ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

裏も表もわかる日本史 古代編 関裕二

2024-07-26 09:06:45 | 

古代日本史ほど厄介な分野はない。

なにせ文献が非常に少ない。その上、その文献が政治的な理由からかなり歪められている。特に厄介なのは、日本書紀絡みの歴史だ。実は近代以前から日本書紀については、国学者を始めとして異論を唱える人は少なくない。驚くべきは明治政府になってからも、津田博士とか本格的な歴史学者が疑問を呈している。

戦前の教育を否定する戦後になってからしばらくの間、日本書紀に対する議論は活発になった。しかし、教科書に影響を及ぼすことはなかった。この原因は戦後に日本の教育界にマルクス主義が広まってしまったからだと思う。

マルクスは自説に科学的考証を加えんがために、歴史さえも科学に化粧直しさせてしまった。予め書いておくが、歴史は科学ではない。人の生き方、家族の生き方、民族の在り方、そして国家としての在り方を書き並べた記憶である。

当然にそこには自己の民族優越を織り交ぜながらも、今ある自分たちがどのような経緯を辿ってきたのかを子孫に伝えていく大事な物語である。断じて科学ではない。科学的正確さよりも、人として、民族として、国家としての根源を伝えていくものである。

そう考えると歴史教育は真実の歴史を教えることではなく、日本人としての誇りを自覚させるような教育こそ歴史の授業で求められる。それは分かるが、それにしたって日本書紀は問題が多すぎる。

その代表例が聖徳太子だろう。私が子供の頃の一万円札に描かれた古代日本史の有名人である。しかし、現在ではその実在すら否定されることが多い。いや、厩戸皇子は実在の人物だろうが、推古天皇を補佐した聖徳太子は虚構の存在であり、実際は蘇我氏のことらしい。

厩戸皇子は蘇我系ではあるが、何故に聖徳太子は虚構なのか、何故、誰が何の為に?

おそらく正解が判明する可能性は低いと思うが、反面想像の翼をはためかせる楽しみはある。そんな一助になりそうなのが表題の書です。古代日本史を良く知らないが、興味はある方には良きテキストになりそうです。

まぁ私程度の歴史好きだと、後数回読まねば物にならないとも思っていますけどね。

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アサクリ?

2024-07-25 16:07:10 | 社会・政治・一般

人間って奴は信じたいものを信じたがる。

最近ネット上のニュースなどで話題となっているのが「アサクリ」問題であるそうだ。当初は何のことだが分からず、朝に栗を食べる健康法かと勘繰ったぐらいだ。

実際は「アサシンクリード」でPS5で遊べるゲームらしい。主人公は黒人の侍である弥助である。織田信長がキリスト教の宣教師から送られた黒人をモデルにしているそうだ。弥助が侍かどうかは厳密には疑問があるが、本能寺の変でも明智勢相手に戦ったようだから、別に構わないと思う。所詮外人が作ったゲームだしね。

しかし看過できない問題が生じてしまった。

日本大学の准教授であるトム・ロックリーなる人物がWikiに史実として記載し、挙句に当時の日本には8千人の黒人奴隷がいると書き込んでしまった。そして当然に騒ぎになるとネット上のSNSなどの自分のアドレスを消して逃亡している。

ロックリーなる人物は歴史学者でもなく、単なる日本オタクではないかと思う。実際、学問的な実績は皆無である。ただ日本語が話せて、多少の読むか気が出来る程度なのだが、何故だが日大は准教授として採用してしまったらしい。

逃亡後、彼はろくに証拠資料も明記せずに、如何にも日本は黒人を奴隷として使っていたかのような番組をBBCで制作している。いってみれば従軍慰安婦を捏造した吉田清治のイギリス人版である。

そもそもポルトガル人が九州で日本人の男女を奴隷として海外に輸出した史実はあっても、日本が奴隷を海外から輸入した史実はない。ちなみに秀吉が伴天連追放令を出したのは、長崎で見た日本人奴隷の悲惨な姿を直に見たからだとされている。

まったくとんでもない下種な話ではあるが、これは放置すべきではない。ところが外務省を始めとして霞が関のエリート官僚様は、所詮ゲームでのことと尻込みしている。こんな時こそ政治が動かねばならないのだが、なにせ首相があの検討するだけの岸田である。

