ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

幼稚な正義感に思うこと

2012-04-27 13:01:00 | 社会・政治・一般
幼稚な正義感が横行する様は不愉快極まりない。

先だって京都の祗園の繁華街を車が暴走して十名を超える死傷者が出た。運転手も同時に死亡しているが、当初てんかんの発作を疑われた事件でもあった。

だが、最初にタクシーにぶつけ、その後逃走中の事故であり、また70キロ近い高速で走り、途中バスを回避しているところからすると、どうやら最初の事故でパニックに陥った末での悲劇だと思われる。

どうやら、てんかんとは直接関係ないようだが、病歴を隠して運転していたことも確かなようで、だからこそ最初の衝突でパニックに陥ったのではないかと思う。

それはともかくも、その死傷事故の当日の夜、京都県警の幹部たちが宴会をやっていたと非難する報道があり、幹部が謝罪している記事を新聞で読んだ。

それほど大騒ぎするべきことなのか?

たしかに痛ましい事故ではある。だが、犯人が逃走中であるわけもなく、事故の対応を怠って呑み遊んだわけでもなかろう。

千葉県警のようにストーカー被害に悩む女性の親の被害届の受理を先延ばしにさせて、北海道へ慰安旅行に行った事件とは事情が大きく異なる。

だいたい、死傷者が出た交通事故が起きた夜だと、警察官は勤務後に呑みに行ってはいけないのか?いったい、この報道をしたマスコミは、警官に勤務後に酒を飲むなと言いたいのか?

呑んで車を運転したとか、飲み会のスケジュールを優先して、事故の事後処理を怠ったとうなら報道に値するだろう。だが、記事を読む限りそのようなことではないらしい。

で、勤務後に飲みに行って何が悪いんだ?

あたしゃ筋金入りの警察嫌いだが、勤務後の息抜きに目くじら立てるような馬鹿ではない。むしろ、このような騒ぐべきでない事で、正義漢ぶって報道するような輩こそ嫌悪する。

このような幼稚な正義が横行するような社会は、閉塞的で度量がなく、建前ばかりが優先されて本質が見失われがちである。

このような報道は揚げ足取りの正義漢気取りに過ぎない。警察幹部に謝罪させて、それに溜飲を下げるような下種の振る舞いだと思いますね。
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パーフェクトワールド デュウイ・グラム

2012-04-26 12:17:00 | 

良かれと思ってやったことが、裏目に出た時の虚しさは心に深い闇を埋め込む。

あの時は本気でそうすることが、当人に良いことだと信じていた。他の選択肢は考えられなかった。だからこそ、敢えてあのようなことをしたんだ。

だが、結果は見事に無残に期待を裏切るものであった。結局悪い方、悪い方へと押し流されてしまい、あの時の善意は、むしろ事態を悪化させただけだと気づかされる虚しさ。

パーフェクトワールド(完全な世界)なんて望まなかった。ただ、ただ、ほんの少しでいいから今よりも良い世界であって欲しかった。ただ、それだけだった。

自らの欲でもなければ、栄誉でもなく、相手を慮ってのことであることは、今でも確信している。その純粋な善意が裏目に出てしまうなんて、予想もしていなかった。

美しくもなく、哀しくもないが、善意が裏目に出たどうしようもない悲劇が深く心に刻まれる名作が、映画「パーフェクト・ワールド」だ。映画で御覧の方もいるかもしれない。

人として善意の限界があることを痛感しつつ、それでも善意が実って欲しいことを切望してしまう。不完全な人間だからこそ、少しでも完全なものを望んでしまう。

たとえ失敗した善意であろうと、その失敗が新たな成功へとつながることを心底願ってしまう。ちなみに表題の作品は映画のノベライズ化だ。無理に読む必要はないと思う。

でも映像で楽しむのもいいのですが、映画で見逃した細かい部分はきっとあると思うので、文章でじっくり堪能するのもありかな、と思います。

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弾劾すべき愚策

2012-04-25 12:34:00 | 経済・金融・税制
馬鹿は同じ誤りを繰り返す。

またしても白川・日銀総裁がやらかしてくれた。今月に入り更なる金融緩和を求める市場の期待とは裏腹に、現状維持を表明しやがった。

2月になって、ようやく従来のデフレ政策からの脱却を匂わせる実質的なインフレターゲット政策である金融緩和を小出しに発表した。

こんな小出しの金融緩和ではダメだと思ったが、それでもこの方針転換を市場は好意的に捉えて、為替は80円台半ばまで円安に戻り、東証株価も1万円台を回復させて、企業はほっとしていた矢先であった。

