ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

今年のJリーグ

2010-12-15 15:43:00 | スポーツ
痛し痒し。

今年のJリーグを制したのは名古屋グランパスだった。かつての名選手ピクシーが監督として戻ってきて3年目。ようやく掴んだ栄誉の戴冠であり、グランパス初のリーグ優勝でもある。

カリスマ的魅力で選手たちをまとめる一方、徹底したサイド攻撃と一対一の強化が功を奏した結果でもある。迷わず、ぶれず、断固として指揮したピクシーの采配も良かったと思う。

ただ、冷静に振り返ると素直に喜べないのが辛い。優勝の要因は、なんといっても豊富な資金力に裏づけされた優秀な選手の獲得にある。

現在のJリーグの助っ人外人で、これほど現役の代表選手を揃えているのはグランパスだけだ。特にオーストラリア代表のFWのケネディの存在は大きい。小柄な日本人選手にとって、これほど長身だと、ただそれだけで武器になる。

しかもケネディは足技も決して下手ではない。長身ながらヘディングも足技も中途半端な平山(現・FC東京)と比較すると、格段の差があることが分る。今期の得点王は、決して偶然ではない。

また途中から獲得したボランチのグライトンも脅威の大型選手であり、威圧感は現在Jリーグ随一だと思う。やはり強力な外国人選手を擁するチームが強いのは、今も昔も変らぬJリーグの体質でもある。

一方、優勝を狙えた他のチームは、主力の外国人選手の高齢化が目立つ。浦和のャ塔e、鹿島のマルキーニョス、川崎のジュニーニョ、ガンバ大阪のルーカスは、素晴らしい選手だが如何せん既に30代半ばだ。

日本の景気低迷がチームの資金力不足となって、若くて優秀な外国人選手を獲得することが出来なくなっている。だからこそ、トヨタをメインスャ塔Tーに持つ名古屋グランパスが優勝できたと言ったら言いすぎだろうか。

そうは思えない。プロである以上、高い報酬を払ってくれるチームに移籍したがるのは必然であり、中東の金満チームからの誘惑に耐えかねて、多くの優秀な外国人Jリーガーが海外に流出している。

その結果、ACLでは予選敗退が相次いでいる現実こそ、資金力=チームの強さである証拠なのだ。だからこそのグランパスの優勝だと判じざる得ないのだ。

岡田ジャパンが南ア大会でベスト16に進出できたからといって、浮かれている暇は無い。国内リーグの強化こそが、世界に通じる選手の育成の第一歩なのだ。

成長はしていると思う。しかし、そのスピードは10年前に比べて、明らかに落ちている。名古屋グランパスの優勝は嬉しいが、今そこにある危機を見逃すべきではないと思う。
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