ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

内田選手の引退

2020-08-31 11:50:00 | スポーツ
内田篤人選手がついに引退した。

鹿島アントラーズの選手で、右サイドバックとして活躍。日本代表にも選出され、アジア予選、本大会でも活躍し、その実績が認められてドイツ・ブンデスリーガのシャルケに移籍して活躍。

シャルケでは初め線の細さから苦労したが、慣れるとレギュラーとして定着し、ブンデスリーガでも屈指の右サイドバックであった。ただ残念ながら膝の故障からの回復が思わしくなかった。

シャルケでは将来のコーチ候補とまで言われ、首脳陣からもファンからも愛されたが、日本に帰国して最後は古巣アントラーズで現役生活に終止符を打った。

痩身の甘いマスクから、日本代表でも屈指の女性ファンの多さで知られるが、当人はあまり関心がなく、ただひたすらにサッカー小僧であり続けた。ちなみに奥様は小学校の同級生である。

身体の線が細いだけでなく、身長も高くないことから当初私はその実力を疑問視していた。しかし、サッカー関係者の評価は違った。頭の良い選手であった。特に前線に飛び出す時と、守備の時の反則覚悟のタックルには定評があったようだ。

この夏は私も自宅でのんびりと時間を過ごすことが多かったので、サッカー関係のユーチューブをかなり視ていた。内田選手の試合もよく視たが、たしかに頭の良い選手だと思った。

長身で屈強な選手が多いドイツのブンデスリーガであるが、内田選手はその小柄な体躯ながらスペースに飛び出すタイミングが良いことが良く分かった。守備の時も、大柄な相手選手の圧力を上手に躱し、巧みにボールをコントロールする様子は現地の目の肥えたファンからも高く評価されていた。

線が細いと思っていたが、脱ぐと筋肉が十分に引き締まった強固な体躯に成長していた。顔が甘い二枚目なので見落としがちだが、首の太さというか筋肉の付具合もアントラーズ時代とは一線を画していた。

日本代表では、左の長友、右の内田が不動のサイドバックであったので、その後を継ぐ選手は出番を得るのに苦労していた。幸い右は内田の故障離脱後、酒井宏樹という長身のサイドバックが実力でャWションを獲得し、先のロシア・ワールド杯で見事な活躍を見せたのは記憶に新しいところである。

私はどちらが右サイドバックとして優秀かという視点で、いくつかの試合を観ていた。あくまで素人の視点ではあるが、攻撃ならば内田、守備ならば酒井かなと思っている。長身の酒井はフランスのリーグ1で活躍しているだけあって、大柄な外国人選手に負けない強さがある。

一方、小柄ではあるが俊敏性に勝る内田は、屈強で長身の敵DFの間を素早く駆け回りチャンスメイクをする賢さが印象的であった。180を超える長身のSBは、日本では稀有な存在なので、酒井はむしろ例外的な存在だと思う。

その点、小柄な内田選手は多くの日本の若手の参考になると思う。

その内田選手が引退の時の記者会見で、ヨーロッパのチャンピオンリーグとJリーグを比べて、まるで別世界だと述べていたのが記憶に残った。ロシア・ワールド杯で世界を驚かせる活躍をみせた日本代表であるが、まだまだ世界との差は大きいことを彼は実感していたのだろう。

今年は碌に日本代表の試合を組めないだけに、余計に彼の言葉が気になるのです。間違っても、日本代表が世界で活躍するのは当然だと思わないで欲しいです。

誰に言っているのかって? そりゃマスコミ様ですよ、ホントいい加減な記事が多いからね。

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黒い海流 ハモンド・イネス

2020-08-28 17:51:00 | 
久々に駄作だと断言できる。

作者は「メリーディア号の遭難」など海洋冒険小説の世界では、それなりに評価の高い作家なのです。しかし、表題の作品はいけません。

私は夏休みのお楽しみとして、じっくり楽しむつもりでした。でも、結果的にダラダラと惰性で読み続ける羽目に陥っただけ。こりゃ、あんまりだ。

駄作となった原因は分かっている。それは環境問題である。海洋汚染に怒るのは分かるが、それを作品に無理くり詰め込んだ感が否めない。

だから主テーマがぼやけてしまい、冒険小説としての面白さを大いに減じる結果となっている。

環境汚染とか動物愛護とかの主観的正義を主題に取り上げると、冒険小説は駄作となると断言したい。理由は簡単で、そもそも動物愛護も環境汚染も人類が巻き起こした悲劇であるからして、エンターテイメントすなわち娯楽小説とは相反するからだ。

