ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

U23カタール大会

2024-04-29 13:46:16 | スポーツ

サッカーの世界は意外と変化が激しい。

現在、カタールで行われているU23大会はオリンピック予選を兼ねているせいか、マスコミの注目度も高い。大岩監督率いるU23日本代表チームは、開催国カタールに辛勝して、五輪出場まであと一勝である。

4-2の勝利でなんで辛勝なんだと思われるでしょうが、相手は前半にGKが一発レッドで退場しての10人。それなのに2-2の同点で延長突入、疲労困憊のカタールを突き放しての勝利です。正直かなり情けない勝利と言わざるを得ない。

私が驚いたのは決勝トーナメントの顔ぶれです。Jリーグが始まる前でアジアの大会といえば東アジアは韓国の一強で、西アジアはサウジ、イラン、UAEが常連でした。そこに日本が加わり、更にオーストラリアやウズベキスタンが参戦して激戦となった。

しかし、ワールドカップ大会でのアジア勢の戦績は決して芳しいものではない。辛うじてイラン、韓国そして日本がある程度の戦績を残しているに過ぎない。ただ、FIFAはアジア市場を将来有望なエリアだと認識しており、アジアの枠は4ないし5が確保されていたに過ぎない。正直、欧州や南米に比べて過大評価だと思う。

その認識はアジア・サッカー連盟にもあり、アジア勢の強化を目的としてサウジやカタールにプロリーグを設けたり、Jリーグに東アジア枠を設けてタイやヴェトナムの有望な若手を受け入れてレベルアップを目指した。

その努力の成果がようやく出てきたのが、今回のU23カタール大会ではないだろうか。実際、予選敗退したもののタイの頑張りは凄かったし、予選を突破したインドネシアやヴェトナムは韓国やオーストラリアを破っての大殊勲である。

なんといっても準決勝にサウジも韓国もオーストラリアもいないのだ。いくらU23の大会とはいえ、ここまで面子が変わるとは予想外であった。おまぬけな日本のマスコミはもう五輪出場は決まったようなものだと報じている。

ちなみに日本の次の対戦国は、伝統的に日本が苦手としているイラクです。個々人の選手のテクニックは高く、長身のFWを置いてゴールを狙うだけでなく、ミドルレンジからのシュートも得意としている。ドーハの悲劇は決して偶然ではありません。国際試合の経験値の低い大岩監督にはいささか荷が重い相手です。

決して楽勝な試合にはならないでしょうけど、けっこう面白い試合になると思いますよ。

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F3の輸出

2024-04-26 09:26:58 | 社会・政治・一般

平和を守るとは、紛争解決の手段として武力行使はしないことではない。

日本国憲法は、紛争解決の手段として武力の行使を否定している。だがこの異様な規定、特に第9条は太平洋戦争直後のアメリカ政府の意向を汲んだものだ。アメリカ建国以来、初めて近代兵器をもって戦争を挑み、苦戦し恐怖さえした日本帝国軍の牙を抜くための平和憲法であった。

ところが仇敵として日本を憎み、徹底的に骨抜きにするつもりでGHQの首班として赴任したダグラス・マッカーサーは自分が誤解していたことを実感した。朝鮮半島に敵対的勢力があると、日本列島の安全を守ることが出来ない現実を知ってしまった。すなわち朝鮮戦争である。

だかこそ警察守備隊から格上げして軍隊を作ることを日本政府に命令した。マッカーサーは日本国憲法を軽視していたのではなく、改正すれば良いだけだと考えていた。しかし時の日本国首相であった吉田茂は、疲弊した日本を再建するためアメリカの軍事力を利用し、日本軍は平和憲法を盾に極力抑制する方針を貫いた。

この吉田の低軍事路線は、日本の経済的再建に大いに貢献し、遂には世界第二位の経済大国にまで上り詰めた。一方、軍隊は極めて脆弱で規模が小さいままであった。しかし、溜め込んだ貿易黒字に目を付けたアメリカの軍事産業が、新たな輸出先として金満日本に狙いを付けた。

