ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

日本の未来、ほんとは明るい 三橋貴明

2010-12-13 13:38:00 | 日記

私が顧問を務める中小企業には、債務超過の状態に陥っているところが多い。

しかし、私はまるで心配していない。なぜなら、その債務はその企業の同族関係者からのものが大半だからだ。つまり社長の母親からであったり、社長自身からの借入金なのだ。

これは実質的には、資本金と同じ性格を持つ。なにせ株主=債権者なのだから、この同族債務が原因で倒産することは、まずありえない。

ただし、確認しておきたいが、対外債務が多数を占める債務超過状態の企業は危ない。とりわけその債権者が銀行である場合、銀行に潰されることもある。これ以上、赤字が膨らむ前に、倒産させて可能な限り債権を回収したいからだ。だから、対外債務は怖い。

ところで新聞やTVの発表によると、日本政府の抱える借金は900兆円を超えたそうだ。地方自治体の借金を加えれば1200兆円の借金があるという。

こんな借金を子供や孫に残していいのか。さあ、大変だ、なんとかせねば!

新聞、TVは大声上げて騒ぎ立てる。だからこそ、無駄な公共事業は削り、お役所の無駄遣いをなくさせて歳出を絞る一方、それだけでは足りないので増税が必要だ。これが良識ある日本人のとるべき判断なのだ!


信じちゃ、イケマセンぜ。

この情報の元は間違いなく財務省。ろくに調べもせずに財務省の接待所(記者クラブ)につめる頭のイイ記者さんたちが垂れ流す情報操作に過ぎませんから。

日本政府の抱える借金の9割強は、日本の金融機関、公益法人、日本人が債権者だ。この債権者が日本政府の梼Yを目論むことは在り得ない以上、日本が債務超過により破綻することはありえない。

そう喝破するのが、表題の本の著者だ。2ちゃんねる出身の気鋭の論者として知られるが、本職は中小企業診断士。公表されたデーターを元に、日本のマスコミが伝える日本政府の危機的な財政情報に脅かされるなと警告する。

この著者の強みは、誰にでも手に入る公表されたデーターを駆使して、マスコミが報じない真実の姿を明らかにすることにある。だからこそ、若い読者を中心に広く支持されている。

私はこの著者の主張に全面的に賛意を示すことはないが、それでも日本の財政赤字が原因で政府が破綻することはないとの主張は、大いに同意できる。対外債務が巨額なギリシャやアイルランド、アルゼンチンとは、まるで状況が異なるからだ。

新聞やTVの煽る財政赤字危機に疑問を感じているのなら、是非とも一読をお薦めします。

コメント (1)
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