ただでさえ暑苦しい夏なのに、余計に暑苦しく感じてしまう読書でした。あァ無念。
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暑い時に飲むもの

2020-08-27 11:57:00 | 健康・病気・薬・食事
暑いからこそ、冷たい水が美味しい。

毎日、人間の平均体温を上回る酷暑が続いています。東京でも昼間は37度であり、外に出るとモアッと熱風を肌に感じる厭らしい暑さです。特に都心の場合、オフィスビルの空調機から排出される熱気が非常に不愉快です。

だから毎年、この時期になると帰宅時間が遅くなる。少しでも涼しく、いや暑さが緩和された時間に帰宅したい。子供の頃は、夕立という天の配剤があったものだが、最近は夕立は滅多にない。

あるとしたら凄まじい集中豪雨である。道路は冠水し、電車は止まる。気温は下がるが、湿度が高いままなので、決して快適とは言いかねる。

こんな時は、冷たい清涼飲料が美味しいのだが、あれは要は砂糖水なので、決して健康には良くない。ビールなどは、油っぽい肴が欲しくなるので、あまり好ましくない。やはりこんな時は麦茶やウーロン茶に限る。でも甘味が欲しくなるのが難点だ。

その点、水は良い。不思議と甘いものも、辛いものも欲しくなることはない。ただ、水自体には事。はない。そこが物足りない。

そこで私がやっているのが、半氷結水。

別に難しいことではありません。500mlのペットボトルに半分ほど水道水を入れて、冷凍庫に入れておくだけ。1時間程度で表層部分だけ凍ります。これが美味しい。

水って、氷る直前くらいまで冷えると、舌が味を判別できなくなり、冷たい涼感だけが感じ取れます。これが美味しい。

完全に凍らせてはダメ、あくまで半氷結の状態が良いのです。たかが水道水ですけど、キンキンに冷えた状態にすると、下手なミネラルウォーターよりも美味しく感じるから不思議。是非、お試しあれ。
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子犬

2020-08-25 12:49:00 | 日記
はっきり言って、黙っているのが辛かった。

かれこれ十数年前のことだが、とある東京郊外の電車内のことである。私は少し遠方の顧客を訪問しての帰り道のことだ。文庫本を読みながらの呑気に時間を潰していた時のことだ。。

ふと気が付くと、私の傍に女子高生が数人坐っており、おしゃべりに夢中であった。特に盗み聞きする気はなかったが、自然と耳に入り、その内容に唖然とした。

「やばいよぅ、昨日、隣の家で生まれた柴犬の子供が死んじまったよぅ」

「え、なんで? 写メに写っていたあの子犬だよね」

「そうなんだよ、あんまり可愛いから一匹だけ親犬に黙って公園に連れて行って遊んでいただけなんだよ。それなのに気が付いたら冷たくなって死んでたんだよ」

「なに、それ。やばいじゃん」

「やばい、やばい。で、やばいから、親犬が水を飲みにいっている隙に、犬小屋に戻しおいて逃げてきたァ~」

「え~、それってやばい、ばれてない?」

「やーねェ、浮「こと言わないでよ。あたし、何も悪いこと、してないよぅ」

聞いていてムカムカしてきて、思わず叱りつけようとしたけど、涙ぐんでいるところからして、それなりに哀しんでいるようなので止めた。

冷静に考えれば、関係者でもない私に叱られる道理はないだろう。第一、それが事実かどうかも分からない。

ただ、その女子高生らは知らないのであろうことは容易に想像が付く。

子犬は可愛い。それは分かる。遊んでくれる相手に懐き、尻尾フリフリ甘えてくる。連れ出したい気持ちも分らないではない。でも、それは実は危険な行為である。

産まれて間もない子犬は、驚くほど体力がない。おまけに加減を知らない。自制できないから、楽しいと感じると体力の限界まで遊んでしまう。その結果、気が付いたら死んでいる子犬が居る。