ここで一度整理しておくと、現在のアメリカには日本に対し軍事面で3っつの考えがある。一つはかつての敵国なのだから、アメリカの軍事的コントロール下に置いておくべきだと考える。もう一つは、もう自立させてアメリカの従属的同盟国として利用すると考える。そして決して大声で語られることはないが、アメリカの潜在的敵国として活用すべきだとする考えだ。

三つ目はまだ少数派なのだが、日本政府が左派勢力に牛耳られシナやロシアと組むことを想定しており、アメリカ国内をまとめるに足り得る十分な敵として切り離すことを考えている。日本には潜在的に独立志向があることをアメリカはしっかりと認識している。日本にとっては最悪、最強、最恐の敵がアメリカである。だからこそ仲良くする必要がある。

そんな馬鹿なと思う人は少なくないだろうが、アメリカは長期的には衰退傾向にある。そう遠くない将来、アメリカは分裂する可能性さえある。そのような状況になったら日本国内の反米自虐勢力が元気づくのは必然であろう。もっとも私の考えでは、日本の方が先に衰退すると思うので、アメリカに反逆する力はないように思う。ただ国内に高度な工業技術があるので、それを狙われるだろうし(今もだが)、敵に渡すぐらいなら破壊してやれとアメリカが考えても不思議ではない。

順番は前後したが、一番目の考えもアメリカ国内にはけっこう根強い。アメリカは最新兵器をよく日本に買わせるが、実はアメリカ軍用のものとはワンランク落ちた性能の兵器を売りつけているのは、知る人ぞ知る事実である。当然ながら原子爆弾や原子力エンジン搭載の軍艦を認める気もない。

そして一番現実的なのは、二番目の考え方だ。実際、イギリスやドイツ、イタリアなどもこの路線でアメリカの世界戦略に活用されている。同じ西側諸国ではあるが、軍事超大国アメリカの前には国家としての矜持を押し殺さざる得ない。だからといって反発心がないわけではない。

その一例だと思われるのが次期戦闘機の共同開発だ。戦闘機の開発で一番難儀なのがエンジンである。西側諸国ではアメリカのGE及びP&Wとイギリスのロールスロイス社の三強がほぼ独占している。だが、最近はロールスロイス社は第六世代にあたる新型エンジンの開発に難航しているらしい。

日本は長年GEやP&Wの下請けとしてエンジン部品を製造してきたが、独自のエンジン開発は遠い目標であった。しかしアメリカ軍の了解のもとF15用のエンジンを単独で請け負ったり、得意の高硬度ブレードタービンなどを製造してきた実績をもとに新型エンジンであるXF9-1の開発に成功した。

それを聞きつけたイギリスのロールスロイス社は戦闘機の共同開発を持ち掛けてきた。さらにイタリアまでもが共同開発への参入を言い出し、三か国での共同開発となったことは既に既報のとおりです。ちなみにアメリカですが表向き反対も賛成もしていませんが、武器制御関連では参画しているので、一応内諾しているのでしょう。

私はF2の頃から日本の単独開発には否定的であったので、日本、イギリス、イタリアの三か国による共同開発には肯定的です。ただし、三か国とも戦闘機の使い方が異なるので、開発が難航することは予測済み。なによりも多額の開発費用を分担できるメリットは大きい。なによりも実戦参加経験が70年以上ない日本にとって今回の共同開発から得られる経験は貴重なものでしょう。

ところがここにきて第六世代の新型戦闘機であるF3について輸出は認めないなどと云いだす輩が出てきた。確かに日本は武器の輸出は認めない間抜けな国家ではある。しかし、これは西側三か国による共同開発である。いずれの国も多額の開発費用を少しでも軽減するため、また製造コストを下げるためにも輸出は必要だと考える。

