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ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

ウニにシャワーを

2025-04-07 12:41:28 | 健康・病気・薬・食事

本当の意味でお寿司を好きになったのは十代後半からだ。

今でこそ大好物のお寿司だが、年齢によりその好きの中身がだいぶ違っていた。幼い頃は、とにかくワサビがダメで、ワサビ抜きでないと食べられなかった。しかも、マグロよりも卵、あるいは稲荷鮨とか河童巻きが好きだった。

やがてワサビを醤油で洗い落とす知恵を覚えてからは、一通り食べるようになるが、やはり好きなのは卵である。それが変ったのは高校生になり酒の味を覚えてからだ。下北沢のパチンコ屋で大勝した時に、居酒屋で刺身の盛り合わせを頼み、酒を飲みながら食べるようになると、もうワサビがない鮨では満足できなかった。

ただ高校生の頃は、まだウニはあまり美味しいとは思わなかった。だが大学生になり父に寿司屋に連れていかれて食べたバフンウニには仰天した。鮮度が良かったせいもあるが、濃厚なチーズのような、それでいて磯の匂いが感じられるウニの軍艦巻きは別世界の味だった。

以来、時たまウニを食べたくてどうしようもない飢餓状態に陥ることが生じる羽目に陥った。ウニ、とにかくウニが食べたい。頭の中はウニのことで一杯である。それも回転ずしのお安い奴ではダメで、本格的なウニでないと満足できなかった。妙な舌の肥え方をしてしまったと後悔したが、感性の問題なので是正する気にもなれなかった。

でも、幸か不幸か20代前半で難病に罹患し、緩やかな塩分制限を受けるようになると熱烈なウニ食べたい病は影を潜めた。当時は無職だったので、これは財布に優しい結果となった。ただ、それでもウニを食べるなら、美味しい奴が良いとの想いは変わらない。

税理士として働くようになると、ウニにもいろいろあり、旬の時期、産地の違いによりだいぶ味わいが違うことを学んだ。私はバフンウニが一番だと思っていたが、銀座・寿司岩で食べた赤ウニも絶品であった。もちろん、エゾバフンウニだって美味しいが、春から夏にかけてのムラサキウニも美味しい。正直、どれが一番だと決めるのが辛いくらいだ。

だが、近年温暖化の影響か日本沿岸のサンゴ礁の磯焼け(白色化現象)が問題になってきた。関東近辺だとムラサキウニがサンゴを食い荒らすと言われている。ところが、このムラサキウニは捕まえても中身がスカスカで食用には適さない。

そこでキャベツを与えて実を増やす実験がされたが、キャベツだと磯の風味がない甘いだけの実になってしまうと判明した。やはり海藻を食べてこそらしい。ところが、ここで諦めないのが日本人の凄いところ。

以前から魚の養殖にシャワーヘッドを使ってファインバブル(微小な泡)を使うと、魚が大きく育つことは知られていたが、この技術をムラサキウニにも転用可能だと分かった。シャワーヘッドから出る微小な泡に含まれる酸素が、ウニの実を増やすことが某研究機関で判明したという。

まだ十分な量とはいえないが、痩せて廃棄処分しかないと思われていたサンゴ礁の敵でもあるムラサキウニの養殖の可能性が高まったことは嬉しいニュースである。

しかし、まぁ、日本人って食いしん坊だね。

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因果応報

2025-02-14 12:30:44 | 健康・病気・薬・食事

代償は重かった。

私がこの30年、苦労しているのは鈍い知能でもなく、衰退する一方の体力でもない。免疫機能の低下、その一言に尽きる。もちろん心臓は問題ばかりではあるが、これは子供の頃から云われていたことで、ある程度覚悟はしていた。実際、私は心不全で死ぬと思い込んでいたぐらいだ。

しかし20代の時に罹患した難病の治療に多用したステロイド剤の副作用には、ほとほと困っている。ステロイド剤は「天使の秘薬、悪魔の媚薬」の呼び名があるように劇的な効能を持つ一方、その副作用もかなり重い。

その薬を10年以上服用していたのだから、私もある程度覚悟はしていた。その副作用の一つに、脂肪肝がある。肝臓のまわりに脂肪が溜まって肝機能に負担を与えてしまう。肝臓は沈黙の臓器と呼ばれるが、異常が生じても表に出にくい。いや、出てしまう頃には重篤な結果となっている。

私の場合、肝臓に腫瘍が生じたことが発覚したのは10年以上前だ。これは予想の範囲内ではあり、内視鏡手術で対処している。ただ超音波検査ではあることが分かるが、内視鏡で見つけられなかったごく小さい腫瘍が一つ残っている。

そのため年に3回は造影剤を使ったCT検査を続けて監視している。今のところ大丈夫だと専門医から云われているが、検査を止めることは出来ない。一方、今回の39度超えの発熱を伴った風邪は、白血球の減少が大きく影響しているらしい。

大学病院の血液内科でも随分と調べてもらったが、やはり肝機能の低下が原因らしい。これも入り口はステロイド剤の副作用から生じたものなので、つくづく強い薬には強い副作用があるものだと痛感している。

まぁそれでも私は生きているし、同年代の友人が退職して第二の人生を歩みだしていることを思うと、そうそう我儘も言えまい。なにせ10年前よりも収入は倍増しているのだから、そう悪いものでもない。ただ体力が落ちてきているのに、倍の仕事量をこなさねばならないのがキツイ。