ところが先週になって、白川がまたも馬鹿をやった。一層の金融緩和を求める市場の声を無視して、現状維持すなわちなにもしないことを公言したのである。

当然ながら市場は失望して再び円高の流れとなり、今や80円割れ目前であり、東証平均株価は下落の一途を辿るのみ。オバカなマスコミ様は北朝鮮の弾道ミサイル発射騒ぎに浮かれて、日銀総裁のオバカぶりをあっさりと流しやがった。

私は未だに日銀批判をしないマスコミ様が理解できない。着弾地点をしっかり定められない程度の低レベルな弾道ミサイルなんて、その結果だけ報じればいいだけだ。口先だけで騒いでも、発射を止めることなんぞ出来やしない。

日本のマスコミ様が騒げば騒ぐほど、北にとってはミサイルは外交交渉に有効だと確信させるだけ。見方を変えれば、日本のマスコミ様は北の外交政策にお墨付きを与えているようなものだ。

はっきり言えば、ミサイルが発射されようと失敗しようと日本に与える影響は小さい。むしろ白川という間抜けが日銀総裁を続けていることのほうが、日本にとっては弊害が大きい。

どちらがより報道する価値があるか明白に思うが、マスコミ様におかれましては別の考えがあるご様子である。っつうか、なにも考えていないのではないかと邪推せざる得ない。

一層金融緩和を進めても、今は企業も設備投資を控えているので、銀行の融資は増えないなどと、日銀の受け売りの解説をしている馬鹿な報道を目にすることもある。いったい、なにを取材しているのか。

順序が逆で、銀行が融資に消極的なので、企業は新たな設備投資を控えているのが実情だろう。銀行にしてみれば、低金利で企業に融資するよりも、生保や投信の売買手数料で稼ぐほうがリスクが無いのは事実だ。そして、現場知らずの金融庁の融資マニュアルに従ってきた結果、融資のノウハウを失ってしまい、融資に自信がなくなったのが、今の銀行の実態だ。

その意味で、白川が金融政策だけで経済の回復は図れないとの言は正しい。正しくはあるが、全てではない。東日本の復興がらみの事業で、政府や地方自治体の予算がついたものでさえ、銀行が融資を手控えるのはデフレ対策でリスクをとらず、低金利に甘えてきた銀行の堕落にほかならない。

そこまで銀行を堕落させた一因に、日銀の頑ななデフレ政策があった事実を知らぬ顔をしているお役人、白川の厚顔無恥ぶりには本気で腹がたつ。

現在の不況の大きな要因は、市場にお金が廻っていないからだ。その根本原因が日銀のデフレ政策にあることは明白だと思う。

いったい、いつまで愚かなデフレ政策にしがみ付くつもりなのか。それを非難する声を上げられずにいるTVや新聞の罪も極めて重いと思うぞ。

と、ここまでの記事は先週前半に書いたのだが、週末になってようやく、さらなる金融緩和を発表したようだ。任期も終わりに近づいた白川氏が再任を目指しての作為も感じるが、どの程度の緩和なのか注視する必要があると思います。

最近、ようやく日銀の頑なな姿勢を、やんわりと非難する記事を目にするようになったが、この数年の景気の落ち込みの主犯に対する記事としては手ぬるい。

政府もマスコミも、日銀には甘すぎる。いい加減、記者クラブ頼みの愚劣な記事を読まされるのは勘弁して欲しいもんだ。
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クレヨンしんちゃん 臼井儀人

