ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

四川飯店

2024-01-30 09:18:03 | グルメ

年末のことだが、知人と久しぶりに四川飯店に行った。

昨年お亡くなりになった「中華の鉄人」こと陳健一氏がオーナーを務めていたお店である。赤坂店にいったのだが、年末とはいえコロナ禍もひと段落したせいか、8割がた埋まっていた。

正直言えば私は辛いものが苦手である。だから本格的な麻婆豆腐はいささか苦手である。だが、四川飯店の麻婆豆腐は日本人向けに辛さを弱めてあるので、私でも十分美味しく頂ける。

でも私の本命は炒飯である。もしかしたら陳さんは嫌がるかもしれないけど、ここの炒飯は美味しい。私の師匠のS先生は中国料理のコックさんの腕前は炒飯で分かるとの持論をお持ちであった。これって結構合っていると思う。

どんなにマスコミが美味しいで宣伝しても、実際に行ってみて炒飯の美味しくない店は他の料理もイマイチの事が多かった。私は家でも炒飯を作るが、火力が足らないのか店で頂けるようなパラッとして、かつさっぱりと食べられるような味にはどうしてもならない。

その点、四川飯店は赤坂店でも日本橋店でも美味しい炒飯が頂ける。もちろん、それだけでは悪いので点心などを幾つか頼んで楽しんでいた。多忙を極める陳健一氏にお店でお会いしたことはないが、きっとしっかりと指導していたのだと思う。

昨年、その訃報を聞いてから早めに店を訪れたいと思っていたのです。年末ギリギリになってしまいましたが、美味しい中華でしたよ。

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銀座若松の閉店

2024-01-05 13:18:29 | グルメ

疲れた時には甘味が欲しくなる。

そう云い訳しながら、外回りから銀座の事務所に戻る時に立ち寄っていたのが、銀座・若松という甘味屋であった。ご存じの方も多いと思うけど、いわゆるあんみつ発祥の店である。

既に閉店してしまったのだが、その理由はビルの建て替えによる追い出しである。実はこのビルの建て替えは、この十年ほど銀座地区の一大ブームである。

たしかに新耐震基準に適合していないビルの建て替えもあったが、私が入居していたビルのように古いが頑丈に過ぎて却ってIT化に適合しないビルもある。バブル期でも建て替えの話はずいぶんとあったが、古参の銀座ビルオーナーたちは頑固にそれを拒否していた。

しかし近年そのビルオーナー達が亡くなり、新しい世代に代替わりするようになった。そうなると、なにかとトラブルの多い古いビルの貸しビル事業よりも、売りに出して大金が欲しい新オーナー達が徐々に増えてきた。

先代のS先生の頃から数えれば半世紀近く銀座に事務所を構えてきたが、既に銀座地区に残る顧客は二件だけ。これが私が神田に移転した大きな理由の一つであった。正直建て替えの話が出てから、立ち退き料を頂いての移転も考えていた。しかし、一緒に事務所をやる予定だったN先生が急死されたので、仕方なく大急ぎで移転したのです。

予定よりも早すぎた移転ですが、これは税理士が一人で事務所は一つという制約があるためで、正直銀座に未練はあった。その未練の最大のものが美味しいお店が多いことでした。アンミツの若松屋は、その一つでして、なんの変哲もないオーソドックスな甘味でしたが、それが安心と満足感を与えてくれたのです。

まぁ美味しいお店なら、古くからの繁華街である神田もそうそう負けていませんが、やはり銀座は一枚上手。ただ、年末に銀座を散策していて感じたのは、古くからの老舗がどんどん無くなっていることです。もちろん、そこに新しい店が入るのですが、元あった店の風格とか伝統がない。きっと新しい料理文化を提供してくれるとは思うのですが、これは時代の波に洗われてこと本物になる。

ちなみに若松屋さんは、他に適当な場所があればそこで事業再開するそうです。でも・・・多分銀座の目抜き通りは難しいだろうと思う。今の新しい不動産オーナーは、多くの場合ファンドそれも外資系ファンドが多いのです。他の新テナントビルを見ていると、伝統的な銀座の老舗はそう多くない。

