ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

今年を振り返って

2020-12-31 13:11:00 | 日記
コロナ元年。

そう言わざるを得ないのが、なんとも悔しい。政府もマスコミも口を濁すけど、この新型コロナウィルスの流行は、終息まで数年かかるだろう。これほど性質の悪い感染力を持ったウィルス性疾患は珍しい。

人類の歴史は、病気との闘いでもあったから、これは致し方ない天災なのだと諦めるしかあるまいと諦念している。

私も今年は旅行らしい旅行はなく、もっぱら家と職場にこもることが多かった。読書三昧と言いたいところだが、本屋は休み、古本屋巡りはほぼ断念で、図書館にも通わずなので、家の本棚を漁っての再読が多かった。

一昨年以来の悩みの種である目の疾患のほうは、ほぼ治療を終えている。しかし、まだ眩しい光は苦手なので、映画館には二年近く足を運んでいない。密を避ける意味でも、行きずらいのが実情でもある。

なんとも活気のない一年であったと思うが、良くも悪くも落ち着いた一年であり、沈思黙考には最適な年であったと前向きに捉える様にしている。実際、いろいろと考えることの多い一年でもあったからだ。

再読が多かったと書いたが、部屋の片隅を占めている未読山脈の開拓もコツコツとやっていた。そんな中で、一番記憶に残ったのは「熊と踊れ」アンディシュ・ルースルンドであった。犯罪者を主人公にすると、全体が陰湿なものになることが多い。でも、この作品は若さと未熟さからくる妙な明るさがあって、爽快に読み終えた。前後編で1000頁を超える大作だが、少し驚くほど短時間で読み切れた快作だと思う。


国産ならば「疑心」今野敏も良かった。読後のそう快感から、すぐに再読したくなったほどである。エリート警察官僚などという、私が毛嫌いしかねない堅物を主人公にもってきながら、気に入ってしまうのだから、これはたいしたものだと思っている。


そして遂に私は決断した。この30年ちかく愛読してきた田中芳樹からの決別を。その原因は「アルスラーン戦記」である。一昨年に完結し、今年になり渋々手を出したのだが、近年稀にみる駄作であった。もう、これは決定的といってよい。エンターテイメント作家としての田中芳樹は死んだ。もう私は手にするこ

とはない。前半、特に7巻くらいまでは傑作なのですが、最後があれでは、もう救いようがないです。今年、最も哀しい再読でした。

さて漫画であるが、これはどうしようもなく見事に完結した「鬼滅の刃」吾峠呼世春であろう。最後、いささか駆け足気味であったが、読者が嬉しいハッピーエンドを決めてくれたことに感謝。映画「無限列車」は観てないが、日本映画史に残る大ヒット確定だそうだ。でも、私としては是非とも原作の漫画を手に取って欲しい。


なお、今年も書きます。こら!冨樫!いい加減に仕事しろ。私は「HUNTER×HUNTER」の続編がどうしても読みたい。必ずや来年は連載を再開するのだぞ。ね、お願いです。


映画はCS放送でしか観てません。だから今年はなし。でも来年は映画館へ行きたいです。コロナさえ終息すれば、今すぐにも行きたいのですがね。

さて、今年もあと数時間で終わります。私は毎年の恒例行事である閉店間際のデパ地下巡りに出陣です。どこも三が日はお休みみたいですから、投げ売りに期待しちゃいます。まァ実際は手堅い値引きが精々でしょう。

皆様におかれましては、良いお年をどうぞ。

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常識ではあり得ない中国の裏側 陳破空

2020-12-30 14:11:00 | 
一千年以上、日本はシナの帝国を文明の規範としてきた。

ただ、100%受け入れたのではなく、日本の精神風土に適合すると判断したものを選別してきたからこそ、隣の半島国家とは異なる社会となった。

私はその選別を決断した祖先を敬いたいと思う。

同時に肝に銘じて気を付けねばならぬとも思っている。如何に日本の文明にシナの影響があろうと、やはりシナと日本は違う。そのことを痛感したのが、表題の書を読んだ時だ。

例えば孫文。日本では英雄的な扱いをされることが多い人物だが、シナ人の見方は違う。というか、ここまで辛辣な孫文評は初めて読んだ。

他にも、個々に日本とシナとの違いを具体的に列挙してある。現在のシナ、過去のシナに対する見方が、日本とはかくも違うのかと驚嘆した内容でした。

シナに関してはマスコミの報道があまり中てになりません。これは理想像としてのシナと、敵対する対象としてのシナが混在してイメージされているからだと思います。

時には虚心に、シナの方々の意見に耳を傾ける必要があると思いました。なお、読後感ですが、著者の想いとは裏腹に、私はシナには民主主義は似合わないと考えています。多分、独裁のほうが幸せなのだと推測しています。