いくら日本が平和馬鹿とはいえ、世界の常識からかけ離れた馬鹿げた発想にイギリスやイタリアが付き合う気はない。

21世紀の今日でも武器がなければ平和、武器がなければ戦争は起こらないなどと幼稚な考えを振りかざす馬鹿が居ること自体、呆れてものがいえない。

一応書いておくと、アフリカや中央アジア、中南米諸国では日本製のトラックが大人気である。荷台を改装して重機関銃を据え付けて活躍している。故障が少なく、安くて修理も簡便な日本製品は、平和を守る最適な道具として、どこの国でも愛好されている。

日本のように武器がなければ戦争は起こらないなどと馬鹿げた考えを持つ人たちは皆無だ。この現実をいい加減直視して欲しいものだ。日英伊の三か国共同開発の最新戦闘機は、アメリカと友好的な関係とは言いかねる国々にとって期待の兵器である。もちろん値段次第だし、西側もしくは西側寄りに限定されるのは当然だ。

本音は実戦経験豊富なアメリカ製の最新兵器だが、なにかと制約をつけるのが不愉快に思う国々にとっては、平和を守る手段として極めて有望な戦闘機がF3となるでしょう。まだ開発前なので期待し過ぎの感じもありますが、世界平和に貢献する道具としての兵器が世界共通の認識である現実は認めて欲しいものです。

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コラテラル・ダメージ

2024-04-25 11:48:18 | 映画

不思議なのだが、成功作よりも失敗作のほうが記憶に残ることがある。

そんな代表作の一つが2002年公開の「コラテラル・ダメージ」でした。A・シュワルツェネッガーがテロで家族を失った消防士として、役に立たない政府を見切って自ら復讐のために敵地に乗り込むといった映画でした。

正直言えば、筋肉で演技すると云われたシュワルツェネッガーの演技力のなさが際立ってしまったのは否めません。同じ設定ながら「コマンドー」が大ヒットしたのに比べ、この作品が売れなかったのも致し方ないと思います。

でも、よくよく見直すとシュワルツェネッガー君、けっこう努力はしているのです。家族を奪われた中年男性の悲しみや、政府が助けてくれないことへの絶望と、ならば自分でやってやるとのアメリカ的思考を演じようと頑張っている。

でも実は敵役のテロリストも同様の想いを持っており、そちらの俳優の方が冷徹に演じているが故にむしろ相殺されてしまった印象さえある。

筋肉俳優シュワルツェネッガーはその恵まれた肉体を誇示してこそ価値がある。筋肉マッチョを売りにした俳優は雨後の筍のごとく居ますが、誰もシュワルツェネッガーほどのインパクトは残せていない。

それなのにその長所を消して、短所を伸ばそうともがいた結果がこの映画なのでしょう。失敗作だと思うけど、私としては忘れがたい失敗作なのです。誰だって自分の可能性を伸ばしたい。そのチャレンジに失敗したことを私は嘲笑う気にはなれない。

この人、政治家にチャレンジしても成功とは言い難かった。でも筋肉がやせ衰えた老人になったら案外と渋い演技やコミカルな演技が出来るかもしれません。失笑を買う可能性も高いのですがね。

ちなみにシュワちゃん、呼ばれてもないのにプライベートで日本に観光にしばしば来ているそうです。デカすぎて目立つけど、日本人は有名人といえどもプライベートを尊重することが知られているからみたいですね。

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ロイヤルミルクティー

2024-04-24 10:16:01 | 健康・病気・薬・食事

知らなかったことって結構ある。

冬場に自販機で時折買うのがロイヤルミルクティーだ。冷えた身体に美味しい飲み物だと気に入っている。

なんとなくミルクティの本場イギリスの王室で愛飲されている印象を持っていた。ところがどっこい、これは和製英語でむしろイギリス人が不思議に思っていたらしい。いや、イギリスだけでなく、欧米から日本に来た外国人は一様に不思議がる。あるいはただのミルクティだと思い、いざ飲んでみると美味しさにビックリするらしい。