これも時代の流れなのでしょうね。

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シェラスコ

2023-11-07 09:00:22 | グルメ

たまには贅沢をしたい。

日頃の食事は特に贅を凝らすようなことはない。ただ糖尿病予備軍なので、食事の内容には注意している。特にご飯を食べ過ぎないように気を使っている。

昼食こそ外食だが、朝と夜は可能な限り自炊している。外食だとどうしても塩分とカロリーが多めになる。これは飲食店が商売である以上、致し方ないことだ。減塩とか低カロリーは重要だが、はっきり言えば美味しくない。

やはり塩は適度に使わないと旨味を感じ取るのは難しい。また低カロリーの肝である油を減らすことは、調理の幅を著しく狭くし、かつ美味しさをも失う。20代の頃から食事療法をやっていたので、料理こそ出来るが、その目的は減塩中心なので、私の作る料理はあまり美味しくない。

ただ、あまりに不味い料理は気持ちを萎えさせる。だから蒸したり、オリーブオイルを多用したり、あるいは酢の活用を増やすなどしてあれこれと工夫してきた。だからこそ自信を持って言えるのだが、美味しい料理の秘訣は、塩と油だと。

もちろん塩と油以外の調味料もあるが、この二つを使わない、あるいは使用量を著しく減らすと料理は格段に難しくなる。やむなく、あれこれと試行錯誤した結果、塩はできるだけ岩塩(ミネラル入り)を使い、油はオリーブオイルかひまわり油を使うように心がけている。

科学的根拠が薄いのは承知しているが、どちらもあまり安いものは買わないので、結果的に使用量を減らす効果はある。

ちなみに最近はお米など炭水化物も減らすように心がけている。これを減らすと相当なダイエット効果があるのだが、これが難しい。やはりお米は美味しいし、食べたいという本能は強固なものがある。

だから少し減らすことで妥協している。特に夜はなるべく食べないようにしている。というのは昼は外食なので、お米を抜くことは難しいからだ。蕎麦やウドン、パスタも同様である。

夜は魚料理が中心なので、ご飯は欠かせないが、副菜を増やすことでご飯の量を減らすように心がけている。問題は肉だ、大好きな肉だ。肉を食べる時は肉と野菜だけで済ませている。断固ご飯は食べない。カルビをサンチェに包んで、ご飯と一緒に食べるのが大好きだったが、今は我慢している。そうしないと絶対にカロリーオーバーとなる。

でも、たまにはお肉を一杯食べたい。欲求不満を溜め込むことは、精神的健康に良くない。でも一人ではいかない。あくまで友人や知人など複数で行く。事情を知っている連中ばかりなので、私が食べ過ぎると注意してくれるのがありがたい。

先週、久しぶりにブラジルの名物料理であるシェラスコを食べに品川に行った。チェーン店ではあるが、コロナ前に行った六本木店で食べた時は満足のいく味であった。実は春に横浜で某有名なシェラスコ料理店で食べたのだが、どうも肉の質を落としている感があって満足できなかった。まだコロナ禍の影響が濃厚なので、コストダウンも分からないではない。

だから、今回も少し不安だった。で、実際に行って食べてみると、最上とは云わないまでも十二分に満足のいく質のシェラスコであった。私は中途半端なレア焼きが嫌いなので、十分火を通した肉が欲しいと事前にお願いしてあった。面倒な客だとは思うが、シェラスコ料理は本来表面がカリカリで中身も十分火が通った肉であるべきだと思っている。

日本人が大好きな松阪牛に代表される柔らかい肉を薄切りした場合は、少し赤身が残る程度の焼き加減でも美味しいと思うが、肉料理の本来の美味しさは、十分に火が通ったウェルダンだと思う。特に岩塩だけで味付けした場合は、表面が少し焦げたカリカリで中身がジューシーな厚切りの肉、つまりステーキが最上だと信じている。

ここのシェラスコ料理は、肉の大きさも十分で、味付けは岩塩だけのシンプルなもの。私としては数年ぶりに満足のいく美味しさであった。まぁ強いていえば、肉の種類が少し少なかったように思ったが、あれだけの質と量のシェラスコならば文句はない。

美味しいだけに食べ過ぎに注意し、肉の倍は野菜を食べたので、とりあえず良しとしたい。でも・・・う~ん、やっぱりカロリーオーバーだったと思う。しばらくは意識して食事量を減らそうと思います。

