ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

「太陽系最後の日」 アーサー・C・クラーク

2008-03-25 13:04:41 | 
先週半ばに飛び込んできたニュース。それがアメリカSF界の三巨頭の一人であるアーサー・C・クラークの、スリランカでの死亡であった。ファンの一人として、残念でならない。

以前ここでも取り上げたが、「2001年宇宙の旅」や「地球幼年期の終わり」など、SF界に与えた影響は大きい。日本においては、SFマガジンの創刊号で取り上げられた表題の作品こそが、SFの普及に大きな役割を果たしたと思う。

この短編で雄々しくも掲げられた人間賛歌に、SF小説の輝かしい未来を感じ取った人は多いと思う。私とて、毛語録の読書会で知り合った大学生たちに薦められて読んだ時は、素直にその素晴らしさに感動した。SF小説こそ、文学におけるこれからのフロンティアだと確信したものです。

もっとも、私自身はスペース・オペラに先祖帰りしてしまい、本格的なSFを読み出すのは高校以降でした。一方、忘れてはならないのが、科学ライターとしてのクラークです。科学というものを分かり易く、身近な具体例を挙げて解説してくれたクラークの科学エッセイは、私の知的好奇心と雑学趣味を大いに満足させてくれたものです。

私にとって、アーサー・C・クラークは単なるSF作家ではなく、科学の教師的存在でもありました。謹んでご冥福を祈りたいと思います。
コメント (4)
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