ちなみにミルクティー自体、和製英語で本場では通用しなかった。ただ観光客の日本人があまりに誤用するので、分かる人は分かるらしい。正確には Tea with Milk と呼ばれる。もちろんロイヤルミルクティーなんて存在しない。

いくつか諸説があるが、リプトンの極東支店喫茶部が考案した説と、大阪の喫茶店ロンドンティールームの考案した説が有名だ。年代的にはリプトンが先なのだが、現在使われるレシピはロンドンティールームが公開したものが一般的だとされる。これは特許権取得済みである。

もっとも紅茶に関してはうるさ型が多く、本国英国では100年以上続く論争があるほどにその淹れ方は多彩で多様である。ただロイヤルミルクティーの製法は、やはり日本発祥で間違いないようだ。

まぁ私としては、美味しければ良しなのであまり気にしていない。敢えて言えば、自宅で作る時はなるべく簡便な方法が望ましいので、複雑なレシピは御免被る。つまりナマケグマに相応しい手抜きレシピである。

紅茶のカップに三分の一の水を小鍋に入れて沸騰させる。一旦火を弱めてから茶葉を小さじ一杯分いれて1~2分放置する。沸騰する前に牛乳を入れて温める。絶対に沸騰させてはいけない。なんか風味が変ってしまうので、沸騰させるのはお勧めしない。

元々猫舌の私なので、香りがたってきたら鍋から茶葉を濾してカップに注いで出来上がりである。最初の頃は沸騰させてしまい妙な渋みが出てしまったが、今は滅多に失敗しない。これは趣味に属するが、このような芳醇なミルクティーの場合、チョコレートよりもクッキーが合うと思う。

麦芽たっぷりのクッキーが一番合うと信じている。先日お客さんに頂いたクッキーがまだあるので、今夜も食後に楽しみますかね。

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定額減税

2024-04-23 11:34:14 | 経済・金融・税制

役人は間違えを認めない。

認めないのだから失敗は存在しないし、反省する必要もない。法制度の改正を実施した段階で成功であり、その改正が現実にどのような効果を出したのかは人事考課には影響しない。

これは日露戦争以来、日本政府の伝統であり、何人たりともこの伝統を崩すことは認めない。だからこそ日本政府、特に霞が関は同じ過ちを繰り返す。

その典型的な具体例が、今年度の景気対策の目玉である特別減税である。初めに結果を予言しておくと、この特別減税で景気回復は見込めない。この場合の景気回復とは、個人景気のことである。外国人観光客によるインバウンドでもなく、また史上最高値を更新した株式市場のことでもない。もちろん大企業の経営成績とも関係ない。

本来の目的は相変わらず冷え込んだままの個人消費を刺激して、個人の財布のひもを緩めることだ。そこで岸田内閣が打ち出したのが定額減税である。所得税が一人3万円、扶養家族一人に付き3万円である。夫婦と子供一人ならば9万円だが、単身者は3万円で打ち止め。住民税も一人1万円である。

サラリーマン、OLの場合6月から天引きされる源泉所得税で調整される。事業所得者は来年の確定申告時に精算される。

事務所に送られてきた税務署からの資料を読みながら私はボヤいた。「また同じこと、繰り返すのかよ・・・」と。

実は似たような定額減税を平成10年に実施している。しかし景気浮揚効果は薄く、むしろ批判を招く醜態であった。だから翌平成11年には最大25万円の定率減税を実施している。こちらの方が効果は大きかったと記憶している。

おそらくですが、今年のこの定額減税は上手くいかないでしょう。それは平成10年に既に立証されている。しかし、自分たちの政策立案にミスを認めない官庁と、それに追随するだけのマスコミ様が放置したため再び同じ過ちを繰り返す。

官庁は政策を立案し、それに予算を付けられれば成功と見なし、その効果については知らん顔。記者クラブで飼い慣らされたマスコミ様は、餌付けされた土鳩よろしく賛同するだけ。

これが日本の現状です。馬鹿は馬鹿を繰り返す典型でしょうね。

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