後の月乃猫は、「最近ではネットの無料サンプル動画をメインに稽古してます。そこにはまだ名が知られてはいないけどなかなかのツワモノ達が揃っていて、ネットなのでかなりの数の相手がいますので稽古相手にも事欠きません」と語っていました。これが「申し合い」です。

【出稽古】
 力士の稽古は、自分の所属する「部屋」で行うのが一般的ですが、これではマンネリ化もしてしまいます。壁にぶつかった力士が、新たな刺激を得るために部屋を出て、他人の部屋や公共の場所といった敵地に乗り込んで稽古を行うのを「出稽古」と言います(より詳しくは、野外で行う稽古を「山稽古」と言ったりするのですが、これ以上詳しい説明は省略します)。出稽古は部屋での稽古と比べ、刺激も緊張感も段違いで、効果は絶大です。しかし出稽古をするにはかなりの勇気や決断も必要で、それなりのリスクも伴うため、出稽古をしたがらない力士はやはり多いようです。その点、毛呂乃などはほぼ毎日が出稽古のようなものだそうで、一番強い者が一番稽古しているのですから、他の者はかないようがありません。


 今回は実戦稽古の数々をご紹介しました。大相撲のシコを日々のトレーニングとして取り入れても、実戦稽古は一人ではできません。それに対してまらずもうは「自己完結競技の雄」と称されるだけのことはあって、シコ・テッポウはもちろん、今日紹介した三番稽古・申し合い・出稽古までが一人でできるという利点があり、誰にでも始めやすいスポーツです。あなたも一度試しに明日あたり出稽古に出てみる、というのはいかがでしょうか。新鮮な刺激が待っているはずです。
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