挙句に欧米のポリティカル・コレクト信者たちが、ここぞとばかりに日本こそ人権無視、黒人差別の総本山だと騒ぎ立て始めた。日本がポリコレに従わない不満をここぞとばかりに騒ぎ立てる。

この問題、放置すると従軍慰安婦以上の国際問題になりかねないと思いますね。

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ペットボトルのリサイクル

2024-07-24 09:15:32 | 社会・政治・一般

王様の耳はロバの耳。

いい加減誰か教えてやれよと言いたくなる。元来、日本人の清潔好きは過剰なほど。決して悪いことではないが、少々行き過ぎの感もある。

昨今流行りのリサイクルだって江戸時代からやっている。いや、おそらく古代から綿織物の縫い直しなど、時代に合わせたリサイクルをやっていたのだろうと思う。だがその一方で過剰包装なども容認するから不思議である。その包装用紙もしっかりとしまい込む人が多い。多分、貧乏性なのかと思わないでもない。

でも決して嫌いではない。私自身、包装用紙や紙の箱などを溜め込む性向はあるからだ。もちろんゴミの分別だってしっかりとやっている。ただ、ペットボトルの分別に関しては、冒頭のイソップ童話を思い出さずにはいられない。

実はペットボトルのリサイクル事業は、ほぼ失敗していると断じて良い。

最大の問題は臭いである。飲料水とりわけジュース類のペットボトルのリサイクルには、中を洗浄することが必要不可欠だ。この洗浄を十分にやらないと、リサイクルしてプラスチックペレットに再生させても臭いが消えない。

自動車の内部に使うプラスチック製品に、このペットボトルのリサイクルペレットを使ってみたが、どうしてもこの臭いの問題を解決できず、製品化を諦めている。かなり丁寧に、しかも徹底的に洗浄しないと、どうしても臭いの成分が残り、それがプラスチックペレットとして再製品化しても悪臭が漂う。

徹底した洗浄化には、水しかも不純物のない水を大量に使うため、企業としては採算性がとれないと判断している。私は某自動車メーカーに納入するはずだったペットボトルのリサイクル製品を実際に見たことがある。その時は臭いは感じなかったので首を傾げたが、真夏に路上に駐車された車を想定した実地テストで、その悪臭に驚いた。研究室では分からなかったペットボトルの不純物が、炎天下の車内では耐えきれぬ悪臭を放つのである。これでは製品として出荷できない。

既に多くの関係者、企業が周知の悪臭問題なのだが、未だ解決の目途はたっていない。コスト的に不可能だと断じるエンジニアが大半である。ところが、この惨状を知りながらも、ペットボトルのリサイクル事業は止まらない。これは政府からの補助金や日本人のリサイクル好きというかリサイクル幻想に囚われた結果であるらしい。

しかし、まったくの無駄ではない。実は解決策が一つある。それはペットボトルを洗浄切断、そして融解して作られるプラスチックペレットを発電所の燃焼剤として利用することだ。既にご存じのとおり原油の値上げは、円安と相まって貿易赤字の大きな要因となっている。日本では輸入した重油を燃やして電気を発電している。

その燃焼用の原油に替えて、ペットボトルのリサイクルで作られたプラスチックペレットを燃やして発電すれば良い。貿易赤字の減少にも役立つはずだ。

しかし、ここで大きな壁が立ち塞がる。日本は東日本大震災以来、原子力発電をほぼ止めている。そのため火力発電所がフル稼働して電気を供給している。本当は旧式化していたり、定期的なメンテナンスをしなければならない火力発電所は多い。しかし、電力の供給が綱渡りになるため、メンテナンスさえ十分に出来ていない。

困ったことにペットボトルのリサイクルから作られたプラスチックペレットを燃やすにはかなり高温の燃焼炉が必要となる。旧型の火力発電所はそれに対応できない。無理に燃やせばダイオキシンが発生しかねないのだ。

だからこそ原子力発電所の再稼働が必要なのだが、これが難しいのは原子力拒否症の日本人が非常に多いからだ。この状況を変えるには、政治家のリーダーシップと適切な報道が必要となる。しかし、政治家への不信感は高く、マスコミは反原発を正義の看板に抱えて黙り込む。