2012-04-24 12:15:00 | 

お尻の割れ目がはみ出ているのも気にせずに、お尻ふりふりしている男の子を見かけることがある。

ありゃ何の真似かと思っていたら、どうやらクレヨンしんちゃんの真似だそうだ。お下品というか、見ているほうが恥ずかしくなるような振る舞いに頭を抱える親が続出したらしい。

クレヨンしんちゃんの名前だけは、私でも知っていた。ただ、漫画を読む機会はなく、TVアニメも当然に観たことがない。

作者が既に故人であることや、海外でもけっこうな人気があることも知っていたが、肝心の中味はまるで知らなかった。たまたまだが、歯医者さんの待合室で、待ち時間を潰すために手に取ったのが「クレヨンしんちゃん」であった。

へたうま。

私は西原理恵子、しりあがり寿の二名を漫画界二大へたうま、だと思っていたが、どうやら三人目がいたようだ。実際、クレヨンで描き殴ったのかと思えるぐらい、乱雑な絵に呆れたが、それでも面白いのだ。

全巻読んだわけではないが、私としては初期の、つまり週刊漫画アクションに連載されていた当時の作品をお薦めしたい。大人たちの建前に、しんのすけが素直で、とんでもない発言とふるまいで場を荒らす場面がえらく新鮮に思える。

後にファミリー向けを意識して掲載雑誌を変えた頃になると、あやうさやきわどさの毒が薄れているので、大人の私としてはいささか残念。まァ、家族で見る(TVアニメを意識していると思う)には、この中期以降の作品のほうが相応しいのも確かですがね。

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ミサイル発射の功罪

2012-04-23 12:06:00 | 社会・政治・一般
北朝鮮が先週、弾道ミサイルの発射実験に失敗した。

国連での非難決議も早々に出たのはともかく、これで北朝鮮の政権の寿命が縮まったとする報道を目にすることがあった。如何なものかと思う。

たしかにミサイルは空中で爆発した破片と化した。未だ北朝鮮にはICBMクラスのミサイルを実用化する技術がないことが分った。三代目の金正恩の晴れの門出を祝うイベントになりえなかったのも事実だ。

だからといって、全てが失敗であったとはいえまい。私が今回、一番驚いたのは弾道ミサイルの発射失敗をすぐに認めたことだ。これは今までになかったことだと思う。これは政権の維持に自信があることを示しているのか?少々疑わしくもある。

実際問題、多数派に囲まれた少数派の立場は厳しい。周囲から非難されようと、それが口先に留まる限りは問題ではない。むしろ、周囲の非難こそが団結の動機となりうる。

今回のミサイル発射失敗は、むしろ三代目を中心に据える権力層の団結を促す可能性が高い。独裁国家では、独裁者の周囲にあって存在感を示すことこそが、権勢を得る手段となりうる。

基本的に、二代目の親族とその権勢に預かった支配者層こそが、三代目を支える主力となっている。彼等は断固として、この三代目を支えることを決意している。その決意は、今回のミサイル発射失敗により、一層強まったと考えられる。

率直に言って、国連の非難決議なんて北朝鮮には痛くも痒くもない。アメリカの食糧支援の中断は痛いが、苦しむのは貧しい地方の国民だけで、支配者層には影響しない。

どうも我が国のマスコミ様に置かれては、北朝鮮がなにか失敗すると、それを喜び、政権の崩壊が近づくと思い込む傾向があるように思う。

私は今回の弾道ミサイル発射失敗が、むしろ北朝鮮の団結(支配者層のみ)を高め、より一層頑固に孤立化を深める気がする。つまり、多くの方が期待する世界に開かれた国への変貌とは逆方向に進むと思う。

アメリカにとっては現状維持が望ましく、シナも同様にじわじわと唯一の支援国としての立場を強化できれば、それで満足である以上、今回の失敗が日本にとって、特に口先平和志向の強い方々に好ましい方向に向かうとは考えにくい。

TVで北朝鮮のガイドへ今回のロケット発射失敗をどう思うかを問うたところ「失敗は成功の母です」と切り返されていた。ある意味、本当だと思う。

今回の失敗で、北朝鮮指導部はより一層団結を深めると私は思う。まァ、団結を縮こまる、もしくは凝り固まると評しても、そう間違いではないとも思いますがね。
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