鉱山のお勉強で最初に行うのは、その県の市町村を切り分けていく作業です。山形県も温泉巡りなどである程度の土地勘は付きましたが、昭和初期や明治、更には江戸時代の文献では、古い住所表記になっており、それがどこなのかはさすがに解りづらいものです。また鉱山の名前が途中で変わることも多く、住所で同じものなのか判断する必要があり、場所の特定のための基礎情報として、明治8年の市町村制度が始まった時の住所表記まで、切り分けて知っておく必要があります。
例えば、現在尾花沢市になっている銀山温泉上の延沢銀山。ここは昭和の合併で尾花沢町に編入されましたが、その前の明治22年の合併では玉野村という地区に当たり、明治8年の市町村制度開始の際には銀山新畑村というところでした。江戸時代の文献では、この銀山新畑村となっており、また一部上の畑村にもかかっていますが、今の地図で見るとそれがどこなのか、非常にわかりづらい状況です。
この作業にほぼ一日かかりました。そこまで市町村を刻んでみると、鉱山名で聞いたことのある村名が結構出てきて、あれはこの辺にあったのだな、とある程度の当たりも付けられます。
のち