正月明けから横手焼きそばの食べ歩きをして1か月。ここまでで30軒で焼そばを食べてきました。中には横手やきそば暖簾会に入っておらず、普通に焼きそばとして提供する店もあります。そこまで食べに行く理由としては、横手やきそばの歴史をお勉強したら、昭和30年代に大人気になり横手周辺にまで広がったということなので、どの辺まで広がって、それが今どれだけ残っているのだろうかと云う興味で、少し広範囲に廻っています。
雄物川の滝沢食堂や羽後町の太陽食堂などは、横手やきそばの流れを汲むと思われますが、独自なものになっているようですし、それが地元に根付いて地域のソウルフードとして、帰省客が多く買いにくるなんて店もわかりました。
また横手やきそばの特徴の一つとして、ウスターソースと出汁を使うことで、少し水っぽくなります。関東で育った身としては、少し違和感を感じていましたが、地元ではそれが「普通の焼きそば」で、更に追いソースを掛けたり、しゃばしゃばにしてスープカレーやスープパスタのように「スープ焼きそば」状態にするツワモノもいるとか。
汁気が多い焼きそばはちょっと、という方なら、皿に盛られる店でなく、鉄板に載せて提供している「スフィーダ」や「朝菊」、「皆喜多亭」辺りなら、鉄板の暑さで汁気がなくなり、関東で食べる焼きそばに近いものになっているようです。それでも関東の焼きそばとは麺も出汁も異なりますので、横手やきそばのおいしさは体験して頂けるかと思います。
汁気が少ない方が良い方には、実は調理方法による違いでも体験できます。正統派の鉄板で調理すると、やはり汁気が多く残る傾向があるようで、そもそもそれが横手やきそばの特徴になったわけです。ただ現在では、居酒屋など鉄板ではなく、フライパンで調理しているところもあるようで、強い集中した火力で一気に調理できるため、汁気は少なめになるようです。カウンターから見ていたり、調理の音で違いが判りますが、奥の厨房で調理されると判断不明で、これは少し不確実な情報かもしれません。
いずれにしても、お店により微妙な違いはいろいろありますので、横手やきそばを一度食べれればいいや、ではなく食べ比べをしてみると、また違う楽しみ方が出来ることは今回食べ歩いた一番の成果かもしれません。(お見苦しい写真で恐縮です)
一時