しかたなく高い原油を海外から輸入して発電しているのが、今の日本である。日本人の賢さなんて、所詮この程度なのかもしれません。

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鬼滅の刃 柱稽古編

2024-07-23 09:37:12 | アニメ・コミック

決して嫌いではないが、実はアニメはあまり視ない。

漫画は大好きであり、寝床の近くには手を伸ばせば届く場所に漫画の単行本が山積みされている。その漫画本をお行儀悪く寝っ転がって読むのが寝る前の至福の時間である。

ただ鬼滅の刃はアニメーションとして非常に出来が良いのは知っていたので、可能ならば視たいと思っていた。ただ如何せん、我が家のTVは未だアナログであり、CS放送専門となっている。なので、CSのアニメ番組を後日視るか、あるいはネット配信を待つしかない。

そう思っていたら、たまたま知人の家で録画された柱稽古編の最終回を視ることが出来た。以前の遊郭編の最終回も凄かったが、炎上する産屋敷邸の場面はさすがとしか言い様がない素晴らしいアニメーションであった。

流れる水以上に、爆発炎上する場面をアニメーションで描くのは難しい。だが、このアニメーションは実写以上の迫力と分かり易さを同時に実現している。もう呆然と画面を注視するしかない迫力である。

その余韻に浸りながら、次の無限城編への期待が膨らむのは致し方ない。ネタバレになるが、なにを今更の人気作なので書いてしまう。なにしろ見せ場が多すぎる。善逸と兄弟子との対決、アカザと炭次郎、義勇との戦い、そして師匠とその娘の場面は遊郭編最終話をも超えるはず。そして不死川兄弟の別れと無一郎の壮絶な最後。

もちろんいつの間にやらヒロインの座についたカナオと死を賭したしのぶの覚悟、そして伊之助の怒りと童磨という作中屈指の性悪鬼との戦い。もうどこをどうみても傑作となるのがほぼ確定である。こりゃタマラン。

今からワクワク感が止まらない。この作品、やはり歴史に残る名作になると思うな。

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語るに落ちる

2024-07-22 09:22:09 | 社会・政治・一般

シナの諺に「打落水狗」というものがある。

日本語では、水に落ちた犬を叩くと訳されている。本来の意味は、悪い奴が弱ったら、もっと叩いて懲らしめるといったものだ。魯迅が言った言葉だとされるが、日本では何故か「水に落ちた犬を叩くな」という諺にされている。

既に負けて弱っている相手を、それ以上に傷つけるのは武士の本分にもとると日本では解釈される。しかし、過酷な歴史、社会の中で育ったシナ人は違う。負けて弱っているからこそ徹底的に叩いて懲らしめると理解している。

社会も歴史も違うのだから、どちらが正しいとか間違っているとは言わない。ただ、アホだなと思った。誰がって市民連合のことである。

小池氏が現職の強みを活かして当選した東京都知事選挙において、2位どころか3位で終わった候補者を熱烈に応援していたのが市民連合である。選挙に落ちた蓮舫氏に対しての批判が未だ続くことに対しての意見をX(旧ツイッター)で表明したものだが、この短い文章だけで、市民連合のお里が知れる。

水に落ちた犬を叩くのはシナや半島では普通だが、日本だとむしろ醜悪な行為とみなされる。良識ある日本人なら落選した候補者を貶めるような言動は避ける。ところが、蓮舫氏に対する批判は未だに続いている。

正直言えば、これは蓮舫氏側にも問題がある。素直に敗北を認めて、原因を真摯に探り次に活かすなら分かる。しかし、この方自分の、自分たちの誤りを認められず、他者に責任を転嫁する。昔から攻撃的というか、攻撃は最大の防御だと考えている節があったがこれはヒドイ。

特に蓮舫氏嫌いでなくても、この敗北を認めるよりも他者に責任を転嫁する姿勢に醜悪さを感じるのは、普通の日本人の普通の感性でしょう。だから落選後もバッシングされるというおかしな事態に陥った。黙って敗北を認めていれば、叩かれないものです。ちなみに2位になった石丸とかいう人も同様にバッシングされていますから、女性蔑視ではないでしょう。

これは蓮舫氏個人だけでなく、その支援者である市民連合や共産党、立憲民主党も実は同じ。決して自らの誤りを認めず、社会が悪い、政治が悪いと責任転嫁する。だから万年野党、万年少数派なのですよ。

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