不思議なもので、何時の間にやら親父に似てきた気がする。
親父は仕事が出来る人間だと思う。ただし組織のなかで出世するタイプではなく、そのせいか何度も転職している。具体的な数字は知らないが、相当に稼いでいたと思う。そうでなければ、十数台の外車を乗り継ぐなんて出来ないと思うからだ。
ある会社では専務までいったこともあるようだが、社内での出世は苦手だったと思う。仕事に偏りすぎで、しかも自分のやり方に固執するから、随分と損をしていると憶測できる。正直、不器用というより、むしろヒネクレ者だと思う。でも、間違いなく確信犯だ。
親父と暮らしたのは、7歳くらいまでなのだが、なぜか不思議と似てきた。外見が似るのは分かるが、なぜに生き方まで似るかな?
私も相当にヒネクレていると思う。勉強する気がなかった中1、中2の頃は学年で下から10番以内に入る落ちこぼれだったので、高校では一変して優等生を目指していた。成績はほとんど五段階評価だと5か4だった。どの科目も満遍なく勉強したし、人一倍勉強したから当然だと思う。
ただ体育は3だった。運動は好きだったが、特に運動能力に秀でていたわけではないから納得の成績だった。ただし、一回だけ赤点である1をつけられた事がある。体育の担当で、担任でもあるA先生は、ぬけぬけと言いやがった。「お前には、敢えて赤点をつけてやった」だと。
そりゃ、随分とA先生の体育をさぼったことは事実だ。大概が地元のパチンコ屋でモーニング台(勝率高し!)をやっていたせいだが、それでも出席日数は足りていたはずだ。事務室に何度も確認したから間違いはない。嫌いな教師ではあったが、最低限の礼儀は守ったはずだ。それなのに赤点を付ける仕打ちは、非常に腹が立った。
だから、A先生が望んでいた共通一次試験は、思いっきり手を抜いた。多分本気で勉強していたら、もっといい点が取れたと思う。でも、A先生を喜ばすような真似は絶対にしたくなかった。別に私立志望というわけでもなかったが、A先生の期待に背くことだから、断固として私立志望に切り替えた。(高一の頃は、国立志望だったけどさ・・・)
大学受検という人生の岐路の選択に、随分と愚かしいことをした気もするが、率直に言って、まったく後悔していない。大学では楽しい4年間を過ごせたし、当時の仲間とは今も仲が良い。傍から見れば、馬鹿なヒネクレ者だとは思うが、自ら納得の選択なのだ。
いいか悪いかは知らないが、こんな愚かな選択もあっていいと思う。それが人生ってものだ。それゆえ、表題の作品の主人公の気持ちがよく分かる。誰だって、自分の心のなかに大切な理念って奴があるものだ。それを傷つけられたら、相応の報いをなさねばならない。それが自分に誠実であるってことだと思う。
親父は仕事が出来る人間だと思う。ただし組織のなかで出世するタイプではなく、そのせいか何度も転職している。具体的な数字は知らないが、相当に稼いでいたと思う。そうでなければ、十数台の外車を乗り継ぐなんて出来ないと思うからだ。
ある会社では専務までいったこともあるようだが、社内での出世は苦手だったと思う。仕事に偏りすぎで、しかも自分のやり方に固執するから、随分と損をしていると憶測できる。正直、不器用というより、むしろヒネクレ者だと思う。でも、間違いなく確信犯だ。
親父と暮らしたのは、7歳くらいまでなのだが、なぜか不思議と似てきた。外見が似るのは分かるが、なぜに生き方まで似るかな?
私も相当にヒネクレていると思う。勉強する気がなかった中1、中2の頃は学年で下から10番以内に入る落ちこぼれだったので、高校では一変して優等生を目指していた。成績はほとんど五段階評価だと5か4だった。どの科目も満遍なく勉強したし、人一倍勉強したから当然だと思う。
ただ体育は3だった。運動は好きだったが、特に運動能力に秀でていたわけではないから納得の成績だった。ただし、一回だけ赤点である1をつけられた事がある。体育の担当で、担任でもあるA先生は、ぬけぬけと言いやがった。「お前には、敢えて赤点をつけてやった」だと。
そりゃ、随分とA先生の体育をさぼったことは事実だ。大概が地元のパチンコ屋でモーニング台(勝率高し!)をやっていたせいだが、それでも出席日数は足りていたはずだ。事務室に何度も確認したから間違いはない。嫌いな教師ではあったが、最低限の礼儀は守ったはずだ。それなのに赤点を付ける仕打ちは、非常に腹が立った。
だから、A先生が望んでいた共通一次試験は、思いっきり手を抜いた。多分本気で勉強していたら、もっといい点が取れたと思う。でも、A先生を喜ばすような真似は絶対にしたくなかった。別に私立志望というわけでもなかったが、A先生の期待に背くことだから、断固として私立志望に切り替えた。(高一の頃は、国立志望だったけどさ・・・)
大学受検という人生の岐路の選択に、随分と愚かしいことをした気もするが、率直に言って、まったく後悔していない。大学では楽しい4年間を過ごせたし、当時の仲間とは今も仲が良い。傍から見れば、馬鹿なヒネクレ者だとは思うが、自ら納得の選択なのだ。
いいか悪いかは知らないが、こんな愚かな選択もあっていいと思う。それが人生ってものだ。それゆえ、表題の作品の主人公の気持ちがよく分かる。誰だって、自分の心のなかに大切な理念って奴があるものだ。それを傷つけられたら、相応の報いをなさねばならない。それが自分に誠実であるってことだと思う。