母犬が傍にいれば、すぐに気が付いて無理やりに休ませる。だが人間にその限度が分るはずもない。だから生まれて間もない子犬は、母犬から離してはいけない。

もちろん死因が他にある場合もある。いずれにせよ、子犬は生後三か月くらいは母犬の傍におくべきものだ。もっとも現実には、子犬はよく売れるので、一月程度で親犬から離されることも珍しくない。

実際、子犬は些細なことで死ぬことは決して珍しくない。だからその前に売り払うペット業者もいたくらいだ。まして個人宅のペット犬が出産した場合、子犬の危険性を知らない人が飼い主であることも少なくない。

多分、あの女子高生も知らなかったのだろう。少なくとも、あの哀しんで流した涙は本物だと信じたい。

本当のところ、人間の子供だって簡単に死ぬ。人類の歴史の大半に於いて、人間の子供の過半は10歳になる前に死んでいたのが実情であった。だからこそ、昔の女性は多産であった。

日本だって、幼児の生存率が上がったのは明治から大正にかけてであり、昭和40年代ごろまでは兄弟が沢山いる家庭が珍しくなかった。経済の高度成長で、栄養が子供たちにも十分に行き渡り、ワクチン接種などが普及してようやく子供の死亡率が下がったほどだ。

今では一人っ子世帯が一般的だし、子供なんて簡単に死ぬという常識が過去のものとなっている。だから子犬が簡単に死んでしまうことも知らなくても不思議ではない。

社会が豊かになればなるほど、かつての常識が忘れ去られてしまうとは、ある意味皮肉なものだと思います。
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ニャンコ先生友人帳 緑川ゆき

2020-08-24 12:42:00 | 
今回、趣味に走っています。

人気漫画である「夏目友人帳」の主人公・夏目貴志の護衛役であり、ペットでもあるニャンコ先生を愛するファン・ブックである。

知らない方のために簡単に説明しておくと、本来は妖怪のなかでも上位に属する白い狼のような姿をしている。しかし、ちょっと個性的な招き猫の像に封印されていた期間が長かったため、普段はいささか不細工な猫の姿をしている。この方が、夏目の傍に居やすいからでもある。

人よりもはるかに長命であり、かつ妖怪のなかでも上位種であることに自覚があるせいか、案外と高慢であり、夏目に向かって「さっさと死んで、友人帳を私に譲れ」と言い放っている。その癖、直接夏目を殺す気はない。

ただ、他の妖怪が夏目に手を出すのは嫌みたいで、高貴な妖怪としての沽券に係わると思っている。だから夏目が襲われる度に戦い守るのだが、けっこう不満で「この微妙さが分るか!」と夏目に怒っている。夏目貴志は、覚悟もないくせに、妖怪の絡む厄介事に介入する悪癖があることを、けっこう本気でうんざりしているニャンコ先生である。

だが、知らず知らずのうちに、妖怪を必ずしも敵視しない変わり者の貴志を見つめる目が優しくなっていることに、ニャンコ先生は気が付いているのだろうか。

私はニャンコ先生と夏目貴志の、この微妙に変化している関係が面白くて、漫画喫茶でコツコツと読んでいる。そろそろ自宅に買い揃えようか思案中。女性向けの漫画雑誌に連載されているので、立ち読みできないのが一番の不満。

エロ本の立ち読みは出来ても、少女マンガの立ち読みは出来ない、この微妙さが悩ましい。それ故に私はニャンコ先生の不満に妙に共感してしまうのです。

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