まっ、久々に満足のいく美味しい肉だったので、これはこれで幸せな私です。

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アメリカ流BBQ

2023-09-25 09:16:32 | グルメ

先月のことだが、以前知り合ったアメリカ人からバーベキューに誘われた。この暑さの中、焼き肉かいなと思ったが途中参加で構わないというので日中一仕事終えてから参加した。

驚いたのは、昼頃から適当にやっているとの話であったが、肝心のメインメニューであるテキサスビーフ、それも一塊3キロはある奴が3っつも鉄板の上で焼かれていた。だが、まだ焼きあがっていないとのこと。既に2時間近く焼いているらしい。

肉を焼いて食べる場合、その肉は大きく分厚いのが良いとは知っていた。四谷にある某フレンチの店では、ステーキに1時間以上火を通すことで知られている。いわゆる低温調理である。このやり方は時間はかかるが、その分冷めにくく、しかも上手に焼くと一見生焼けに見えるが、十分に火が通った美味しい焼き肉となる。

ちなみに日本人がやるBBQの大半はグリル焼き、すなわち高温調理である。知人のアメリカ人に言わせると、それは本当のBBQではないという。まぁ定義なんて私にはどうでも良い、要は美味しいかどうかである。

で、結局3時間近く低温で焼き上げたテキサスビーフの肉隗は物凄く美味しかった。A5クラスの松阪牛にも負けぬジューシーな肉で、噛めば噛むほどに肉汁が口の中で弾ける。私がこれまでに食べてきたBBQの肉とは異次元の美味さであった。

ちなみにこのメインのテキサスビーフの塊を焼くのはマスターであるアメリカ人の夫の役割であり、これしかやっていなかった。もう一つの鉄板で奥様とその知人の女性がソーセージやパイナップルを焼いていて、ご主人はそれをビールとともにつまんでいただけ。

この待つ時間があるからこそBBQは美味しいのさと誇らしげに語っていた。まぁ、よくぞ我慢できるものだと呆れたが、あれだけ美味しければ反論なんて出来ないな。

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たまには贅沢を

2023-07-28 09:29:20 | グルメ

久しぶりに贅沢をした。

銀座の街は、金さえ払えば相当に美味い食事が楽しめる。夜が本命なのだが、実はコストパフォーマンスが良いのはランチだ。夜に出す予定であった残り食材を昼に回して、ランチとして出す店がある。

上手く調理しているので、使いまわしには見えないところがミソだ。ただし、そうはいってもお値段はそれなりなので、私もそう頻繁には頂いてはいない。また夜のコースを知っていると、やはり格落ちの感は否めず、物足りなさもあった。

だからこそ昼のコースに力を入れているお店は貴重だった。幸いにしてバブルが弾けて以降、銀座の名店は有閑マダムが顧客の筆頭に上がるようになっていた。そうなると、店も昼のコース料理に格落ち感を感じさせないものが増えてくる。これはありがたい。

銀座から神田へ事務所を移して二か月余り。新スタッフの歓迎会を兼ねて銀座で昼食会を催すことになった。店選びは私と30年近く一緒にやってきたベテランスタッフに任せた。

選んだお店は銀座kazan。名前は聞いたことはあるが、店に行くのは初めてだ。ちなみに海鮮イタリアンだそうで、メインは「ニューカレドニア産天使のエビのフライ」だそうだ。実はその後に出てきた「生ウニと直火帆立貝のミルフィーユ」がデザートに見えたので、どっちがメイン料理なのか、ちょっと迷った。実は両方ともメイン料理。でもエビのフライは確かにお見事な味だった。

生ウニのミルフィーユも人気メニューらしく、これはこれで新鮮な驚きだった。久々の贅沢ランチであったが、たまには良いものだと思いました。

神田の街は老舗が多く、小さいながらも昼時には行列が出来る美味し店がたくさんあります。しかし、やはり贅沢な料理となると、銀座には及ばないなぁとしみじみ思ってしまいました。

ちなみに余計なことは言わずに黙っていましたが、カロリー計算すると一寸怖い。やはり贅沢料理はそうそう食べるべきではないなと痛感したのは秘密です。

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