なぜなら、世の中が悪ければ独裁者の罪で済ませられますから。

日本のような民主主義社会では、世の中が悪いには、治世者を選んだ有権者たる国民の責任です。同時に馬鹿な野党しか存在しないのも、愚かな国民の選択だと自覚せざる得ないから。

同時に馬鹿なマスコミが多いのは、それを喜ぶ馬鹿な国民が多いからなのでしょう。広い意味で、私もその一人なんですけどね。
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一人パフェ

2020-12-28 12:20:00 | 健康・病気・薬・食事
密かな楽しみを奪われてしまった。

甘党の私は、時たまどうしてもパフェが食べたくなることがある。普段はまったく食べないパフェであるが、ストレスなどが溜まったりして、心がささくれているときの治療薬としてパフェが必要になる。

子供の頃から甘いもの好きではあったが、特段パフェに拘ってはいなかった。そんな私がパフェにはまったのは大学生の時だ。部活が終わった後、腹を空かした大学生が、なぜだか夕食の前にパフェを7人で食べまくっていた。

7人の同期のうち一人が女性だったので、一応彼女の嗜好を優先したことになっていたが、本音は甘くて冷たいものが食べたいだったと思う。

先輩や後輩からも奇異の目で見られていた気もするが、パフェの魅力には勝てなかった。ちなみにパフェの後は飲みに行ったり、帰宅したりとバラバラだったから、やはり部活のトレの後のストレス解消としてパフェが必要だったのかもしれない。

ちなみに当時の部活のトレは、私語厳禁、笑うの禁止で、水も飲めない鬼のシゴキだった。それを平然と受けてはいたが、やはりストレスが溜まっていたのだと思う。

私は社会人になってまもなく難病による闘病生活に入り、パフェと縁遠くなった。ただ10年後、再び働き出すとパフェが必要になった。仕事でストレスが溜まると、一人でパフェを食べる妙な性癖がついたのだ。

そんな私が愛用したのが、銀座7丁目にあるアマンドであった。六本木店が有名だが、銀座店だって半世紀を超える老舗である。ネクタイ締めたおっさんが、一人でパフェなんてと思われるかもしれないが、実はよく店内を見渡すと私のようなパフェ愛好家と思われる一人おじさんをしばしば見かけた。

アマンド銀座店は、出勤前のホステスさんや、有閑夫人などが通う店ではあるが、案外と男性の一人客も少なくない。ケーキ派、パフェ派に分かれることが多いが、愛好家同士であっても常に距離を保ち、目配せで挨拶する程度の連帯感はあったと思っている。

その聖地が閉店となってしまった。私は新型コロナウィルスが憎くて仕方ない。私の憩いの場を返せと言いたい。なかなか無いのだぞ、中高年男性が一人でパフェを楽しめる店ってさ。

あな悔し。

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バラムツ

2020-12-25 13:44:00 | 日記
先日、ある土建業界の親方と久々に会い、そこでの雑談で聞いた話である。その親方は若い衆を使いこなすのが上手いとの評判であった。

いかにもヤンキー上がりといった風情の親方は、私のみるところ褒めるのが上手い。この業界に限らないが、社会人になりたての若いもんを育て上げるのは難しい。今どきの若い子は叱られ馴れていないので、昔風のシゴキは通じない。

この親方は、見た目が浮「。夜の道で出会ったら思わず避けたくなるタイプである。だが非常にまめな方で、まず自分から動く。やってみせ、やらせてみて、一緒にやって育て上げる手腕が買われて、若くして独立した親方である。

私にこの親方を紹介してくれた土建会社の社長さんは、自慢げに「うちで一番の成長株だ」と褒めていた。「ただ、一点だけ欠点があるんだよなァ」とぼやくと、若い親方が「いや~、あれだけは勘弁です」と苦笑している。

私がその欠点って何ですかと問うと、「こいつ、釣りキチなんだよ」とあきらめ顔で嘆いている。その傍らで巨体をすぼめている親方がおかしい。そこで釣りの話をふってみると、途端に笑顔になり語る、語る。この人、本当に釣りが好きみたいだ。

仕事熱心で土建会社の社員であった時は、皆勤賞どころか土日で用がなくても会社に出てくる仕事中毒であったそうだ。ところが社長に誘われて、海釣りを覚えると、はまるはまる。「釣りキチ日記」の浜ちゃんそのままである。

社長もかなりの釣り好きではあるが「こいつはキチの領域だぞ」と呆れるほどの釣りキチだそうだ。でも仕事はきっちりかっきりやる職人である。社長が可愛がるのも無理はない。

そんな彼がある日、紙おむつを身に着けて出勤したことがある。なんでも、お尻から液体が漏れて止まらないので、仕方なく高齢者用の紙おむつを着けて、仕事に来たらしい。

よくまあ、あの大柄な体に合った紙おむつがあるものだと皆呆れたが、体調は悪くなく、腹も痛くないとのこと。社員一同呆れたが、時々トイレに駆け込んで、オムツを交換しながら仕事をこなしていたらしい。