でも、このキツサがあるからこそ気力を振り絞れる訳で、ナマケモノの私には相応しいのかもしれない。でも70前には引退したいとの思いは本気ですけどね。

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銀鱈

2024-11-15 09:31:50 | 健康・病気・薬・食事

好きな魚の一つに銀鱈がある。

銀座で働いていた頃は、事務所近辺の割烹料理屋に行けば、銀鱈の煮付けは定番料理であった。もっとも銀鱈という魚はタラ科ではなく、アイナメやホッケに近い種で学術的にはカサゴ目ギンダラ科に属する。

さすがにカサゴ目だけあって、肉質は白身で美味。しかもタラとは異なり脂がのっているので、甘みがある。味噌を塗った西京焼きもいいが、私は煮付けが好き。加熱しても硬くならない銀鱈は、タラよりも素人には調理しやすい。だからけっこう家でも作っていました。

ところが人気が出てきたせいで品薄。そこで似た味わいのマジェランアイナメ(別名メロ)が代用品として市場に出回ってしまい、消費者庁から苦情が出る始末。主観的というか直感的に、マジェランアイナメやメロと呼ばれるといささか食べる気が薄れるのは私だけかな。

いや、多分けっこういると思う。なので最近は魚料理が自慢の割烹料理屋でも、銀鱈の煮付けはあまり出ない。ここで白状すると、私はメロと銀鱈の区別がつかない。どちらも少し甘みがある白身の魚であり、煮付けになるとさっぱり区別がつかない。

ある意味、当然である。メロも銀鱈も深海魚であり、肉食なので肉質が同じなのも自然の道理である。ただ銀鱈が成長しても最大1メートル程度なのに対して、最大2メートルにもなるメロは可食部分が多い。たしかフィッシュバーガーにも使われているはずだ。

フィッシュバーガーは定番の人気商品なので、大手が原材料を買い付けてしまう。そのせいかこの二年ほど銀鱈の煮付けを食べていない。銀座にいた頃、よく通っていた割烹料理屋は大半がコロナ禍で閉店している。神田にも魚料理を出す店はけっこうあるが、何故だか銀鱈の煮付けはメニューに上がらない。

仕方なく自分で作るのだが、肝心の銀鱈が手に入らない。入荷がないのではなく、私が買い物に行く時間が遅い(夜9時前後)ため、既に売り切れなのだ。真鱈は残っているのだが、これは西京焼きのほうが美味しい。あるいは鍋にするかであり、銀鱈の煮付けとは異なる。

たしか駿河湾界隈でも採れるはずなので、清水市や西伊豆に行けば食べられる気がする。でも車がないと厳しい。近くの料理屋に出ないかと銀鱈を求めてウロウロしている今日この頃です。

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鮎の塩焼き

2024-08-05 12:50:50 | 健康・病気・薬・食事

私が唯一、頭から尻尾まで食べる魚、それが鮎だ。

世の中には器用な御仁がおり、鮎の骨抜きなんて手技もある。だが敢えて断言する、鮎は骨ごと食え。頭から尻尾まで食べてこその鮎だ。出されたお皿には、骨も皮も残してはいけない。

季節と値段の問題はあるが、出来たら天然ものがベスト。私は子供の頃、祖母に天然物の鮎の塩焼きを教わり、以来ほぼ取り付かれている。ちなみに天然ものは初夏がベストだ。食通の方に言わせると、刺身がベストとか天婦羅がベストとか言われるが、私は黙って塩焼きを頭からガブリと食べる。これが一番幸せだぁ。

まぁ実を言えば天然物の鮎を食べるのは贅沢だと思っている。養殖ものだって香りが薄いだけで不味い訳ではない。基本、なんでも食べる食いしん坊なので、淡白な白身の美味しい鮎は何時だって食べたい。だから全体からすると、養殖もののほうが多く食べている。

この時期は法人決算の主だったところの業務を終えて慰労会やら、決算報告会の後の会食が何件かあるので許される贅沢である。猛暑で食欲が落ち勝ちですが、鮎の塩焼きを食べると元気でますよ。

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ビワの中毒

2024-07-09 09:12:05 | 健康・病気・薬・食事

なんか気になる。

山梨県の富士吉田市の学校給食で出されたビワが原因で、小中学校の生徒126人が中毒を起こしたと報じられた。

たしかにビワはリンゴや桃と同じくらいで、一定数のアレルギー反応を引き起こすことで知られている。だが割と珍しく、まさかビワがと驚いた方も多いと思う。

私が子供の頃に住んでいた借家の庭にはビワがあり、夏ごろになると熟したビワを食べていた。この熟した時の見極めが難しく、早過ぎると不味い。その点、野鳥は凄い。一番美味しい時を見極めてビワを食べにくる。だから夏が近づくと、毎朝鳥に食われていないかを確認するのが日課だった。

もっとも、ほとんどの場合鳥の勝利で、私らが食べられるのは全体の三分の一程度であった。もちろん熟しているので大変に美味しいし、アレルギーも出なかった。ただ親から種は絶対に食べるなと教わった。種の部分にアレルゲン物質が多いと知ったのは大人になってからだ。

ところで、今回の126人のビワ中毒を出したとのことだが、一番に思ったのは多すぎないかということ。

ビワによるアレルギー反応は確かにあるが、かなりの少数派だ。リンゴや桃と同じ、もしくはそれよりも珍しいと思う。まさかとは思うけど、もしかして農薬じゃないのか。ビワのアレルギーなんてめったにないぞ。

もちろん明白な根拠なんてない。むしろ私の学校不信、マスコミ不信が度を過ぎている可能性のほうが高いのですけどね。

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