そこへ得意先回りから戻った社長がやってきて「お前、まさか、あれ食べたのか?」と問うと、「すいません、我慢できずに食べちゃいました・・・」

大きなため息付いた社長さん「お前、もう帰れ。治るまで仕事禁止」と言い渡し、無理やり寮へ帰宅させたそうだ。かなり抵抗したが、社長が「オムツつけた社員に仕事させたなんて噂が出回っては困る」との一言で諦めたそうだ。

他の社員が、いったい何を食べたのですかと社長に問うと、苦虫潰した顔つきの社長が一言「バラムツ」だ。やはり釣りをする古参の社員が、やっちまったかと嘆いた。

バラムツという魚の名を聞いたのは、私も初めてだ。

詳しく訊くと、ある理由から市場には出回らない、いや禁止されている深海魚だそうだ。普段は海底500メートルくらいに棲息しているが、夜半になると捕食のために100メートルほどの浅い海底にあがってくる。

この魚、釣りの対象としては非常に面白いらしい。かなり暴れるので、釣り甲斐がある魚であるようで、一部の好事家には人気がある。しかし、この魚が市場に出回らないのには理由がある。

この魚、脂身が豊富でマグロのトロよりも濃厚な味が特徴なのだが、その脂が大問題。非常に美味しい脂身ではあるが、その脂は人間には消化できない。だから刺身なので食べると、脂が消化されずにお尻から、タラ~っと漏れてしまうのだ。

彼が紙オムツをしていたのは、その脂漏れのためであった。普通は釣り船の船長が止めるはずなのだが、その晩の夜釣りは、社長の持ち船でやったので、社長か警告したのを無視したらしい。

後で聞いたら、社長も二キレほど船上で刺身にして食べたそうだ。少量ならば液漏れもないらしいが、悪戦苦闘の末に釣り上げ、しかも美味なる刺身を少しだけ食べてしまったら我慢できずに持ち帰って、さらに食べてしまったそうだ。

その場で廃棄させなかった俺のミスだと社長は嘆いていたが、マグロのトロよりも美味だと聞くと、私でもちょっとだけなら試してみたい気がする。でも、人前でオムツを履くのは嫌なので、食べませんけどね。


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塩麹ャgフ

2020-12-24 11:49:00 | 健康・病気・薬・食事
思わず笑ってしまうほど美味しかった。

ユーチューブに、我が国のフランス料理界の重鎮である三国シェフの番組がある。家庭でも簡単に出来るフレンチのレシピを公開していて、私も時折参考にしている。でも自分で作るには少々ハードルが高い。

しかし、今回のャgフはまさに煮込むだけで出来るので、さっそく先週末にやってみた。正直に言うと、すごく楽しみだった。だって、きっと美味しいはずだから。

まず下準備として豚バラに塩麹を塗りたくる。三國シェフは豚バラブロックを使っていたが、少し量が多過ぎると思い、カレー・シチュー用の豚バラで代用。表面にむらなく塗る程度でラップにくるんで2時間放置。

次に野菜を準備。玉ねぎは根元を残して4分割。根元を残すのはバラけるのを防ぐため。人参は分厚くきざむ。ジャガイモはこぶりの奴を丸ごと。これの皮むきが一番面唐セった。

ラップをはずしてホウロウ鍋にいれ、野菜とブーケガルニを一枚、太めのソーセージを二本追加して、ひたひたに水を注ぎ強火で加熱。すると灰汁が出るので、これを丁寧に除く。弱火にして一時間強。

これで完成である。私的には最高点を付けたいくらいに上手く出来た。敢えて反省点を挙げるとしたら、ジャガイモは後から追加して煮込んだほうがいい。一時間強も煮込むと、ほろほろに煮崩れてしまうから。

私は寒くなるとャ^ージュやャgフを作るが、一番悩むのが塩加減。元々減塩を考えて、自分で作るようになったので、なるべく塩は減らしたい。しかし、スープ系の味の秘訣は、やはり塩だと思う。これが一番難しい。私は胡椒で誤魔化すようにしているが、それでも塩加減が味を決めることは痛感している。

その点、このャgフは豚バラの表面に塩麹を薄く塗るだけ。それ以外、調味料はいっさいなし。胡椒は最後まで迷ったが、使わずに済ませた。で、結果は大正解であった。ただ煮込むだけなのだが、これほど美味しくなるとは思わなかった。

余談だが、若き日の三國シェフをスイスの大使館付のコックとして大抜擢した帝国ホテルの村上総料理長は、その根拠として三國シェフの塩振りの上手さを挙げている。やはり塩の使い方は難しいのだと実感した。

これまで魚に使うことが大半だった塩麹。使い方次第で料理の幅が拡がるようです。いろいろ、試してみたいですね。

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